お兄ちゃんは心配性
拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます
忘れた頃にやって来た、お兄ちゃんサイラスと従者サイフォンにてお送り致します
「サイラス様、お人払いをお願いします」
サイラスは戻って来るなりの従者の願いに「ん?」とは思ったものの、素直に適当に他者を追い出した。
ここは城の一画、上下水道局。サイラスの与えられている執務室。そうは言っても実質大部屋だ。一応サイラスの席が責任者として分かり易く少し離れているだけ。あとは壁も無い。壁が無いからドアも無い。つまり筒抜け。ただ忙しい部署でもあるので、人の出入りが激しい。そういう意味では賑やかだ。つまりそういう意味での人払い。だから従者サイフォンは声をひそめる。
「クラウス様より報告です。不味い事態になっているかもしれない、と」
「弟達がかな?」
「間接的には、そうとも言えるかもしれません」
「直接的には誰の話だ?」
「例の御令嬢です」
なるほど。
アリサ・テッド・アリシア嬢は男に生まれた方が楽ではあったであろうお嬢さんだ。何かあったのだろう。
「具体的には?」
「お偉方に目を付けられたようだ、と」
サイラスは思わず目を細めた。
彼のお嬢さんが悪事を働くとは考え難い。なら、サイラスが彼女に目を付けたように、彼女に注目する者が出たと解釈するのが素直だろう。
「相手は?」
「まず第一、第二」
敬称は付けずにサイフォンはサイラスにだけ見える位置で指で上を指した。まさか……二人の王子か!? ちょっと大物過ぎないか!?
「更に」
まだあるのか……。
「クラウス様達の頂点と、城の司令塔であると」
クラウスはあれで魔法騎士だ。魔法騎士は魔術師扱いされる。その頂点はつまり、魔法局局長。そして城の司令塔とは、王と宰相。もう一つ貴族院も考えられなくもないが、そちらなら“貴族の”と表現するだろう。だから、王と宰相の二人だ。
「光もか?」
これは王にも注目されているのか、の意味。しかしサイフォンは首を振って否定した。ならば宰相だけか。どの道大物過ぎる……。
私は溜め息を堪え切れなかった。
「詳しいお話は直接なさりたいそうです」
「今夜の夕飯は一緒に。屋敷で。そうクラウスに伝えてくれ」
「直接お伝えに参ります」
私は首肯をもって答えとしてサイフォンを送り出した。
長男はツラいよ
お兄ちゃん達の胃痛を心配してくださる読者様、彼等に対するお薬の代わりに
ポチっとお願い(。-人-。)いたします。




