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【本編完結】とある(残念)イケメン観察…しない残念令嬢  作者: 泉ヶ森 密筑


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アリサの買い物②

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます。

☆評価、ブクマ、いいね 等、ポチっとありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


今回は前回の続きですが、第二王子視点から離れます。誰のということもなく作者目線?




 今回の商談は無かった事に

──とはならなかった。ある意味これもやらかした事にそぐわぬ甘やかしだが、ここで見限るのは酷な事情ができていた。商会の船が襲撃され損壊したのだ。どうやらアリサを食い物にしようとした会計担当者が既にやらかした後で、恨みを買っていたらしい。商会は一応被害届けは出すが、犯人逮捕には拘らないと責任者キキリンは言った。それよりも船を速やかに修理しないと帰国できない、と。しかしそれにはコネと金がいる。船の修復は専門職だ。大掛かりな整備場──ドックも必要になる。大概は予約が必要。当然修繕費は莫大。現在の彼女達にはそのどちらも心許ないのが現状。


「こんな酷いは、この国の責任! 貴方達が、新しい船用意ください!」

「逆恨みは止めなさい、ロロキ! 今回の事態は我々が今までしてきた事の結果です。ロロキ、貴方には心当たりがあるのでしょう?」

「キキリン様は間違っていマス! 私は商人テス。商人は高く売るのが仕事。買い叩くヤツ、憎い。儲け出す、商人の仕事!」

「それはボ、ボ、ボ……」


「ぼったくり?」

「ボッタクリです!」


 アリサがキキリンに助け船を出すと、彼女は何事も無かったように言い合いに戻って行く。


「細く、長く、信用と金を積み上げ愛される。お客様に喜んでもらえるが良い商売。相手の足元見る、ボッタクリ、違う!」


 これは論争とは言い表せないだろうというのが聞いて居る者達の総意だろうと予想される。


「仮に逆恨みが通る、する。でも国に責任は無いです。ロロキの求め、筋が通らない」


 会計担当ロロキだけでなく、キキリンも徐々に片言になりつつある。興奮で思考が回らなくなりつつあるのだろう。その片言のせいか、内容の深刻さを棚上げして、子供の喧嘩に毛が生えたようにしか聞こえない。事実、城側としては彼等の喧嘩に付き合う義理は無いのだ。


「あー、その先は宿にでも戻ってからにしてくれないか。こちらとしては取り引きを飲むだけでもかなりの譲歩だ。さっさと終わらせてしまいたい。まあ、今後は無いと思ってくれ。──アリサ嬢! 見積りは済んだか?」

「はい、殿下」


 アリサの返答に、漸く目の前に居るのが王族であると気付いたのだろう商会の人間達が青くなった。特に会計担当者ロロキが。不敬罪の文字が頭に浮かんだものと思われる。


「こちらがわたくしの見積りです。キキリン様、どうぞお確かめをお願いします」


 見積りその物と数字は地球──日本語とアラビア数字で出し、それをフリングホーニ語に直した書類をアリサが商会責任者キキリンへと渡す。キキリンの顔色が厳しくなる。


「幾らなんでも、これは叩き過ぎでは?」

「叩いても良いところをそのようにせず、適正価格で出したつもりです。まずは明細を御確認ください」

「野菜の乾き物はともかく、フカヒレがこれは……!」

「品は確認していますか? 貴女方の提示金額は一級品の価格。しかしこちらにある物は三級品以下。実際、我等が領地にて加工したフカヒレの方が上物です」


 慌ててキキリンが用意されていたフカヒレを確かめる。そして何も言い返せないようであった。

 だが、これは些か商会の方が不利な条件であっただろう。まず航海の果ての品であるので、どうしても品質は落ちる。だけでなく、そもそものアリサの基準が高過ぎるのだ。と言うのも、彼女の基準は地球──日本が最も良い品質を作り保っていた頃の基準で見ていたからだ。


「代わりと言う訳ではございませんが、包丁等の刃物や工芸品の類いには良い値段を付けさせてもらいました」


 食い付くように書類を凝視するキキリンと財務の担当者二人。三人とも目を剥いている。


「これ等は、こちらの見積りヨリ高いデス」

「それらは美しいまでにしっかりしている。こちらでの再現は難しい。特に包丁は、玉鋼(たまはがね)まで用いて手作り致しましたが、やはり職人のようにはいきませんでしたの」

「待てアリサ嬢! 刃物を手作り? 鍛冶師の真似事をしたと申したか?」

「はい、殿下。けれど職人達に旨く伝える事叶わず、欲しい品が出来上がらず、仕方なく自分で鍛冶職人の真似事を致しましたの」

「…………………………そうか」


 第二王子バルドが何とか言葉を捻り出しただけで、他は言葉が無いようであった。


「何はともあれ、これがわたくしなりの適正価格ですわ。需要があり、品薄になりがちな物は高く、逆に食品のように地域色が強過ぎて売るのが難しい品は、どれだけ手間隙が掛けられていようと安く買い叩かれる。しかも長の航海で食品は劣化しがち。せめて品質を保てるよう工夫を重ねてくださりませ」


 ネジが一本二本抜けたままかと思われていた少女は、大人がこぞって呆気に取られる程には厳しい目を持っていた。









アリサは自分基準にて値段を付けました。けれど食品等は他の領地では受け入れがまだ難しい物も山程ある事を承知しています。それに加えて長旅による劣化。いくら珍しくてもそれらの事情を加味し、且つ前世の記憶で良質の物を知るアリサは過去の基準に引き摺られ、厳しい目となりました。

商人で名前の出ている人物

 キキリン──樹木希林さん。昭和の往年の大女優。菅井キンさんと迷いましたが、キンさんは(意味無いけど)漢字が良く分からないのと、単純もじりだと微妙なのとで止めました。何故この二人かは理由無し!

 ロロキ──北欧神話の神様ロキから。何でか出てきた名前。今回、興奮が過ぎて「デス」が「テス」になっています。


いつもポチっとありがとう(^人^)ございます。

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