疫病神は傍若無人に負けました
拙作を選んでくださり、ありがとう(^人^)ございます
今回は三人称でお送りしますm(_ _)m
前半に怪我など暴力を振るわれた後の表現が出てきます。御注意くださいm(_ _)m
ですが終盤にアリサ節で少しまぎれるとも思います
アリサ・テッド・アリシア嬢の行方が分からなくなった。
彼女が兄及び護衛を兼ねた警務隊の人間と城に戻って来たのは、出掛けた時間から見れば少し遅かった。それでも午前のお茶の時間にかなりの余裕を持って、何の問題も無く入城したのは確認されている。つまり、城の中で居なくなったという事だ。更に、彼女の兄と警務の人間が不自然に、しかも嘘の呼び出しで彼女の周囲から引き離されている事もすぐに判明。
──意図的な拉致。
城──特に警務隊は威信をかけて捜索。夕方近くになって城の地下から発見される。複数の問題と共に。
まず発見された場所が異常であった。地下は地下でも、地下牢専用の拷問部屋。
次に、彼女の有り様。厳しい拷問を受けて重症。しかも髪の毛まで無惨に焼き切られてザンバラ髪。左目は腫れて目が塞がれている状態。左の頸も切られ、焼いて止血されてもいた。右手の指は踏むか何かで潰され、皮も剥けて血みどろ。
それらを仕出かしたのが、警務隊(二人)の人間であった。この事が、この問題の最大の謎と不始末。
そう。初めは彼等の行動は謎とされかけた。しかしアリサの残した証拠により、彼等はアティアの洗脳下にあったと判明した。彼等はアティアの取り調べを受け持っていたのだ。
一人は神官の祈りで回復したが、一人は祈りも治療でも回復しきれず、最終的には取り戻した良心によって潰された。
この二人以外にもアティアに接触した者は神官により浄化され、その後はアティア対策が取られる。
アティア対策は、まず魔力の封印。どんなに些細でも危険であるとの判断からの処置。次いで眼球の破壊。邪眼を疑われての処置。最後に喉を焼いての声の封印。声は出なくとも会話は可能との事で、この対処がなされた。以上を以てアティアの洗脳力は抑えられた。
アティアは残りの人生を城の地下牢にて過ごし、短い人生を閉じる事となる。
〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉
アリサが姿を消して、当然だがアリシア伯爵は激怒した。仕事そっちのけで──いや、仕事など手に付かない状態である。勿論その嫡男のファルゴルも激怒はした。しかし彼は酷く自分を責めもした。自分が妹の側を離れなければとの強い悔恨だ。しかし、彼の後悔は発見された当のアリサにより、かなり軽くなる。
アリサ・テッド・アリシア嬢発見。
一報を受けてアリシア親子は、捜索隊を組んでいた警務隊の者達と現場へ急行した。
再会を果たしたアリサは、目も当てられない酷い有り様であった。だが意識はあり、弱り果てた足取りで家族に歩いて行く。待っていられず父と兄は涙目で迎えた。
が、
合流を果たしたアリサが父と兄にしか聞こえない小さな声で一言伝える。
──トイレ
父と兄は無言で頷き、周囲が止めるのも聞かず(兄が)抱え上げて地下から脱出を図る。目的地へ辿り着くと心配しながらも一人で送り出し、後から女性騎士を送り込んだ。
暫くしてフラフラする体を女性騎士に支えられながら出て来たアリサは、当然のように治療を拒む。否。正確には──
「治療は後回しで結構。それよりも、観測の時間です!」
発音も怪しいのに、ぶれない妹に兄が切れた。
「そんな事言ってる場合じゃないだろう! とにかく治療しないと」
「そんな事どうでも宜しいですわ。もう時間がありません」
「お前は馬鹿か!?」
「馬鹿で結構。信用第一。観測は観測に価値あり。観測の継続こそが観測結果の信用に繋がる」
「その無駄なまでの固い信念は何なんだ!?」
「ああ、失礼。アリサ・テッド・アリシア嬢、事情をお訊きする都合もございますので、一先ず医務室へ戻りましょう」
「事情でしたらこちらに──」
埒が明かないと割って入って来た警務の壮年に、アリサが首もとから鎖を引っ張り出しながら示した。
「父様、このネックレスの止め金外して。音声だけだけど記録はこの魔石に入ってるから」
伯爵に頸の後ろを向けながら、アリサが僅かに魔力を流した。するとペンダントトップにしては大きな魔石から人の話し声が流れ出すではないか。
「状況はこの魔石に。それより私を学園まで送ってください。大至急。警務の誰かが。ああ、移動手段は馬でお願いします」
梃子でも動かないアリサの要望をまるっと聞いて──要は希望を叶えるのが一番手っ取り早いと判断された──警務の中堅がボロボロのアリサを馬に乗せて移動。周囲はアリシア伯爵と嫡男ファルゴル、警務隊五人の団体様で非常に目立つ。結果、警務隊は暫く後ろ指を指される事となった。
一方、粛々と観測を(いつもの倍以上の時間をかけて)遣り遂げたアリサは、帰りの馬の上で高熱を発して身動きが取れなくなったのだった。
アリサ強え~変人~
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