アリサの買い物
数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます
少しptが回復致しました゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜
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今回は第二王子視点。
そして漸く、国に名前が付きましたヾ(o゜ω゜o)ノ゛
日を跨いで。
他人の話を相変わらず聞かない──聞こえていないアリサが部屋を右へ左へと、キャッキャはしゃぎながら元気に歩き回っている。部屋のテーブルや床の上には、遥か南西の島国から運ばれて来た品々。米、味噌、醤油は勿論、鰹節や昆布、魚の干物、干瓢に切り干し大根に椎茸にフカヒレに海鼠等々の乾物。後は様々な反物、鋳物、蒔絵等の漆塗り、銀線細工、木や金属の象嵌細工、陶器と磁器……etc……
「お酒~お酒~お酒~、お米のおさけ~♪ お・さ・け~♪」
歌……なのだろう妙な節回しを口ずさみながらネジが何本か抜けたままのアリサが部屋を練り歩く。因みにアリサは未成年。この国でも未成年の飲酒は認められていない。だが止める──止められる者は居ない。現在この部屋に在室しているのはアリサ嬢を筆頭に、第二王子バルドと財務の人間(中堅)二名。後は南西の島国から来た商会の人間(責任者以外複数人出入りしている)だけだ。つまり、アリサの保護者がどちらも留守。ついでに、いつも側に侍っているクルイウィル兄弟が居ない。
アリサは現在暴走気味。どうする!?
「和紙各種、筆各種、刷毛各種、墨各種、いただきますわ。あら、こちらの柘植櫛も宜しいですわね。簪! 簪各種もいただきます! それとこちらの刃物類も全ていただきたいですわ。包丁が素晴らしい……! あらあらまあまあ。こちらの瓢箪細工が可愛らしいですの」
「ま、待ってくれ、アリサ嬢……!」
「はい?」
「その……食べ物とか、布物に興味はないのかな?」
「あら、第二王子様、初見の方の前では話し方が変わりますのね。お休み前の学園でもそうでしたもの」
「今そこは問題ではない、かな」
第二王子バルドがニコリと笑って見せた。実際にバルドは慣れる前の人物、仮に慣れても仕事で関わる者以外には柔和な仮面を被る事が殆どだ。考えてみれば、いつの間にかアリサの前では仮面を被らなくなっていた。
しかし今、何故そこなのだ?
「もう一度訊くよ。食品に興味はないのかな?」
「当然ございますわ。けれどこの部屋にある物なら、好きな物を好きなだけ選べますのでしょう? 食品もほぼ全ていただきとうございますわ。あらら? いらない物を省いていく方が効率が良いかもしれませんわね」
「……………」
この女、本当に遠慮という言葉を棚上げにするつもりらしい。今回の買い物は「見舞いの品」の形を取った詫びである。ここで遠慮無く買い漁ってもらった方が、こちらとしても手切れの品を渡したと言い切れる。だが、今回の買い物の半金はバルドの支払いになるのだ。残る半額は警務隊と第二騎士団が更に折半して団費で払う。昨日ねだられた図鑑のシリーズだけでもとんでもない値段であるのに……。
女のおねだりは怖い。女は金がかかる。例えどんな形でも。第二王子バルドはここに来て漸く学習した。
「あらららら? こちらもしかして魔鏡ですの?」
「……申し訳ございません。マキョウなる品は当方では扱っておりまセン」
「そうですの。ではこちらの品はまた今度機会がございましたら、ですわ」
「はい。では避けてしまいますね」
相手の商人は少し訛りがあるものの流暢なこちらの言葉──フリングホーニ語を操り、嫌な顔もせず手鏡を別の場所へと移す。
まだまだ買い物は続くらしい……。
〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉
漸く、漸く会計に漕ぎ着けた。長かった……!
女の買い物は長い。
第二王子バルドはこの件に関しても初めて実感と共に学習した。だからいつもアリサの周囲をウロチョロしている面々が居なかったのか、としみじみ噛みしめながら。
会計は現金を扱う訳ではない。城からの諸々の支払いは、請求書に小切手機能を足したような書類でなされる。まあ、実質小切手だ。まず商会の方から只の請求書が城へと上げられる。その請求書が認められれば、城から請求書兼小切手が商会へ渡る。商会は小切手を兼ねた請求書を決められた機関へ提出し、そちらで現金化するなり、数字だけで口座に入金するなりする。
ただの小切手で良さそうな物だが、昔何かがあった為の今だと聞く。
何はともあれ、まずは商会から金額を提示してもらわなければ会計は済まない。その段で話が拗れる。
商会が二度程計算して、請求書に金額を記した。財務の者がそれを受け取り、横で見ていたアリサ嬢がその請求書をスッと彼の手から抜き取る。金額を一瞥し、無言で破り棄てた。
「アリサ嬢!?」「アリシア嬢!?」
「残念ですわぁ。今回のお買い物は御遠が無かったようです」
「どうして? 特に米はあんなに欲しがっていたではないか!」
「信用できない相手と商売はできませんわ」
「お客様。当方が何か致しましたでショウか?」
「金額がおかし過ぎましてよ」
「遠路遥々海を超えて来た品デス。どうしても高額になりマス」
動揺しているのだろう。商人の訛りが少し多くなる。
「わたくし、これでも貴族の家に産まれましたの。我等が領地は港を北と南に有してございます。わたくしも様々なお品を見て参りましたわ。値段と共に」
会計をしていた商人の顔色が変わった。露骨ではないが、ここは城だ。他者の顔色には敏感な人間が揃っている。財務の二人も気付いたようだ。
「こちらの数字、二割から三割程上乗せしてますわよね?」
財務の二人の眼に剣が射す。だが商人は諦めない。
「今回、無理を通してマス。急なトリヒキで」
『止めなさい、ロロキ』
「!!」
異国語を発しながら商会の責任者が入って来た。だがこちらの言葉を話せない訳ではなかったらしい。続く会話はフリングホーニ語に切り替えられた。
「手前共が大変失礼致しました。この通りお詫び申し上げます」
言い訳をせずに、深く身を折って謝罪を示して来た。責任者が何も弁明せずに頭を下げたので、部下であろう者達も彼女に倣い頭を下げる。
「金額の上乗せは、貴女の指示ですの?」
「イイエ! キキリン様は何も! 手前のドクダン──」
「例え部下の独断でも、部下の仕出かした事、私の責任デス」
「躾を間違えましたのね。躾は、優しくする事と甘やかす事の違いが難しいですの。けれど結果は大違いですのよ」
「………はい」
「わたくしのような小娘が、耳に痛い講釈を偉そうにごめんなさいね」
「ありがたき薫陶にございます」
「………わたくしからは以上でございますわ、第二王子様」
丸投げか……。
「まずは頭を上げてくれ。話はそれからだ」
色々と事情を訊かないとな。
読者様が戻って来つつあります。ありがたや( T∀T)
さて、後には引かない予定の商人達の名前は、誰の名前をもじった物でしょう?
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