妖精とは
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結局は説明回です
シメサツシとの国境にある関所(砦)から急ぎの報せが王城に入った。しかも未だ試験段階にある魔道具によって。
──シメサツシに不穏の気配あり。
──妖精の気配を感知。
──シメサツシに今は居ない筈の精霊が活発に関与しているもよう。
実のところ魔法と魔術は違う。
世界の法に則って発動させる物が魔法。
無理矢理発動させるのを魔術。
だが、、、
その区別は付け難い例が多く、一般には魔法も魔術も同じと認識されている。
それはそれとして、魔術の場合は術者の魔力を第一の触媒として、魔術陣や宝石や薬草や……とにかく実現の方法は色々ある。しかし、術者の実力が実現させたい術に対して足りない場合、多く妖精が手助けしてくれる。
悪い例で云うと、シメサツシだ。
精霊と神々は世界と言い換えても良い。
その精霊を否定──エネルギー化したい。
だが精霊は世界の現象や現物そのものだ。精霊をエネルギー化すれば膨大莫大な効果が得られるが、世界その物を使い捨てする事にも繋がる。そこで出てくるもう一つの存在、《神》。信仰を歪められたシメサツシでは神々さえ祀っておけば世界は保たれるとした。だが実際には《神》は超次元の法を、精霊は現世を与る世界。精霊を粗末にあつかえば、当然世界は痩せ細り死滅する。だが一度旨味を覚えたシメサツシの平民は黒い夢を希望と称して手放せなかった。その結果が、今回の滅びだ。
話を戻そう。
元はと言えば〈自称聖女〉が広めた思想だが、偽物には神々へ願いを届ける力も技術も無い。寧ろ精霊達に総スカンを喰らった口だ。では、如何にして精霊を虐殺できる仕掛けを施せたのか。
妖精だ。
妖精は基本、無害な存在だ。更に云うなら“無垢”なる存在である。
だから、扱いようによっては善きものにも悪いものにもなる。
〈自称聖女〉は一部の妖精をどのようにか騙し、精霊をエネルギー化する為の術式を敷いた。その場所は秘匿され、シメサツシ王家も突き止められなかったという。
騙された妖精が黒い妖精化し、人間達の目から禁忌の術式を隠し通したのはもはや神々しか知らない。
蛇足になるがその時騙された妖精達は平民達の祈りと信仰の力によって縛られ、シメサツシの平民が数を減らすと共に拘束力が弱まり、徐々に神々に回収された。だが本来善悪の関与する世界とは一線を画していたにもかかわらず〈自称聖女〉のせいで黒い存在化してしまった。浄化を兼ねる為に彼等は時代を超えて、それぞれの《家》の《守護者》となったのである。
斯くして騙された黒い妖精達が数を減らし術式が保てなくなった辺りでフリングホーニの精霊達の大激怒でシメサツシは水害に沈み押し流された。
当然〈偽物聖女〉が敷いた術式も壊れ、最後に残され延々搾取され続けていた《守護精霊》も解放されて………。
因みにフリングホーニとシメサツシの国境を超えて水害の力を伝えたのも妖精であったりする。
〈偽物聖女〉は妖精だけは知覚できた為に禁術に手を出してしまった経緯があります。一瞬過った〈偽物聖女〉の裏話。逃してしまったので、たぶんこの後も書く機会は無いと思いますm(_ _)m