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【本編完結】とある(残念)イケメン観察…しない残念令嬢  作者: 泉ヶ森 密筑


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30/204

30.アリサのポンコツは右斜め↑

拙作をお選びくださりありがとう(^人^)ございます


今回はアリサのポンコツが炸裂しますm(_ _)m

そして判明するアリサの高笑い声!


追伸

 一度アップした後に、日を置いて「おまけ」を追記しましたm(_ _)m



「あの! アリサは危ない事を毎年繰り返しているんですか?」

「名前──」

「こんな物は序の口だ」×二

「え」


 質問者は〈お花君〉ことラ・ジオラス・クルイウィル様。わたくしの注意の声を遮って除けたのは、父と兄同時の宣言。……何だか雲行きが怪しくなってきましたわ。


「ああ、クルイウィル御子息に使用された薬の中和剤だったか解毒薬の知識をこの馬鹿者が身に付けていたのは偶々(たまたま)でしょう。どうせキノコ図鑑でも眺めていて見付けたんですよ」


 兄が話を逸らしてますが、わたくしとしては文脈に疑問を呈したいですわ。案の定、警務の方が殿下の後ろから話しに乗って来ました。きっとこれ幸いと乗せられた振りですわよ。


「ほう? アリシア嬢は何時(いつ)何処で、どのようなタイトルの本から知識を得たのでしょう?」

「そんなのいちいち憶えてませんわ」


 ええ、話しをぶった切ってやりましたわ。


「ほうほう、都合良くも憶えていない、ですか」

「感じ悪いですわぁ」

「乗せられるな(よ)」父・兄

「いいえ。乗せられて差し上げますわ。精々わたくしの洗礼を受けるが宜しいですわ」

「ああぁぁ………!?」「私はもう知らん」兄・父


 殿下の後ろに控えている方々が「おや?」というお顔になりました。それはクルイウィル兄弟もそうなのですけれど、善良なお二人はどうやらわたくしを心配してくだされているようです。ありがたくもあり、申し訳なくもあり。

 何はともあれ、レッツ・ミッションですわ!


「兄様は御自分で話を振っておいて知らんぷりは無いですわよね」

「………分かった。できる注釈は入れる」

「ふふふふふ♡ わたくし、被っている仮面を何枚か脱ぎますわ」


 「仮面を被る」は日本で言うところの「猫を被る」ですわね。ところで、日本語の「猫を被る」とはどういう発想なのでしょうか。猫は抱っこしたり撫でたりするものですわ。では猫の革でも剥いで被るという意味なのかしら? 悪趣味ですわ!


「ええ、ではまず初めに先程のお話ですけれど、わたくしの事ですからどうせ『魔女の隠し茸』という名前から芋蔓(いもづる)検索でもかけたのですわ」

「芋蔓検索?」

「芋蔓式に捕らえるとか言うでしょう。あれの調べ物式表現です」


 兄様の注釈が入りました。


 不思議なことに、こちらにも「芋蔓式」という表現がございますの。ひとえに、お芋が蔓植物であるのも地球と同じだからです。お芋のように、植物や動物は色々被っていますわ。けれども地球には無かった魔法や幻想生物、アーティファクト等もございます。尤もそれらのせいで──いえ、お陰で?──科学的な学問は進んでいない印象です。


「妹の愛読書は主に図鑑なのですが、こいつは索引以外は隅から隅まで読みあさり、気になった箇所は別個に、しかしその場で調べようとするので、どんどん机に書物が増えていきます。内容はあらゆる専門書、絵本、小説、古文書等、書物の内容は問いません」

「……それを全て覚えていると言うのかね?」

「スッキリ満足したら、殆ど忘れてしまいますわ」

「殆ど忘れてしまうのに、これまた都合良く今回の情報だけは覚えてらしたと仰るのですね?」

「『魔女の隠し茸』は名前が魅惑的なのと、薬物としての効力が嬉しいのと、後は我等が領内で見付からないのと、そもそも現物が手に入らないのとで栽培実験に踏み切れない等々、全然スッキリしてませんの。もしも栽培が可能ならば、良い収入源になりますのに」

「……ん?」

「あー……警務官殿。妹は悪食です」

「悪食とは失礼ですわ。わたくしが太鼓判を押した物は、多くの方々の胃袋を魅了しまくってますのよ!」

「あー、うん、兄の表現が間違ってたな。お前はただ毒キノコを毒と承知で試食してただけだものな」

「は!?」×複数

「きちんと遺言書は用意してましてよ」

「いや、え?」

「一概に毒キノコと言いましても、色々とごさいますのよ。中には薬になる物も、傘と軸を別ければ可食できる物もございますの。試食実験で発見致しましたの!」

「……………え?」

「うん。実際まだまだ領地は厳しい時期だったからな。お前の実験の数々は正直ありがたかった。だがな、アリサ。何も自分自身で食べる必要はないだろうと、父は思う」

「父様こそ何を仰ってますの? そんな危ない物、いきなり他の人に食べさせられる訳がありませんわ。そもそもこの論争は既に決着を見ていますのよ」

「そもそもと言うなら、まずは動物実験からだろう」

「動物を殺す趣味はございませんわ。何より、動物と人間は身体の仕組みが違いますのよ。例えば、人間にとっては身体に良いとされる玉葱は、犬系列の動物には毒になりますの。ああ、猫にも危ないですわ。同じように、他の動物には平気でも、人間には毒となる物もございましょう。はっきり申し上げて、命と時間と労力の無駄ですわ」

「…………………………???」×複数

「嗚呼、私の娘がポンコツ過ぎる……」

「お陰でこの馬鹿は、今では神官長のマナク殿とイェンス医師とツーカーの仲良しトリオです。あの二人はある意味もう妹の事は諦めてます」

「それは……仲良しとは云わぬのでは……」

「お黙りあそばせ。今までの口振りからして、どうせわたくしに対して要らぬ疑いでもかけているのでしょう。ならばとっくとわたくしという人物を味わい、サクッと泣きやがれなのですわ! ふわっふわっふわっふわっふわっ(W)!」

「言葉!」「口調!」父・兄

「あらいけない」


 アリサ節、まだまだ参りますわよ❗



おまけ


「お前、その調子でこっちでもやらかしてるんじゃないだろうな」

「あらやだ兄様、ここは王都でしてよ」

「やらかしてたな。ついこの間、私は学園に保護者として〈呼び出し〉とやらを食らったぞ。長期休暇に入ってからの〈呼び出し〉だぞ。男のファルゴルの時でさえ〈呼び出し〉された事など無かったのに、何故女の子の馬鹿娘で〈呼び出し〉……!? 例によってキノコ採取での〈呼び出し〉だったな」

「父様はお仕事で多忙でらっしゃるのに、その節は申し訳ないことを致しましたわぁ」

「心にもないことを空々しく口にするな!」

「学園には観測許可はいただいてましたのよ」

「学園には観測許可は確かに出したが、キノコ採取を許した覚えは無いとハッキリ言われたぞ」

「後々調べましたら、食べられるキノコでしたの。一度試してみたかったですわぁ」

「聞いてないな。何時調べた?」

「午後からですわ。だってお説教で午前いっぱい潰れてしまったのですもの」

「懲りてる様子が微塵もありませんよ、父上」

「今更これくらいで懲りるなら、いきなりクラーケンなぞ獲ってこんわ。この馬鹿者が今まで領地でやらかして来た数々を思い出せ!」

「あー……私は学園やら仕事やらで、アリサとは一番接点が薄いですから。報せは受けて来ましたが、やはり実感が違うと言いますか……」

「歯切れが悪くなったということは、誤魔化そうとしているということですわ」


 この局面で一番誤魔化しが必要なのはむしろお前だろう、と周囲の人間は心の声を揃えていた。








アリサに振り回されて来た家族。

負けるな家族!

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