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作戦終了

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)

☆評価、ブックマーク、いいね 等もありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


ジオラス君はただ駆けているだけ



 ジオラスは召還獣赤兎馬(せきとば)に跨がってアリサの(もと)へ向け駆けていた。

 そう、魔獣ではなく、(この場合呼び方が違うだけで同じようなものだが)召還獣。騎手がジオラスなので神獣はおろか幻獣でも振り落とされかねないと、馬より速いが人間を騎乗させて走れるギリギリの線、を探った結果だそうだ。因みにジオラスの実力上、一日千里を走る速度ではない。

 では誰が召還したのか? 勿論ジオラスではない。召還獣を召還したのはこの国(フリングホーニ)の守護精霊たる竜神だったりする。


『我は此度の討伐に参戦する事はできぬ。役割ではない故に、な』


 ジオラスには全く理解できない理屈があるようで、アリサに近しく、しかしお役目らしい役目も無く比較的暇人のジオラス指名でアリサの下へ駆ける事になった次第。


 目的地まで、あと二十分はかからないだろう辺りで『波動砲発射』の騒ぎを聞きながら壮大で美しくも恐ろしい光の道が空へ伸びて行く光景を見た。

 夜空に走る太い線。まさしく道。距離があるのにハッキリ黙視できるのだから、間近であれをやられたら恐怖を覚えるだろう。いや、恐怖心すら突き抜けるかもしれない。その心境や如何に。ジオラスは想像を打ち切り駆けるという一点に集中した。


 ──急いだ方がいい。


 『状況継続』とのアリサの報告の後から響き渡る歌声。アリサの歌。たぶんだが精霊語ではない、勿論母国語でも大陸共通語でもない、未知の言葉による歌詞。それなのにそこはかと無く嫌な予感がするのだ。

 まるでアリサがシメサツシの大精霊を呼んでいるかのような、切々とした響き。



『あなた! 何がおきているの!? 廃墟の塔の方角が変よ!!』


 魔術やら何やら教えてくれた先生──アリサの母親の焦っている声が突如響き渡った。同時に目の前の風景が開ける。


 草原の中にポツンと建つ塔。

 縋るように這いずって塔に近付いて来る巨大なドラゴン。色はおそらく黒。


 これらの光景が見て取れる程に周囲が薄ぼんやりと明るくなっていた。

 おそらく光源は、塔の上から広がるドラゴンより巨大な光の、三対の翼。が、六枚の羽の内一枚は途中から折れ、一枚はこれも中途から消失していた。


「──アリサ!?」


 何故なのかジオラスにも理由は分からない。しかしあの翼はアリサの物であると確信した。


 シメサツシの黒竜が塔に辿り着く。

 塔の真上──遥か彼方の上空には本当に巨大──いや広大な魔方陣が現れる。


『開け、天宮の門』


 アリサの厳かな呪文(?)。


『今ならまだ大丈夫。帰れるわ』


 先程とは打って変わって労り励ますような語り声。


 シメサツシの黒竜が天に向けて吼えた。

 同時に光に変換され形が崩れて行く黒竜。黒竜だった光が空へ、魔方陣へと昇って行く幻想的な様。


 そうしていつしか黒竜は昇天して消え去っていた。

 そして儚く消えて行く翼。


『作戦終了。元大精霊黒竜昇天』


 ジオラスは図らずも一部始終を見守ってしまったのだった。






 この後急いで塔に駆け付け今度は徒歩にて塔を駆け上り、倒れている婚約者を発見するまで数分。


「アリサ! アリサ? ……………精霊の愛し子、(しん)停止!! 誰か! 早く来てくれ!!」


 ジオラスによる凶報が国中に轟くのは、すぐ。









死にかけるのが趣味なんでしょうかねーアリサ嬢……?

アリサ復活の為に、作者に心の栄養剤☆評価やブックマーク、いいね 等を下さると、多少執筆速度があがるかも?(-ω- ?)

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