人形遊び
数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)
☆評価、ブックマーク、いいね 等もありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
王妃の洗脳騒ぎに決着が付きます。
王家──王妃は三日間プレ公演を観覧していた。付き添いは三日間とも王太子妃のモレラ。二人とも仕事の一環であるが、単に男共は仕事に追われて観覧どころではなかっただけとも言える。要は適材適所。劇場は社交場でもあるので、社交を牽引する二人が適任とされている。これは代々の決まり事でもあるが、時には王なり王子なりが同行する事もある。そして最終日のお伴は、何故か王でも王太子でもなく、第二王子バルド。因みに第二王子と王妃に血の繋がりは無い。
現在楽屋手前にて、王家の面々は劇団員の以前にアリシア家の面々と相対していたりする。
「ディアナ!」
「………これは妃殿下、お久しぶりにございます」
王妃の喜びの声に対して応えるアリシア夫人は冷めていた。
王妃の気持ちが後ろ向きになる。王妃は親友の娘に対して一服盛るなど、かなり軽蔑されるような向きの仕出かしを行っている。そしてたぶん、親友との確執は、ずっと昔に始まっているのだ。
想わず謝罪したくなる。
しかし王妃は簡単に頭を下げてはいけない。ましてこのような人目のある場所では。王家の威信を傷付けるとともに、下々へと不安を与えてしまうから。
ふと、王妃と王太子妃の耳に届く言葉。
『身近で寵用する侍女に気を付けてください。特に、昔から側に置き続けてきた侍女を調べるように』
その声はアリシア夫人のもの。
彼女は扇を広げ、目から下の顔を隠している。しかしその扇は僅かに傾き、夫であるアリシア辺境伯へは筒抜けだろう様子。その辺境伯も王妃達に厳しい眼差しを向けている。
王妃は悟った。
戸惑う気配を纏う王太子妃を視線一つで押し留め、アリシア夫妻には笑顔を返す。
アリシア家は高度な風の魔法を操る者が多いと聞く。そして声を届ける魔法は、アリシア家令嬢アリサの開発であるそうだ。ならば……夫人の声を自分達に届けたのはアリシア辺境伯と見て間違いない。だが、このような形で伝えてきたからには相応の意味がある。故に、周囲の者達に今は知られてはならない。
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わたくしの可愛い可愛いお人形は、とても賢く綺麗ですの。
わたくしの言う事を良くきく高貴なる麗人。
皆様も御存じでございましょう?
だってわたくしのお人形は、この国の王妃なのですもの。
ああ、でも、近頃少し反抗的なのですわ。
せっかく〈聖女信仰〉が身に付いたと思って安心しておりましたのに、信仰を否定するような言動が目立つように逆戻りしてしまったのですもの。
……………少し薬を強くして、洗脳し直さねばならないわ。
警務監修で対象者数人を調べ、完全に白とされた人間以外には、それと分からぬように自白剤を飲ませた。勿論、密室──取調室へ誘導してからの処置である。そこまでして網に掛かった一人が、王妃が王家に嫁ぐ前から王妃に仕えてくれていた侍女であった。
幸いな事に、それ以外は全て白。白と断定された皆様には、魔導師の力を借りて記憶をあやふやにする程度に消してから解放した。
が、真っ黒侍女はそのまま拘束。
自白剤とは別に身体に快楽を与える薬剤を投与し、誰も手を付けず(本人も後ろ手に拘束され何もできない)焦らしに焦らして狂わせ、裏取りを行った。
黒幕は元ドランツィツィ令嬢のフレシア。
フレシアは侍女の家族に危害を与えると脅し、欲得で飼い慣らしたアティアを使用して洗脳し、王妃の洗脳にまで手を伸ばしていたのだ。
そして、フレシアの背後にはシメサツシ第二王子が居た事実は、既に明らかとなっている。
シメサツシ第二王子とフレシア二人の重罪が増えた。
シメサツシのみならず各国へ布れを出し、極刑に処す事が決まった。
国民を殆ど失ったシメサツシ国は、王を弑して王太子が新たな王になっていた。
国に残っていた新国王も国の幹部も、誰も、シメサツシ第二王子へ救いの手を差し出す者は居なかった。寧ろ第二王子を王族籍から抹消した旨を報せてきた。これを以て元シメサツシ第二王子は毒杯での極刑はなく、薬物の実験台として扱われる未来が決定した。
シメサツシ第二王子が何処まで手を伸ばしているかが分からない。
それを明らかにするまでは生かされる。
脳を破壊しないように、精神も破壊しないように、苦しみを与え続けて情報を引き出す。
実験棟に移された元シメサツシ第二王子の苦しみは、まだ暫く続きそうだ。
お久し振りですm(_ _)m
作者を見捨てず本作を読んでくださる読者皆様ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
作者、元日早々の能登半島大地震が意外に堪えたようです(つд;*)
被災した皆様、どうかお心を強く持ち、できるだけ健康を維持して、まず生き延びてください!
能登半島大地震の被災者の皆様にお見舞い申し上げすm(_ _)m
泣きたい時は泣いちゃってください。良くも悪くも涙はいずれ渇れます(つд;*)