ゴジラの足音~ゴジラはま~だだよ
拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます
最後の方で花なのか虫なのかわからないアレが…
二人の麗しいお嬢様方がマンゴーのかき氷を幸せそうに食べておられます。
はい。上記の中にわたくしことアリサ・テッド・アリシアは当然含まれておりませんわ。ふふ、どなたですの、このお二人?
たぶんですけれど、高貴なお方ですわ。だって護衛騎士が近衛だなんて、ねえ? いくらわたくしでも王族の殿方は分かります。でも淑女で把握しているのは、王妃様ただお一人。それは政治にまだ関わりの無い女性達はお勉強で学ばないからですわ。高位貴族や社交等でお城に出入りが頻繁な方なら万が一を考えて姿絵は御覧になっているそうです。けれどわたくしは、大袈裟な表現で囚われの身。当然貴い方々の絵姿なぞ見ておりません。それ以外の高位貴族ともなれば、丸きりお手上げですわ。……まさかその万が一に数えられる方ではありませんわよね?
こうなったら答えはただ一つ。わたくしは何も存じ上げませんわ!
「モレア義姉様、モレア義姉様。上の氷の部分と、下の果肉の部分とでは、香りも食感も少し感じかたが違います」
「ええ、アイリスの言う通りですわね。この上に乗せられている四角い果肉も自然に冷やされて、何とも妙なるお味でしてよ」
はい、決定……! モレア様は王太子妃殿下のお名前で、アイリス様は王家の一姫様──現王家唯一の幼姫のお名前ですわぁ。わぁ……何で、どうしてそのような方々がこんな所にお出でになられてらっしゃるのぉ? もうヤダ。たぶんわたくし、死んだ魚の目のような虚ろな眼になっている事でしょう。
「ふふ♡ 美味しくて面白いですわ♡」
「涼味とは正にこの事ですわね♪ 幸せを呼ぶ食べ物ですわ♡」
たかだかかき氷に対する感想も典雅ですこと。
それはそれとして、わたくしと兄ファルゴルはただ只管にかき氷制作に励み続けております。二人の麗しい淑女と少女は見えてません。雅なお声も聞こえません。気付いていないという体を貫きたい心境です。
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魔法のオジサンがここでは身分を隠すのが礼儀であると無理矢理こじつけてしまったので、良くも悪くも元々居た方々ばかりでなく、高貴なお二人に付いて来た方々までかき氷を食べておられます。貴方達、勤務中ですわよね。お可哀想に。バレたら後で何を言われることか。因みに現在、兄ファルゴルもテーブルに着いて食べております。食べていないのはわたくしだけ。製作者権限ですわぁ。あ、でもマンゴー一つは確保ですわよ。お昼のデザートで後程いただきすわぁ。
さて、後片付けも済んでしまった事ですし、わたくしいかがいたしましょう?
そんな風に思った瞬間がわたくしにもございましたわ。ですがわたくしは察知してしまったのです。慌てて出入口まで小走りにて移動致します。出入口から廊下を窺うもまだ視認できません。耳で拾える音もございません。ですから出入口付近に置いておいた(かなりデフォルメした)小鳥の置物を手に取りました。空魔石で作った一品てす。魔力を込めると、魔力による翼が生えます。わたくしはそのまま飛ばしました。周囲が何だかザワザワ賑やかになりましたが構ってられません。
そして、確認致しました。
「ドラゴジラ令嬢が参ります。退避してくださいっ」
クルイウィル兄弟とモレア妃(ついでにお付きの面々)が立ち上がりました。しかしアイリス姫が不機嫌なお顔で座したままです。
「アイリス? 急ぎましょう」
「あんな方の為に、何故わたくし達が逃げ隠れしなければなりませんの?」
「……わたくしの我が儘を聞き届けてくださいな。わたくし、あの方に会いたくありませんの。ですから、ね?」
「嫌です! そもそもの話、本当にあの女がこちらに来ますの?」
痛い指摘を受けてしまいました。説明しようと思えばできない事もございませんが、説得力は無いでしょう。上手く説明できる気もいたしませんし。
そうこうしている内に先程の空魔石の鳥が窓の外から戻って来てしまいました。
「もう近く迄来ていると予測されます」
「クルイウィル兄弟は迂闊に動かない方がいいだろう。厨房の、カウンターの後ろにでも隠れるといい」
わたくしの報告に兄がクルイウィル兄弟に進言致します。クラウス様は即座に兄の言を受け入れ、弟のジオラス様を促されました。こちらのお二人は形ばかり二人の姫君に黙礼をしてからカウンター裏に消えられました。
しかし、当の二人の姫君は──正確には小さ姫が動かれません。
わたくしはそれはそれと割り切り、二つの虫籠をそれぞれ食べ残しの器の多いテーブルの上に運びます。
「すみません。どなたか虫籠に氷の魔法をかけてくださいませんこと?」
わたくしは既に氷の魔法を披露している過去を棚に上げ、周囲にお願い致しました。だってもう疲れたのですもの。
魔法のオジサンがクラウス様の名を呼ばれました。一度隠れておられたクラウス様がヒョッコリお顔をお出しになられて、「えい、えい」と連続して二つの虫籠に氷の魔法を放ちます。小さな小さな雹のような礫が虫籠を破壊する寸前──虫籠が爆発!
いえ、正確には中にいた花擬きが爆発するかのように無数のもじゃもじゃがテーブル上を席巻します。もじゃもじゃはある程度蠢いた後、自然に終息いたしました。可憐な花擬きが虫籠の中に鎮座しています。心なしか少しばかり先程よりも元気になったように見えます。それと同時に、室内温度も下がったようです。温度の方は気のせいではありません。薄着の姫君達が寒いと言うように、両腕を自身で擦っています。決して気持ち悪かったからではないと信じたいです。
アリサ手作りの小物が徐々に増えつつあります( ゜ー゜)
きちんと詳細を語れる日が来るのか……?
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