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【本編完結】とある(残念)イケメン観察…しない残念令嬢  作者: 泉ヶ森 密筑


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料理テロは何処行った? の巻き

拙作をお選びくださりありがとう(^人^)ございます


ドン引き案件、その1



「味がボケてますわね」

「……我が家の味とは違うな」

「塩が足りないんじゃないのか?」


 上から、わたくし、父、兄ですわ。


「塩は駄目ですわ。炎症の問題が無くても摂取し過ぎるのは危険でしてよ」


 炎症の一言でお気付きでしょうが、はい、〈お花君〉と兄君のクラウス様もこの場にいらっしゃいます。(ついでに王子も)同じテーブルでお食事中です。静かだからといって、決してお二人を忘れている訳ではございませんのよ。ええ、ちょっとしか忘れてませんわ。


「実際アリサの料理は薄味でも美味い。満足感も違う」

「それですわ、父様! 旨味が足りないのですわ!」

「どっから旨味が出て来た? それにお前、以前に、チーズは旨味の塊とか言ってなかったか?」

「お出汁の問題でしてよ、兄様」

「出汁か……」

「いやいや、色んな意味で無茶振りが過ぎるでしょ。父上もあっさり納得しないでくださいよ」

「父様、わたくし山椒が欲しいですわ」

「今度は山椒に話が跳んだぞ……」

「ここには無い」

「珍皮」

「アリサ、山椒も珍皮も、領地の屋敷の庭にしかないと思うぞ。少なくとも兄は他に知らない」


 わたくしは、兄が言うところの不思議そうな表情でしげしげと兄を見て、次いで父を見て……色々呑み込みましたわ。コクリと子供のようにただ頷きました。




「あの、話しに割って入って申し訳ない」


 〈お花君〉のお兄様クラウス様が話しかけてこられました。それに父と兄が頷いて彼の参加を認められます。


「先程から、サンチョ、それにチンピ? というのは何でしょうか?」

「サンチョではなく山椒、ですわ。山椒も珍皮も薬味の事ですの」

「──え、ハーブじゃないのか?」

「私は香辛料だと思っていたぞ」

「香辛料と言い換える事も無理はございませんし、広い意味ではハーブの一種でもございますわね。山椒も珍皮もこれからが収穫期。いえ、山椒はもうそろそろ収穫の季節が過ぎてしまいますわぁ………」

「安心しろアリサ。今年の山椒はジーンが収穫してる」

「何という鬼の所業! 兄様、まだ幼いあの子が両腕血塗れなど、到底許されませんわ! それにもしも棘が目に刺さって失明でもしたらどうなさってくれますの!!」

「落ち着きなさいアリサ」

「落ち着けませんわ父様!」

「どちらもお前がやらかした事だな」


 父の痛い指摘に、わたくしは急激にトーンダウンをいたします。思わず視線も父から逸れます。


「………すぐに神殿で治してもらえましたわ」

「目の時は大泣きだったなぁ」

「目に棘が刺されば大泣きだって致しますわよ……」

「あれだけ大泣きしたにもかかわらず、あの後も収穫を続けていたなぁ」

「………山椒の収穫期は短いですの」

「優にひと月以上ふた月近く収穫できたんだったか? 毎年毎年その期間、お前は両の腕を血塗れにし続けている」

「目は手作りゴーグルで保護してましてよ。両腕は、週一で神殿のお世話になってますので、節約できている筈です──」

「若い(むすめ)が両腕を血塗れにして節約の為に神殿治療を拒むとは、お前は何を考えている!?」

「父様怖い。それに今更ですわ。毎年の事ですのに……」

「せめて両腕も丈夫な布地で保護するとか──」

「どのみち手先は血塗れ決定ですのよ。あのように小さな実を収穫するのに手袋は邪魔ですもの。神殿のお世話になるのは決定事項でしてよ」

「お・ま・え・はぁ!!」

「父上も落ち着いてください」


 兄様の御注意に、父様は大きく息を吐き出されましたわ。何だか居心地悪いですわぁ。周りも色々呆れておられるようで、あんぐり阿呆のようにお口が開いてますの。何だか居たたまれないですわぁ。


「あのな、アリサ。できた優しい弟はお前と違ってきちんと目も腕も手先も保護して収穫してるから安心しろ。というか、あいつにできてるんだから、これから先はお前も手挿しと手袋必須な」

「あの子はまだ手が小さいから手袋をしても採取できるのですわよ」

「ああ言えばこう言う………まあ、何はともあれ、そういう事だ。でも手が短い分棘が頬を傷付けてな、神殿に行ってるんだ」

「──兄様」「ファルゴル」

「見習い神官でも治せるかすり傷です。でも薬だと傷として残る可能性もあるので神殿の世話になってます。それで──」

「何かあったのか?」


 父様のお声が鋭く変わりました。


「いえ、問題が起きた訳ではありません。何回目かの時に、神殿長のマナク殿とお抱え医師のイェンスにも会いましてね」

「何だか含みのある言い方だな……」

「『近頃は平和で良いですな』『アリサ嬢の好奇心という病気も漸く鳴りを潜めたのでしょうか?』となりまして」

「……お二人ともお元気そうで何よりですわ」

「お前は今王都に居て留守にしているだけだと伝えたら、『お戻りになっても平和が続く事を神に祈りましょう』となった」

「……お口の方もお達者なようで何よりですわ」

「それ、全部ジーンも聞いてたからな」

「兄様酷い! ひとでなし!」

「はっはっは! 馬鹿め。自業自得だ」

「兄様の意地悪!」


 ふと気が付いた時には、周囲がドン引きしてましたわ……。










アリサ我が道を行く、その1案件

家族が過保護になった理由その1でもあります。


実際、日本での山椒の収穫時期は作者、把握しておりません。ですからアリサの発言は、アリサの領地屋敷の事としてお見逃しくださいm(_ _)m

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