表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
156/203

妄言者達の夢のあと

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)

☆評価、ブックマーク、いいね 等もありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ



 アリサは生き延びた。


 これはハリシア大神殿神殿長マナクの存在が大きい。

 本来ならハリシアに帰還していたはずだったのだが、王都の大聖堂に乞われてズルズル滞在が延びていたのだ。これはアリサのたまたま力ではなく、寧ろ神々の采配であろう。

 しかし命その物だけはくい止めたものの、意識が戻らない。

 アリサは昏昏(こんこん)と眠り続け、王家や学園の見舞いは家族が断り続けた。

 そう、家族。

 とうとう領地から母親が出て来たのであった。




@ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @





 ドラゴジラ公爵が、この機会を逃してなるものかとばかりに素早く公式に、手続き及び発表をしてしまった。


 一つ。今回、辺境伯令嬢殺害未遂を働いた犯人は養女である。

 一つ。血の繋がりは無いとはいえ、娘として育てて来た人間の残虐な犯行の責任を負い、自身限りで爵位及び領地を国へ返還、財産は国と神殿に寄贈する。

 一つ。犯人との養子縁組を解消する。

 一つ。見舞金と慰謝料を、ドラゴジラ公爵家よりアリシア辺境伯爵家へ支払うものとする。

 最後に、被害者への謝罪。そして回復への祈りを贈られた。




 以上を以てラ・フレシア・ドラゴジラ令嬢は平民落ちして、ただのフレシアになった。

 そして(やらかし当日が令嬢でも、)平民が高位貴族令嬢を殺害しかけた罪状から、地下牢に収容。元父親が庇い立てしないので、厳しい処罰が下されるだろう。

 実際に極刑に及ぶかどうかは未定であるが(ある意味フレシアは貰い事故なので意見が割れている)、ここ最近の例から鑑みて、おそらく自滅して果てるだろう。地下牢は大の男でも根をあげる場所なので、普通のお嬢様には堪えられないらしい。つまり、地下牢収容が一つの刑罰になっているのだ。





@ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @




 自称シメサツシ第三王子は、フリングホーニ城の貴族牢に長く勾留された。

 長く、というのは、本国との連絡が途絶えた為だ。


 フリングホーニとしても抗議文を送る為に使者を立てたのだ。が、シメサツシに入って早々に大雨竜巻洪水に遮られ、泣く泣く戻ってきてしまった次第である。


 どうやら本格的に精霊達がお冠らしい。


 そもそもシメサツシはもう百年以上の永きに(わた)り精霊を消耗品として虐殺し続け、精霊に見放され、精霊の存在その物が枯渇している土地であるのだ。雨は降らなくなり、森は枯れ果て、かれこれ八十~九十年も地下水や河川の水を頼りに(ながら)えてきた。そうなると殆どの大地はカチコチに乾き固まり、逆に水を吸わなくなる。そこに止まない大雨が降り続ければどうなるか。溢れた濁流が幾つもの集落を呑み込み押し流してしまうのである。

 シメサツシの多くの国民はそうして命を散らし、もはや国として体裁を保てなくなる程に人口を減らしてしまった。

 当然シメサツシは他国に救援を求めた。しかしその助けを求める声は国境を越えられなかったのである。

 その救援を求める使者が国境を越えられなかった事実にも暫く気付けなかった程であった。




 一方フリングホーニ側は、最後の手段としてアリシア家を頼った。

 空輸便。

 しかもアリシア家嫡男ファルゴルの操るドラゴンにて、使節団共々直接シメサツシの城に乗り込んだのである。

 シメサツシ側は、この使節団のもたらした情報によりはじめて異常気象の理由を知った。

 シメサツシの第二王子は国王派であったので第二王子を国王が庇い、即座の処罰にはならなかった。しかし国王も庇い切るのは無理だろう。フリングホーニからここまでの道中のシメサツシ国土の殆どが水没していたとも使者が一言付け加えたので。


 シメサツシと同じような危機がフリングホーニ王都に迫っている事を、この時の使節団はまだ知らない。


 フリングホーニの王都は台風のような暴風雨に見舞われ、意識の無いアリサを雨風に晒しながら王城にある守護精霊謁見の泉に連れて行って、漸く鎮まりを見せた程なのだ。


 こちらは蛇足になるが、水の伯爵たる当主と嫡男が派遣されているフリングホーニ・ザーンネン領では逆に、ある日突然、夜が明けたら河川から水が失くなっていた。

 滔々と流れる河から伯爵達を泣かせ続けた水が消え去るのは異常である。そこで地元の神官を巻き込みついでに王都にも報せを飛ばして調べたところ、精霊達がシメサツシ第二王子のやらかしで怒り狂っている、との情報を得た。こうなると派遣組にできる事は無い、訳でもない。派遣組を悩ませていた水が失くなった事により、土砂の始末が付け易くなったのだ。そして水が無い以上は水の伯爵親子も重宝される。良くも悪くも周辺に住民は居ない。クルイウィル親子の負担も最小限で済んだ。

 このような経緯(いきさつ)により、怒涛の勢いで工事が進んだのであった。



 さて、では何故にザーンネンが精霊の怒りを買ったのか。

 シメサツシ第()王子の手引き、何より精霊を粗末にし始めた領主が原因だろう。

 フリングホーニの認めるシメサツシ第三王子の証言で、自称シメサツシ第三王子はその兄、シメサツシ第二王子であると判明した。だが好き勝手に入国できるものではない。まして王族なら尚更。

 そこで活躍してしまったのだ。ザーンネン領主サセク伯爵が。

 ザーンネンはネビル河という大河を有している。その河を利用しての運搬船にシメサツシ第二王子を忍び込ませて密入国させてしまったのだ。

 その第二王子がアリサ相手にやらかし、精霊の怒りを買い、ザーンネンに人智を越えた災いが現れ、何故だと調べたら密入国の一件に辿り付いた。

 ザーンネン領主サセク伯爵は爵位を取り上げられ、伯爵の弟が《家》を継いだ。本来ならば嫡男であった元・宰相補佐官のハリー・デヴィド・サセクが受け継ぐのが順当であったのだが、彼は既にその資格を失っている。一方の元・伯爵の弟は嘗て若かりし頃、当時の今は亡きドラゴジラ夫人に傾倒していなかった。そればかりか現在の自身の妻を見付けてしっかり堅実に自分を磨き上げた傑物である。もう彼も年だが、彼には息子も居るし、何とかなるだろう。




@ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @




 さて芋蔓式に調べて判明したのだが、新親シメサツシ派はシメサツシに多くの援助をしていた。

 その多くは食料等の物資の()()

 別に武器をばら撒いて来た訳でなし、違法な薬やら禁術やらを持ち込むでなし、勝手だろと言われてしまえば、そうですねとしか国には返せない。だが調べを進める段階で方々(ほうぼう)に情報が広がり(国の嫌がらせで正しい情報を広めたともいう)、周囲の方が怒りを現した。それはそうだろう。単純に財産がドブに棄てるように他国へ投げ入れられていたようなものなのだから。特に洗脳されていない家族(主な代表は奥様)がこれまで溜め込んだ鬱憤を暴発させているらしい。

 平和に、洗脳されていない跡継ぎに、速やかに代替わりする事を祈るものなり。










何か書き忘れている気がする?(・_・;?

思い出したら書き足せば良いよ、と寛大に見守ってくださる方は、ポチっと

☆評価、ブックマーク、いいね を宜しくお願いしますm(_ _)m


ここから暫くは主人公抜きで話が進みます。その都合上、筆が鈍くなるおそれがございます(;゜゜) 結果、更新が緩くなる可能性を先にお報せ致しますm(_ _)m


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ