着物のお料理に、たすきは必須です
拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます
三人称でお送り致しますm(._.)m
「もうお茶の時間だよぉ♪」
昨日の年齢不詳イケオジ登場に、真っ先に兄クラウスが立った。続いてジオラスと警務の人間達、ファルゴルが立つ。兄ファルゴルを見てアリサも本日は立ち上がった。
アリサの行動を見たイケオジが笑顔になる。
「ここに来れば美味しいものが食べられるって聞いたから来ちゃった♡」
「局ち──」
「──魔法のオジサンって呼んでね♡」
「…………………………努力します」
クラウスの呼び掛け声をぶった切って自分の要望を告げるイケオジ。上司、それも雲の上の実力者の無茶振りに、クラウスは苦悩の果てに妥協の返答をした。彼にしてみれば、精一杯の妥協であろう。可哀想に。しかしもしかして、その他の面々もそれを強要されるのであろうか? ジオラスのみならず、周囲の男達に小さな悩みが広がる。
「はい、これお土産」
魔法のイケオジが手に持つ果物の山をクラウスが受け取りに動く。
「一応言っとくけど、アリシア嬢にだから」
魔法のイケオジがアリサの名前まで認識している事実にファルゴルは密かに警戒を強めていたが、アリサ自身はどうであるのかは一見して分からない。
「アリシア嬢、お願いします」
クラウスの要請にアリサは困ったように兄ファルゴルの顔を見た。ファルゴルは釈然としないながらもイケオジが要職にある者であろうと察したようだ。イケオジに礼を示してからアリサに向き直り、安心させるように一つ頷いた。アリサも何か察したようで、兄に倣い一つお辞儀をしてからファルゴルの後に続いて厨房へ移動したのだった。
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「まあ、なんて立派なアップルマンゴー……!」
「どうする?」
「かき氷にいたしましょう」
「せっかく綺麗なのに、潰すのか?」
「いえ、凍らせてマンゴーその物をおろしましょう」
調理場に立つ際、アリサが懐から折り畳んだ襷を取り出した。その端を口に咥え、片腕を上げたり下ろしたりしながらあっという間に着物の両袖を襷掛けで纏めてしまった。キュッと最後に腕の付け根で縛られる。
「何それ! 格好いい~♡」
イケオジの掛け声は聞こえなかった事にされたらしい。
アリサが水魔法で綺麗に洗浄し、その内の一つを手に取る。ナイフを当て、クルリと縦半分に切れ目を入れる。切れ目を中心に左右の手で持ち、捻る。その際果汁が滴り落ちるが、いつの間にか用意されていたボールに受け止められて無駄が無い。種付きの方の皮を剥いてからを凍らせ、アリサは兄にわたした。
「器はこんなモンか?」
「少し小さいのではなくて? 削りおろすと、嵩が増しますわよ」
「足付きの皿がこの種類しか用意されてないんだよ」
「……足は欲しいですわよね」
「夏だからな。それにこれ、お前が作らせた特注品の硝子製品だろ? 硝子の皿自体これしかないぞ」
「では上にうず高く盛りましょう。風の魔法か何かで、周囲にこぼれ落ちないようにしてくださりませ」
「任せろ」
ファルゴルが鑢とは違う下ろしがねでガリガリ削りおろしていく。その間アリサは残りの半身に格子状に切り身を入れてから皮を反した。するとサイコロ状に実が盛り上がる。それをボールの上に削ぎ落とす作業を繰り返す。
「終わったぞー」
「手は大丈夫ですの?」
「さすがにきつい」
「手首を握りますわよ」
「頼む」
アリサがファルゴルの右手首を指先で挟むように握る事暫し……アリサは手を離した。ファルゴルから預かったマンゴーの削り氷の上に手をかざし、今度は少しばかりの雪のような氷がフンワリ乗せられる。仕上げとばかりにボールの中身がその上からかけられた。赤味がかったオレンジ色の冷たそうな食べ物の出来上がりだ。
「アップルマンゴーのかき氷、いっちょ上がり~ですわ」
「まあ♡ それは何ですの? 食べ物ですか?」
全く覚えの無い可愛らしい声に目をやると、本当に可愛らしい少女と美しい若い女性がお付きの侍女とそれぞれの護衛騎士を引き連れて、部屋の入り口に立っていた。
また新たな登場人物が……!
作者、自分で自分の首を絞めてます。
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