表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/203

エキストラ令嬢の目撃談

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)

☆評価、ブックマーク、いいね 等もありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


名も無き冷やかし娘のウォッチング\(◎o◎)/



 王都の大劇場は、基本、冬の社交シーズンにしか開かない。

 本格的な稼働は年末の月から春の到来を祝う春祭りまでだ。

 が

 本格稼働の前の前振り講演なる物がある。

 所謂、舞台確認の為のリハーサル的なプレ公演だ。


 夏、妹アリサの依頼(おねだり)を請けたファルゴルが強引に抑えたのが、この前振り講演であった。だが、当然ながらそれらは身内でのみ通じる話しであって、その他の人間は預かり知らぬ小話だったりするのだ。




 わたくしも当時は全く存じ上げませんでした。

 わたくしは領土を持たぬ弱小下級貴族の娘で、この時期この場所にて大劇場に遣って来る人々を眺めるのがいつしか一年の締め括りに向けての個人的な儀式になっていました。ええ、(とも)はおりません。図書館に行くという名目で馬車で送ってもらって来ましたから。いえ、家人を騙してなどおりません。きちんと図書館での用事は済ませております。ただ予定より早く引き上げてここに来ているだけです。劇場にも入らないのに何を遣っているのだと言われそうですね。私が第三者だったら申します。ですがある意味、広義の意味では次年度を占う行為でもあるのです。プレ公演には次年度の経済(たまに(まつりごと))に対して何かしらの働き掛けを行う出資者が訪れる傾向にあると私は分析しています。ですから大物が訪れる事もございますの。いつぞやは社交界の薔薇と呼ばれている某御婦人がいらした事実もございますの。あれは善き目の保養になりました。

 さて、今年は……………あら? 随分商業関係者が多いです。けれど職種に統一性が無いような……? え? ええ!? 商業ギルド長!? え? え? 本物?

 もしかして……商業関係者も商会長が直々に来ている、とかいいませんよね? さすがに各商会の商会長の顔まで知りませんので、その辺は何とも。


 ふへ!? 王家!!

 いや、何で!?!!

 いや、ほぼ毎年お出でになっているのは知ってますけど!

 護衛がゾロゾロ……近衛かしら? 素敵♡


 でも王家が最後の入場ね。きっと騒ぎを避けるためね。

 けれどこんなに大々的な王家のお出ましとは、来期は何があるのかしら?


 ん? 王家が最後かと思ったら、別の馬車と護衛の騎士達が……何処の家かしら?

 あ、下りて来た。素敵な青年と殿方と少年と…御婦人と紳士と、紳士の腕に抱えられた人らしき塊が先に下りていた殿方の腕の中へ移される。あ、抱えられてるのは女の子(私と同年代の若い乙女)みたい。服、可愛い! お人形じゃないわよね?

 どなたか分からなかったけど、何だか素敵な(たぶん)御家族♡


 あ、そろそろ図書館に戻らないと。


 この後私は、あの日劇場に入らなかった事を激しく後悔する事になる。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ