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寒い日はお鍋が美味い~~~味変は必須

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)

☆評価、ブックマーク、いいね 等もありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


場面はアリサ達に戻ります。

本日のんきに鍋祭り♡



「やっぱり湯豆腐からですわよね。昆布を忘れずに♡」

「姉ね、この国にまだ豆腐は無いよ」

「ゆとうふって何だ?」「ユドウ…ぷ?」×兄・ジオラス

「………温かいお鍋料理の一つですわ……」

「そもそもこの世界に大豆があるのかどうかも分からないのが現状だからね、姉ね」

「味噌や醤油があるのですから、大豆ならあるはずですわ」

「あ、そうだね!」

「で、ユトウフってのは何だ?」

「……湯は文字通りのお湯に、“豆腐”なる白くて柔らかな食材を沈めて温めて食べる料理ですわ」

「柔らかいのか?」

「はい。歯が無くとも美味しく食せる栄養豊富な食べ物ですわ」

「もしかして、身体の弱い人間でも食べ易い物か?」

「はい。温かくしても、そのまま冷たくても食べられる優れた食材で、更なる加工も豊富な種類があるですの。調理方法を変えたり、そのまま食べるにしても合わせる薬味を変えるだけで味の表情が変わるのですわ」

「面白そうだな(二コ)。輸入を考えてみるか」

「乾燥させる等の加工を施しませんと、極めて日持ちの悪い食材ですわ。ワインと豆腐には旅をさせるな、というような言葉を発した方が居らしたようななかったような……?」

「輸入は無理ということか」

「そもそも存在しているかどうかまだ分からないよ、兄に」

「何でそんな物知ってるんだよ、こいつは?」

「姉ねだから」

「どうしてお前も知ってるんだ、弟よ?」

「僕は姉ね大好きだから」

「………妄想の産物ってことにしておこう」


「決めましたわ!」


「何をだ妹?」

「始まりは水炊きから初めますわ!」

「だそうだ厨房。鶏はどれだけ用意している?」


「はい! とりあえず三羽丸々あり──あ、骨は残っていません」


「軟骨まで残っておりませんの?」


「軟骨、皮、内臓は残してあります」


「足先は?」


「(ガサガサごそごそ)……………ございます!」


「では丸っと用意してくださいな」


「はいっ天使様っ」


「鍋の湯に昆布を沈めるのを忘れてくださいませんようにお願いしますわ」


「はい!」





〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉






「はい、姉ね、手羽先好きでしょ」

「手羽元も食べろ~」

「……お二人とも、御自分が嫌な部位を押し付けておりますでしょう」

「お前、好きだろ?」「姉ねの好物だよ♡ はい、足先も♡」


「待って! 足に見える! 枝とか獲物を掴んでる、爪もある、あの足に見える!」


「まあ落ち着け。妹は鶏でも獣でも魚でも内臓や足まで食べるからな」

「兄に、魚は内臓は食べないよ」

「秋刀魚や鮎は食べますわよ。鮎は頭ごと。大きな魚は氷頭(ひず)や鎌、目玉が美味しいのですわ。わたくし頬っぺたとか大好きです♡ 河豚はうっかりすると毒に中りますけれど」

「妹は大型の魚だと九割以上は食べ尽くすからな」

「豚なんかでも足先まで食べるよね」

「豚は豚足は勿論、耳や尻尾も美味しいですわよ♡ 話を目の前の鍋に戻して、提灯を湯に投入してくださいな♡」

()()だね。たくさんあるけど、食べきれる? 姉ね、同じ味が続くと飽きるでしょ?」

「余ったら、醤油で一夜漬け、味噌なら二日から四日くらい漬けておくと美味しく化けますわよ」


 食べ盛り男が三人も居るので鶏三羽分とは言ってもすぐ消費された。しかしその内訳は、腿肉や胸肉のみ。残りの変わった部位──手羽や足先、内臓等は基本アリサが全て平らげた。で、あるのに──


「あ、そろそろ各種魚の切り身をくださいな。ワカメも欲しいですわ」


 アリサはまだまだ食べる気満々であるようだ。しかも──


「やっぱり“おでん”が──」

「姉ね、“おでん”は諦めて」

「……………」


 鯛やら鰻やら鱒やらの切り身が次々用意され、貝類各種も鍋に投入され、アリサ曰く魚介の種類が足りないとのこと。


「潮汁モドキもそろそろ飽きましたわ。ああ、鮃が食べたい……。お野菜各種をくださいな。醤油と焼酎も使用するので、片口に容れてきてくださいませ」


 アリサ曰く“潮汁モドキ”は塩味、そこに醤油と焼酎を投入して味を調整したのち白菜はじめ冬野菜各種を投入。


「あら、春菊と芹ですわ♡」

「お前の温室から失敬してきた」

「ありがとう存じますわ兄様。──ミア、春菊と芹は湯がいておひたしにしてくださいな。何も和えなくて宜しいですわよ」


 ジオラスはじめハリシア勢以外の人員は野菜の種類の多さに付いていけない。しかも“しょうゆ”とは何だろう? となる。


「妹よ(姉ね)、焼酎なんか入れて大丈夫なの(か)?」

「慰謝料代わりにいただいた島のお酒は呑み尽くされてしまったのでしょう?」

「うん」「……………」


 元気なお返事のユージンとは対照的に兄ファルゴルは静かになる。


「焼酎なら我等が領地で製造できますし、ワインよりも鍋向きだと思いますの」

「ブランデーとかウイスキーとか──」

「却下でしてよ兄様」

「僕、ブランデーとかウイスキーはお菓子の印象が強いかな?」

「ラム酒やジン等、各種追々試して行きますからお楽しみに♡」

「……お前、本当に未成年か、妹?」


 ジオラスはじめその他も兄ファルゴルの確認するかのような言葉に、内心同意したのであった。




 その後の寄せ鍋は味噌、ミルク、トマト、チーズと次々味を変えていく。更に──


「お米と根生姜をくださいな。生姜は塊のまま、擦り下ろし器をこちらへ」


 残った鍋の汁に少量の米を投入し、水も魔法で追加する。鍋の中身がクツクツ言い出した辺りで大量の生姜をおろし入れ、鍋の表面は大量の生姜で覆われた。


「………まさか、これ、食べるの?」


 恐る恐る尋ねたジオラスに当然のように振る舞われた生姜粥は、唐辛子とは違う種類のピリッと辛い、しかしさっぱり優しく慈味深い、身体の温まる締めの一品だった。




 ジオラスにとっては締めであった粥を平らげた、はずであったのだ。


「さあ、漸く胃袋が整いましたわよ! ここからが腹拵(はらごしら)えでしてよ!」


 信じられない言葉がアリサから飛び出した。


「あ、私達の分はもういらないからな。アリサの分だけ用意してくれ」


 ファルゴルの念押しにユージンもシラッと頷いている。

 ……………なるほど。

「たくさん食べる」とはこういう意味だったか。


 この後から更に食べ盛り兵士三十人前くらいペロリと平らげるアリサの武勇伝(?)が待っているのだが、この時のジオラスはまだ知らない。









リアルでは寒暖差が酷く、確定申告やら他書類提出やら、挙げ句にマイナンバーカード紛失やらで、作者てんてこ舞いです( ;∀;)ぴえん

お間抜けよね~ははは(空笑い)(°▽°)

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