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【本編完結】とある(残念)イケメン観察…しない残念令嬢  作者: 泉ヶ森 密筑


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番外編③ ふうわりふわり

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます

☆評価、ブクマ、いいね 等、本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


今回漸く番外編が完結( ≧∀≦)ノ



 彼女が飛び去って、早一年弱。

 辺境の街に雪が降る。

 ちらほら、ふうわりふわり。

 積る雪ではないだろう。


 今頃彼女はどうしているのだろう? まだ空を漂っているのであろうか? それとも見知らぬ土地にでも降り立ち、何処かで静かに暮らしているのであろうか?

 あれから彼女が現れる事はなくなった。この国の空には。

 目撃談はそれなりに伝わっては来るのだ。それこそ各国から。もしかして世界一周の旅でもしているのかもしれない。そうだと良い。決してこの国に囚われ、虜囚のような扱いを受けていない事を切に願うばかりだ。


 緑髪の騎士は約一年ぶりに白い丘に立っていた。何故今ここに来たくなったのか、彼自身にも分からない。あれからきっかり一年、ならば分からないでもない。しかしあの日から一年には満たない今日、何故?


 湖を見下ろす。アイスブルーにはまだ遠い、くすんだ蒼。氷はまだまだ薄そうだ。危なくて湖面には立てない。

 次いで空を見上げる。季節柄、相変わらずの曇天。雪か(みぞれ)か、時折思い出したようにひらりひらりと落ち降る白。そこに、大きな白が目に入った。

 ふうわりふわり。

 雪ではない。明らかに雪より質量のある姿。まるで雪の精霊ででもあるかのように、ひらりひらりと空から湖へと降りて来る。

 騎士は湖へと走った。崖のような急斜面を怯まず走る。鍛えられた身体が転がる無様は見せない。ただ、湖の(みぎわ)で思わずたたらを踏む。まだまだ薄そうな湖の氷。騎士はそろりと足を踏み出す。やはり頼りない。それでもそろりそろりと前進する。そろりそろりが、徐々に足早になっていく。最後は氷の厚さなど忘れて走っていた。

 湖のほぼ中央。騎士は上を見て腕を広げる。大切なものでも受け止めるように。

 ふうわりふわり。

 彼女は逃げる素振りも見せず、彼の腕の中に雪のように降る。


「お帰りなさい、で宜しいですか、レディ?」


 彼女が甘えるように騎士の肩に額を押し付けた。彼女が騎士から逃げる事はなかった。










〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉










 懐かしい夢を見た。


 前回の人生では、そのまま騎士の妻になり、幸せなその後を送った。

 彼は現在のハリシアに至る領地を治める領主の息子であった。それもあって結婚が認められたような気がするが、前回の人生は良く憶えていない。

 ただ一つ、前回の夫が今回も夫であるのは確かなようだ。まさか見た目だけ似ている他人とは思いたくない。何となく、言葉に表し難い雰囲気やここ一番の感覚は彼その物。尤も、前回とか今回とか関係なく、私は夫を愛している。


 前回と言えば、前回の息子(次男か三男か)が婿に入った先でドランツィツィと呼ばれるようになる元祖となった。つまり今回の人生における私の祖父が前回の息子の欠片を引き継いだのだ。

 それもあって死に際に魂だけで挨拶に来たのだろう。まだ私の体調が回復しない頃の話だ。そしてその場にアリサも居た。小さな小さなアリサが。


 前世というものがあるならば、アリサも私同様に前回を引き摺って生まれて来てしまった娘だろう。そればかりか、もしかしたら末の子ジィーンも。


 そんなあの子達が私達の元に産まれて来てくれたのは、前回の記憶を持つ私の存在があっての事であると思いたい。私は──私達はあの子達を否定しない。共に守り、生きていこう。












魔女が騎士の手に保護されるまで、夢の中の方が二転三転あってドラマチックでした。作中淡々とした方が昔話っぽくなるかな、と。

あとは作者の実力不足です(T-T)


次回から本編に戻りますヾ(ゝω・`*)ノ

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