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押し掛けて来る

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)

☆評価、ブックマーク、いいね 等もありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


今回は前振り、超短い(^-^;



「昨日の今日で何なのですの?」

「お茶会への招待です。お迎えに上がりました」

「それは先程もお聞きしましたわ。──ねえ、ジオラス様?」


 こちらに話を振らないでほしい。だが他ならぬアリサから求められた助けだ。たぶん、助けを求められているのだ。よし!


「失礼します」

「ちょっ!?」

「何をなさっておいでですか、近衛殿!?」


 ジオラスが気合いを入れた傍から出鼻を挫かれる。三人一組で迎えに来た近衛の一人がアリサを担ぎ上げたのだ。

 因みにここは学園の裏庭。つまり現在アリサとジオラスは午後の観測の途中なのである。こうなるとアリサは梃子でも動かない。近衛の迎えということは、まず間違いなく王家の誰かからの招待。しかしアリサにとっては観測が最優先。王家の命令でもこの一点は変わらない。実際彼女は聞き流しながら歩みは止めなかったのだ。そして担ぎ上げられた。普通なら誘拐と騒ぎ立てるところだが相手が悪い。


「騎士様わたくしをこのまま誘拐しては火事を引き起こしますわよ!」

「そうですか」「それは大変ですな」「……………」

「あ! 火を点けっぱなしだ!」


 ジオラスがアリサの言葉で思い出すと、アリサには取り合わなかった近衛達の歩みが止まった。


「わたくし、調理の途中ですの」

「観察の途中の間違いでは?」

「近衛殿、彼女は鍋を火にかけてそのまま観測に出て来ております。場所は彼女の研究室で、鍵は当然ながら彼女しか持っていません」

「学園の研究棟の話ですね? それでしたら学園がマスターキーを所持しているはず──」


 近衛の一人が全て語り終わらぬ内にジオラスがそっと小さく挙手した。


「……何か? クルイウィル殿」

「彼女は自身で取り付けた錠前も使用しています。更に魔法で施錠も施しており、私が把握しているだけでも三重の施錠です」

「……………随分と……」「……厳重なのですね」「用心深過ぎ。後ろ暗い実験でもしてるのか?」

「後ろ暗くはありませんけれど、何故かわたくしの遣ること成すことに興味を示して手出し口出ししたがる余所様が出そうですの。私物、特に食関連をあれこれ弄り回されるのは不快でしてよ。しかもというか当然のようにというか、留守中にされかねませんの。別に、何処の誰とは申し上げませんけれど。どうせ複数の《家》絡みでしょうし。ええ、《家》の規模には言及致しませんわ」


「……………」×四


 随分ハッキリ物事を把握しているらしきアリサに男達は揃って静かになった。




 結果、アリサは下ろされ観測を続行する。勿論、当然のように。その途中ジオラスが気付いた時には近衛の三人の内二人が消えていた。逆説的に言うと、何故最後の一人はこちらに残ったのだろう?




 答えは観測後のアリサの研究室に戻って来てから判明する。

 やんごとなき方々が団体様でツアー宜しく大挙したのであった。









やんごとなき人々は、どれくらいの規模でしょうか?

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