本日は着物です
拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます
一人、再登場♡
その日の早朝からジオラスは剣の稽古を再開し始めた。
それまでも体力が極力落ちないようにスクワットや腕立て伏せ等の基礎体力作りはしていた。ただどうしても平時のようにはいかず、歯痒い想いをしていたのも事実だ。それを次兄の指導を仰ぐという体裁で、魔法騎士の訓練棟の一画を借りられる事になったのである。普通の騎士なら早朝訓練は必須であるのだが、どうも魔法騎士は早朝訓練の類いは習慣が無いらしい。違和感を拭えないが、そのおかげで訓練用の場所を借りられるのだから、ありがたい。
ジオラスは数日ぶりにスッキリした汗をかき、借りている部屋に戻った。アリサの観測に間に合うように身繕いを整えなければならない。それなのに、戻ったらジオラスに付けられている警務の若者(お留守番)に告げられた。曰く、アリシア嬢は既に観測に出ました。
「いつもより随分早くないですか!?」
「本日は徒歩にて学園に向かうそうです」
ジオラスは水浴びを諦めて最低限の身繕いだけして、手荷物を持ち替え、急いでアリサの後を追ったのだった。
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学園の裏門は顔パスで通してもらった。アリサにくっついて通った甲斐がある。確実に合流できるよう、観測ルートを逆走して行く。もれなくいつもの集団を見付けたのだが、変な感じだ。いつもならば自分もあの中に居る筈なのに、それを外から眺めているからであろうか? 否。いつもは見ない日の光を反射する日傘があるからだ。
「………日傘? え、アリサじゃない?」
「あら、〈お花君〉、おはようございます」
「えっと、おはよう……え? アリサ、え?」
「そんなに驚く事ですの?」
「何それ!? エキゾチック! キュート! 神聖! うわー! わー↑♡」
「気持ちは分かるが少し落ち着けラスっ。気持ちは良く分かるが!」
ジオラスもクラウスもアリサの装いに少しばかり興奮してしまう。
本日のアリサの装い。
絹でできているのであろうか? 手には不思議な反射を見せる、木々の青葉を模した模様の日傘。もう芸術品だ。足元は白っぽいベージュのブーツ。そして胴体を飾るのは独特なワンピース。ジオラスの語彙ではワンピースとしか例えられないだけで、ワンピースとは違う異国風ワンピースだ。胸の下にぐるりと巻かれた極太のリボンはとても固そうな生地で、可愛らしく猫が歩く姿と足跡が描かれている。上下の生地は白の上に白地のレースが重ねられ、レースは繊細な模様が編まれているようだ。そして短くなってしまった髪の毛を纏めて見せるよう幅広のリボン、というかバンドのような物で後頭部を覆っている。そのバンドにも繊細な刺繍がなされているようだ。全体的に白っぽく纏める中できゅっと引き締める中央の濃い色が極太リボンの真ん中に走る紺色の紐と、飾りのアクセサリー。とにかく見た事も無い異国の服装はドレスよりもアリサの女性らしさを引き出すと共に、気品と芯の強さを強調している。
「短髪で着る物ではないのですけれど、変ではありませんか? 先日父が和装を少しばかり持ち込んでくださいましたの」
「ワソウ?」
「ええ。今着ている着物の事ですわ」
「きもの?」
アリサが苦笑を浮かべた。
「そんなに似合いませんか?」
「似合ってる!!」×二
クルイウィル兄弟の声が重なる。
「アリサ、綺麗だ!」「素晴らしいですよ、レディ」「何て言うか、たおやかなのに、凛々しい?」「繊細だ。どうか木登りなどなさいませんように。雑事は全て我等男が致します」「兄上。アリサのお世話は私の役目です」「いきなり言動を飾ったところで今更だと思いますが、ジオラス」「そのままお言葉をお返ししましょう、兄上」
「……わたくしどもはそろそろ移動致しますわね」
「待って!」「共に参ります」
「やっぱキモノって偉大な詐欺装束だよなぁ」
「お静かになさって、お兄様」
「……お兄様とか、怖すぎる」
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その日の午前中は、アリサは花のような蟲のような何かを観察しながら兄ファルゴルの手伝いをしていた。虫籠の一つは、引き続き窓辺にある。一つは反対の壁際に移動されていた。引き続き、虫籠はどうという事も無い。アリサもある意味いつも通りで、また説明し難い何かをしている。今度は片手で持てる程度の長方形の枠に無数の玉が整然と羅列された道具(?)の玉を只管弾いていた。だが今回はその兄ファルゴルも同じ作業(?)をしている。速度は全く違うが……。
──ぱち、パチッ、パチン、書き書き、ジャッ! ジャラララ!
──ぱちパチッぱちっパチぱちパチぱちパチぱちパチぱちパチンッ! かき書き、ジャッジャラララ!!
菱形の玉と言うか菱形の小型円盤玉を弾く速度がファルゴルとアリサで雲泥の差がある。因ってアリサの方が多くの書類を捌いているように見える。が、単純に同じ類いの書類を処理している訳でもないらしい。
「アリサ、ミスは?」
「わたくしには見付けられませんでしたわ。三度計算致しましたので数字に間違いはございませんわ」
「他の何に引っ掛かった?」
「……まだ考え中ですの」
「………そうか」
「何なに~? 何難しいお話してるのぉ~?」
突然入って来た(ように思える)昨日のイケオジ年齢不詳が、手に(文字通り)山程の南国産の果物を抱えて現れた。
果物何にしようかなぁ。一つに絞らず二、三用意しようかなぁ?
イケオジは何を持って来てくれたのか?
夏を感じさせるお勧め果物がございましたら、お教えくださいm(_ _)m
あ、南国を感じる何かでお願い(。-人-。)しますm(_ _)m




