目が覚めたら花が萎れていた
拙作を選んでくださり、ありがとう(^人^)ございます
今回は〈お花君〉の次兄クラウス氏の視点ですが、実質〈お花君〉の朝です。
本来なら前回のお話にくっ付けても良かった話ですが、正直迷いましたが、別の投稿とさせていただきましたm(_ _)m
早朝も早朝。向かいの医務室個室の騒ぎで目が覚めた。
目が覚めてみれば、向かいの動きは騒ぎと表するには大袈裟で、こちらに対する気遣いが伺えた。だが弟のラス──ジオラスも目が覚めたらしい。そして知らない場所での覚醒に取り乱しかける。
「ラス、気分はどうだ?」
私が意図的に穏やかに話しかけると、我に返ったようである。だが完全に落ち着いた訳ではなさそうだ。
「クラうす兄うえ……」
「喉が辛そうだな……」
正確には呂律が怪しい。使用された薬の影響か……。忌々しい。
「ココは?」
昨日、ジオラスが誘拐されてからの顛末を買い詰まんで話して聞かせた。拐かしの途中犯人から助け出されて、流れで城に保護された事も。
「かのじょは?」
「犯人の事か?」
弟は激しく首を振り、少しふらつく。私はそれを支えてやりながら該当人物を一人に絞る。
アリサ・テッド・アリシア嬢。
弟が気にかけているのは彼女しか残されていない。だから彼女の力のお陰でジオラスに辿り着けた事も、昨夜の中和剤の件も聞かせた。ただ都合良く中和剤の情報を持っていた事実が今彼女に疑いを向けさせる要因になっているとも伝える。だが弟は彼女を信じ切っているようであった。
「彼女は、護ってくれた。馬車のなか、いしきもからだ…動かない。俺は諦めた。でもアリサの魔力、届いた。だからがんばれた」
「………そっか」
適当な言葉が何も浮かばなかった。
その後は自分を宥めるように弟の分と二人分のお茶を頼んだ。個室の外には警務隊の人間が立っている。アリシア嬢に対しては見張りも兼ねているようだが、こちらに対してはほぼ護衛らしい。申し訳ないと思いつつも、そんな彼等を仲介してお茶やら弟の着替えやら兄への伝言やら色々頼んだ。別室の控えの間には私の従者が待っていてくれる筈。着替えは彼に、お茶は城に頼んだ形。
熱々、ほどほど、常温、冷たいと、温度からして気遣いの見えるお茶が大して待たずに用意された。しかし──
弟の喉は素直に液体を受付ず、カップ一杯のお茶も満足に飲み干せなかった。
その後、食事は尚更喉を通らなかった。
めげるな〈お花君〉! どうぞお大事に
と労りをくださる方は、どうぞポチっと宜しくお願い(。-人-。)します




