おしおき……たぶん一歩手前
数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます
警務隊と第二騎士団の始末の巻き
アリサが嫌がるだろうからと、昏倒するアリサに生活魔法で(父アリシア伯爵が)清拭をかけてから上着を脱がせて(兄ファルゴルが)ベッドに横にする。
一度はジィーンを召喚する話になったが、役に立ちたいと強固に言い張るジオラスに、物は試しと魔力の譲渡を行わせたら意外にも相性が良い方であった。これ迄ジオラスはアリサの周囲をチョロチョロしつつも押しが強い訳でもなく、迷惑行為に及ぶでもなく、有り体に言えばアリシア親子は彼を見逃していた。それだけ取るに足らない相手だとの判断であったのだが、ここに来て彼の価値が急上昇を遂げた。面倒だ。だが今はジオラスにアリサを任せ、自分達は遣るべき事を済ませてしまおう。
アリシア親子は、アリサの個室と化している医務室にジオラスと医務官を残して、苦情の申し立て等々の為に部屋を後にした。
アリシア親子がまず向かったのは警務隊である。アリサが昏倒しているいじょう事情を聞ける相手は今朝方警護に付いていた人間、つまり警務隊となる。そこで人員交代の話を聞き、ならばとその後を任された人間を特定するも、当の本人達は知らないと素っ惚けようとする。アリサの人事不省の結果が結果であるだけに逃げに入ったようだ。しかし目撃者多数で逃げ切れる訳もなく、改めて話を聞けば──
「逆恨みの果ての八つ当たりじゃないか!」
あまりに子供じみた動機に、アリシア親子のみならず、残されていた真っ当な警務の人間達の怒りをも買ったそうな。
アリシア伯爵は警務を司る上役、第二王子バルドと宰相に面会を求め、ファルゴルは直接第二騎士団へと足を運んだ。
そのファルゴルが第二騎士団に着くかなり前、第二騎士団の鍛練が終わった正にその時を狙ってその男は現れた。年齢不詳男、魔法のイケオジ魔術師長。
「ここの責任者、居るか? 突然悪りぃな。魔術師棟のモンだ」
魔術師棟は魔法騎士ばかりでなく様々な研究職人員まで含む為、師団とは呼ばず単に〈棟〉と総称される。
「責任者の許可は取ってねーが全員聞けー! お前等がシゴキ殺そうとしたの、魔術師棟の期待の新人候補だから。彼女、完全に研究職で戦闘員じゃねーから。チマチマ口説き落とそうって時に、お前等何やらかしてくれてんだよ。場合によっちゃ、魔術師棟が師団体制で相手になんぞ」
注意と言うより苦情。苦情と言うより抗議。抗議と言うより恫喝。
魔術師棟を敵に回して騎士の勤めは果たせない。魔術師で派手に語られるのは魔法騎士だけ。後は地味な縁の下の力持ち職なのだ。彼等の恩恵は計り知れない。
ある意味素直な脳筋集団は、それこそ素直に揃って頭を下げた。
魔法のイケオジの行動なぞあずかり知らぬファルゴルが第二騎士団団長の執務室を訪れたのが昼目前。第二騎士団団長はその日、真っ黒な威圧を放つ笑顔のファルゴルの抗議──抗議と言うより恫喝を延々受ける事になり昼食を逃した。
第二騎士団の悲哀はまだ続く。
ファルゴルが第二騎士団団長を相手に厳重なる抗議をしている辺りでアリシア家の絶品料理の噂が流れて来たのだ。しかし第二騎士団にアリサの恩恵が届かぬように魔術師棟が連携し始めた後であった。美味しい食事は勿論、面白い且つ便利道具が第二騎士団に辿り着くのは大分先の話となる。
父アリシア伯爵はどのような交渉を遣ってのけたのか、その日の内にアリサへの慰謝料兼賠償金が支払われる約束が取り付けられた。
それだけでなく、お詫びの品が贈られる事になるのだが、詳細は次回。
短いですが事後説明回でした。
次回、次回こそは少し進む、筈……!
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