第二王子が駄々を捏ねてます
拙作をお選びくださりありがとう(^人^)ございます
此度はアリサと第二王子の漫才未満です
「アリシア嬢、疑問なのだが」
「はい。何でしょうか、殿下」
「私の前に食事が用意されていないようなのだが」
「はい。ございません」
「私にも用意したまえ」
「ございません」
「はて、私は耳がおかしくなったのだろうか?」
「殿下、申し訳ございませんが、せっかくの料理が冷めてしまいます。そろそろお戻りくださいませ。このままでは我々は食事になりませんの」
「うん。なかなかいい度胸だ」
「殿下もお食事なさいませんと、お体に障りましてよ」
「ならば速やかに食事の用意をせよ、アリシア嬢」
「それはわたくしの役目ではございませんわぁ」
「アリシア伯爵! 貴殿の娘はどうなっている!」
「王族ともあろうお方が癇癪とは、嘆かわしいですわぁ」
「娘の言う通りですぞ、殿下。さあさあお早くお戻りを。配下の者達も困っておりますよ」
「そうか……そなたの娘はそなたの影響を多大に受けたのだな。フッ」
周囲の人間は普段は立ち入りもしない大物がこの場に居るだけでも心臓に悪い。加えてアリシア親子の受け答えには、ヒヤヒヤと寿命が縮む想いしかしない。
「貴方様を侮っての事ではございませんのよ、殿下」
「ほう? 理由があると言うのだな?」
「はい」
「ではそなたがその理由とやらを説明してみせよ、アリシア嬢」
アリサは黙したまま父親を見た。アリシア伯爵は澄まし顔で頷く。
「では憚りながら、このアリサ・テッド・アリシアがお答えいたします。──まず、殿下は貴きお方で間違いございませんわね?」
「あやしいスペアだがな」
「貴き御身であるのに変わりはございませんわ。貴き方々に関わる人間、関わる物質は厳選なる審査がございます」
「……御苦労なことだ」
「食事、お茶等々、そのお口に入る物は特に厳しく選別──いえ、峻別されている筈です」
「私は王でもなければ王太子でもない」
「いま一度申し上げます。貴き御身である事に変わりはございません。峻別されて残った人材──コックが料理を、侍女及びその他が身の回りをお世話致しております。今、貴方様の後ろに控えている従者や近衛の皆様も、その貴重な人材のお一人でありましょう。食材とて厳選された物ばかり。伯爵令嬢とはいえ一介の小娘が手掛けた物など貴きお方が口になさるべきではございません」
「……大層な理由をそもそれらしく並べるな」
「物理的な理由もございます」
「何だ」
「単純に、殿下の分の料理がございませんの」
「アリシア伯爵にはすぐに出したじゃないか」
「父の分は折り込み済みでしたもの。その点、先触れも無く突然現れた殿下は如何なものかと、わたくし困惑致しましてよ」
「………先触れも……確かに」
「納得いただけたのでしたら、お引き取りくださいませ」
それはそれは良い笑顔で言い切られた第二王子の顔が引きつった。
結局、どうなったのかと言うと、第二王子がその場に自分の(正規の)食事を運ばせたのであった。
第二王子がいきなり馬鹿っぽくなった! いやいや何かのフラグかも?
後程役に立つ筈の第二王子です。
第二王子を生温く見守ってやろうという方、ポチっとお願い(。-人-。)します。




