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【本編完結】とある(残念)イケメン観察…しない残念令嬢  作者: 泉ヶ森 密筑


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60/204

60.米が来た❗

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます


今回、すっかり影の薄くなっていたあの人がじんわり近づきます( ̄ー+ ̄)




 アリサへの慰謝料及び賠償金


 以前アリサに対して直接暴行を働いた者達の退職金の三割の支払いが命じられる。


 近々の昏倒事件に関しては

 警務の三人は、あまりに身勝手且つ幼い動機により酌量の余地無し。因って今後七年の間、毎月給料の一割をアリサ嬢に支払うものとする。


 第二騎士団は、あまりに杜撰な状況判断に問題ありとして、その場に居た者達を三ヶ月間三割減俸とする。

 尚、有志によりアリサへの贈り物は第二騎士団にて賄われる。



 その第二騎士団からの贈り物──別名賄賂は、米であった。




〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉




 都合良く米の手配が成されたのは、第二王子バルドと宰相の采配が大きい。

 理由その一。アリサが米や味噌等の、南西の島国特有の食材を欲している情報をいち早く掴んでいた。

 理由その二。遠い南西の島国から来た商船を把握していて、第一のアリサへの暴行傷害事件の際に、既に手配を済ませていた。

 その商人が今、王都に辿り着き宿を決めるなりの城への召喚となったのである。

 つまり、第二騎士団に米を贈り物にするよう含めて聞かせたのは第二王子バルドと宰相の二人だったりする。要はアリサの機嫌を取る形で、魔術師棟との軋轢を解消しろとのお達しだ。何より料金はきちんと(その時あの場に居た)第二騎士団の面々がお金を出し合っている。詫び状も忘れぬようにしろとの助言も付け加える念の入れよう。どうやら第二騎士団、それらの礼儀やら何やら信用が無いらしい。いや、今回の一件で信用が失せたのかもしれない。ならば念のいった注意は、嫌味且つ「もはや信用できない」との通達を兼ねていたのかもしれない。


 何はともあれ第二騎士団は最悪の事態は免れる。


「米が手に入ったぞ!」


 アリサ嬢がこの一言であっさり目覚めたからだ。

 どれだけ米が恋しかったのだアリサ嬢?


「アリサ。午後のお茶の時間まで、もう一時間無いぞ」


 続く父アリシア伯爵の指摘に慌てたアリサは寝惚けたまま行動を開始する。昼の間の根城になっている厨房にて鶏ガラを丁寧に処理して仕込み、火をかけた状態のまま午後の観測に出掛けたそうな。




〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉




 アリサ達が観測から戻って来た時には、半分は大袈裟にしても、三分の一以上、鍋の水嵩は減っていた。

 因みに今回の観測、警務の人間が丸っと外された。代わりという訳でもなかろうが、アリシア親子が揃ってアリサに同行している。同じく当たり前のように揃って同行しているクルイウィル兄弟を警戒してのものであるかどうかは不明である。




 本日の昼食は、ほぼ夕食の時間。

 献立は鶏ガラスープで炊いた白粥の擂りおろし生姜がけ。付け合わせは、取って置きの梅干しで。

 この生姜が、尋常でなく土鍋いっぱいに乗っけ盛りされた一品。勿論生姜が用意されている間中、「わー」だの「ぎゃー!」だの「もう止めろぉー」だの外野の叫び──悲鳴が酷かった。そんなもの、まだまだ意識のハッキリしていないアリサは聞いちゃいない。どの道、意識がハッキリしていても変わらないだろうとの意見は意味が無い。斯くして質素な昼食が整った。


 本日の昼食参加者は、アリシア親子三人とクルイウィル兄弟(次男と三男)は当然参加。他、第二王子バルド、そのお毒味役二名。魔法のオジサン。魔法騎士の中から籤引きで勝利した一名。最後に宰相の計十一名である。


「………お? 意外に美味い!」

「生姜の辛味が丁度良い……」

「この梅の塩辛さと酸味も口飽きさせなくて良いですな」

「これ……二日酔いの朝にも食べたい」

「確かに胃に優しそう……」

「………風邪の時とかでも食べられるのでは?」


 大の男達大絶賛である。どんだけ胃に負担をかけているのだと心配になる勢いで食べ尽くした。

 結論。


「お米、足りない……」


 足りなくなったのは、今回炊いた粥だけだが、アリサのもの悲しそうな声。


「アリサ。私達まで食べたら足りなくなると思って用意しといたんだ。前にアリサから聞いたサンドイッチ。作り方はこれで良かったのかな?」

「これ違う……」

「………うん。ごめんね」

「………でも美味しい。ありがとう、ジオラス様」


 青少年のくすぐったいかもしれない遣り取りを、いつの間にか大人達が注視している事実に若者達は気付かない。特に青年ジオラスは嬉しそうにはにかんでいる。


「今度、作り方、教えてあげる。一緒、作る?」


 片言になっているアリサの誘いに、全力で振られた犬の尻尾の幻影が見えそうな勢いで了承を示しているジオラス。

 ジオラス。漸く一歩前進か?




 これといってアピールポイントなど無いのに、顔しか取り柄が無い〈お花君〉のくせに、初めは〈お花君〉呼ばわりで名前も呼んで貰えなかったくせに、いつの間にか名前呼びで当たり前にアリサの側に侍っている〈お花君〉。何気に怖いと判断したアリシア親子である。





 翌日、米以外にもアリサの好きな物を好きなだけ、との条件にて、南西の島国の品々を購入できる運びとなる。名目は、城の人間からの度重なる被害への詫びの一つとして、第二王子バルドからの見舞い、であった。


 そしてそれ以外にも、念の為に何か欲しい物はないかとの(第二王子バルドの)質問には、アリサは「お金」と答えた。


「お金たくさん。領地の街道整備して、護岸工事で、灌漑工事で、崖の処理もして、水車欲しい!」

「娘よ、スイシャとは何だ?」

「水の動きで回る車の輪。風車も欲しい!」

「今度はフウシャか。フウシャとは何だ?」

「風の力で回る大きな風車(かざぐるま)

「……役に立つのか?」

「領民の役に立ちます! 大きな設備」

「金が幾らあっても足りなそうだな。……娘よ、一応そろそろ遠慮しとこう。もっと小規模な何かはないのか?」

「…………………………」


 考えているのか、力尽きたのか、アリサから即答は得られなかった。

 が、回答を諦めけけた頃に返答がなされる。


「ここ、お城のお庭に穴堀りしたい」

「何で庭に穴!?」


 さすがにバルドが驚愕の声を上げた。


「温泉入りたい。温泉、ここならきっと出る」

「いや、無理じゃないか、妹よ」

「百ヶ所くらい掘ったら、きっと出る。ここ、地下に熱湯溜まりある」

「……ああ、アリサ嬢。城の庭に穴を掘るのは、その……諦めてくれ」


 バルドが困惑と共に伝えると、アリサがとんでもない事を言い出した。


「ここ、百年後か、千年後か、熱湯吹き出してお城も吹き飛びます」

「はあ⁉️」×全員

「大きな熱湯溜まり、あるです。精霊の御機嫌、いつか損ねた時、温泉吹いて、お城も吹き飛ぶ、です」

「……………ええ?」×全員

「………父上。これ、アリサの無意識予言ではありませんか?」

「………娘よ、それは一、二年程度先の話ではないな?」

「違う」

「十年や二十年先か?」

「もっとずっと先。もう私達は生きていない時代の話」

「……………今を生きる私達にできる事はあるか?」

「懸命に、誠実に生き抜く事」

「分かった」×アリシア親子


 アリシア親子以外の面々は、ただただ呆気にとられていた。


「さて娘よ、もう少し小さなおねだりはないか? できれば物品が望ましい」


 父からの再びの問い掛けに、アリサが可愛らしく首をかしげた。


「んー……………本、図鑑のシリーズが欲しいです」

「ああ、それなら現実的だ。何が欲しいのだ、アリサ嬢?」


 気安く応じた第二王子に、アリサが本の題名を答えた。バルドは自らそれをメモに記して、機嫌良く宣言した。後になって後悔するとも知らずに。


「お安い御用だ。早速手配しよう」


 その図鑑シリーズが、まさか王立図書館等の大きな図書館にしか納められていないような一大シリーズとも知らずに。因って、金額もかなり張る──小さな屋敷を建てられる物であったなどとは知らずに……。


 図鑑シリーズは第二王子バルドの私財から揃えられたそうだ。








白粥に生姜てんこ盛りは、食欲不振の時に大真面目に重宝する一品です。

風邪の時にももってこいメニューですよo(*⌒―⌒*)o


自業自得ですがφ(..)☆評価、ブクマが纏めてゴッソリ減った!!

悲しい……(゜゜;)\(゜ロ゜;ヾ(;゜;Д;゜;)ノ゛

仕方ないな。それでも応援してやるよというお優しい方は、

どうかポチっとお願い(。-人-。)しますm(_ _)m


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