レイナ殺害
数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)
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副題通り、ちょっと残酷な表現があります。苦手とする方はお気を付けてください
((;>_<;))(/o\)
「あの女、何て言ったっけ?」
「令嬢たるもの、『っけ』は無いだろう娘よ、いや姉上」
「ええと、確かギリシャ神話の不和の女神みたいな名前だったから、エリスとか何とか言うオバハン」
「無視か、無視なのか……! で? そう言えばそのような老婆が居たな、という程度の記憶しかないが? 今、頭に思い浮かべている人物と同一人物かどうかも怪しい」
「いいかげん故人でしょ。その辺はどうでもいいわ。問題はその女がやろうとした事としでかした事。しでかした事は幼子と言うか、少女レイナの拉致と殺害。それらはしようとした事──目的の為に成された犯罪だという事」
「……あ?」
「殺されてる途中で気付いた。一言で言うと生け贄ね」
「………殺してやる。墓を暴いて殺しなおす!」
「あ、お墓あるんだ」
「常のアリサで分かってはいたが…姉上は暢気過ぎる!」
「本当に今日は騒がしいわねぇ。まあいいわ」
「………いいのか……いい訳あるか!」
「少し静かにさせる為に、少々刺激的且つ残酷? 残虐な話を。人間ってね、生きたまま腸食べられても、すぐには死ねないの」
「……………え……!?」×全員
さすがに堪えられず、それまで大人しく聞いていた周囲も含めて驚きの声と共に固まった。アリサの発言は、文字通り経験者の発言であるのだ。アリサの望み通りにアリシア伯爵ユナスも周囲に合わせて言葉を失った。
「あの女はね、私を、レイナを滅多刺しにした後、腹を裂いてからスタンピードの濁流に私を放り投げたの。とてもじゃないけど女の力じゃなかった。あの時点で何かやらかしてたのね。当然揉みくちゃバラバラ生きながらに腸から食われ放題。でもね、即死できなかったの。体感時間だと、結構長い時間苦しんだわね………」
『──死に引き摺られるな! 戻って来い!』
アリサの頭に乗ったままであった竜神様が尻尾でアリサの背を叩き、一度は光を失いかけた彼女の瞳に生気を戻す。
「あー……ありがとう存じますわ、竜神様」
『うむ……レイナの時は守ってやれなかったからな……』
「! では、娘は精霊の愛し子だったのですか!?」
ガタン!
アリサが勢い良く席を立った。
「トト様……!」
レイナの死に様を聞いて耐えられなくなったレイモンド翁が部屋の入り口に立っていた。
「ならば何故、精霊達はレイナをお守りくださらなかったのか!?」
『レイナに止められた。いや、そればかりか現場の精霊達は逆にレイナに守られた』
「トト様、父様、確認です。あの女の墓は存在するのですか?」
「無いっ」
「あのババアもスタンピードに呑まれて死んだと聞いたぞ。勿論死体も見付かっていない」
即答を返したのはレイモンド翁。続く説明がアリシア伯爵ユナス。
「なれば私の、レイナの直感は的のド真ん中を射ぬいたのですね」
『おぬしはレイナの時から大して変わらぬなぁ。見事あ奴の企みをへし折りおったわ』
「現状を見る限り、あの女よりレイナの試みが一歩上を行ったようね」
『一歩どころか、百歩も万歩も上よ。お陰でハリシアばかりか、この国及びこの大陸の精霊がお前の、レイナの命に救われた。お前はこの大陸全精霊の恩人よ』
「ああ、なるほど。だから今更になってシメサツシが仕掛けてきているのですね」
「待て! 全く話が見えぬ」
「トト様。要はあの女は、シメサツシの二番煎じ、二匹目のドジョウを狙ったのですわ」
「………まさか、あの噂は……精霊虐殺は真だったのか!?」
呆然と呟かれたアリシア伯爵ユナスの言葉に、視聴者は今度こそ全ての言葉を失った。
“あの女”が何をしようとしたのかは次回!
今度こそ、今度こそ作者の意図に沿って進んでくれたまえ、アリサよ(-人-;)