ここに物騒極まれりby. アリシア三代
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機材、動きました゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜
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本日も、ダラダラお茶会その後。
「トト様、父様、大丈夫ですの?」
「品出しが多過ぎて、ジジイは混乱しているぞい」
「《精霊の愛し子》に始まり、《神々の愛し子》であった事実も露呈。あとは、まあ、な。うん、これらはハリシアとしては今更だが、こんな訳の分からない形で露見するとか、普通、無いよな」
アリシア伯爵が言いかけ暈したのは、《希人》の一言。
アリシア伯爵が濁した単語を嗅ぎわけたか自然と見当が付いたか、それとも元々“当たり”を付けていたのか、局長が呟きを漏らした。
「それに加えて前世がどうとか、お嬢ちゃん《希人》か?」
「いずれにせよ、盛りだくさん過ぎるだろう……」
「ね」
アリシア伯爵と娘アリサの簡単な遣り取りで局長の提議はサラリと流された。
「まあいいや。──今は、はいハイはい! まず、歌の内容が分かりませんでした!」
自棄になったか局長の元気な告白。
「待て、局長……」
「もしかしなくても、あれ、精霊語だったよな?」
「速過ぎるのと多重音声別々の単語で歌われたのと流暢過ぎるのと、とにかく俺様程度じゃ聞き取れねー」
王太子と第二王子の慌てたような反応にも、局長は泰然と答えている。否、既に目線が遠くを見ていて何処に向いているのか分からない。対する周囲は厳しい渋面だ。精霊語は文字通り人間の操る言語ではない。正確には精霊どうしが互いに遣り取りしている言語でもないのだが、人間と精霊の遣り取りには必要とされている言語でもある。魔術師で魔導師である魔法使いが精霊に助力を願うのに使われる言語。つまり、魔法棟の頂点に立っている人間に分からなければ、ただ人であるその他の人々にはお手上げではないか。
その傍らで、三代アリシアがポソポソ密談していたり。
「軍備の準備は必要か?」
「はい、父様」
「攻守共に、万全の万全の最たる装備が必要か?」
「はい、トト様」
「となると、幻獣部隊もですな、父上」
「戦闘となると、幻獣と共にあれる人間はあまりに少ない。ただの荷物の運搬とは違う」
「一言付け加えるならば、空の部隊、火力重視の編成を提唱致しますわ」
物騒極まりないヒソヒソ話しに周りは自ずと聞き耳をそばだてる。
「撹乱にグリフォン、重火器としてドラゴン、集団の攻守でフェンリル一族。後方に回復の鳳凰。戦闘を見込んだ場合、ユニコーンは──」
「あまりに無力だな。そこまで、か」
「そこまで必要かと、父様」
「戦場はハリシアになるか……?」
「おそらく、その大分手前で防げるかと、トト様。けれどそれは──」
「ハリシアの外で幻獣部隊が展開できるかどうかにかかってくるな」
「根拠があまりに曖昧よの。此度に関わった人間ならともかく、その他の貴族院や世間には謀叛として受け取られるだろう、の」
「その場合、足を引っ張られますな……」
「予め宣言させていただきますが、わたくしはハリシアを守る為にしか動きませんことよ。ハリシア全部隊をハリシア外へ出すのも正直面白くありません。けれどハリシアに被害は出したくないのもありますの」
「天秤に掛けて、どちらに傾く?」
「圧倒的に、ハリシアの安寧。因って、戦場はハリシアに届く前のこのフリングホーニ線上の何処か」
「つまり、国の判断次第で戦場が決する訳だの」
「四の五の渋れば、この国ほぼ全土が踏み荒らされるだけでしてよ。ま、国を守るはわたくしの仕事ではありませんのでどうでも宜しいですけれど」
──どうでも宜しい!?
ここに、物騒極まれり!!
「なあなあ嬢ちゃん」
「如何いたしましたの、魔法のオジ様? というか、何故わたくしですの?」
「嬢ちゃんが一番話し掛け易いからだな。で、戦争にでもなるのか?」
「存じ上げませんわぁ」
「いや、だって、ハリシアの軍備がどうとか、戦場だとかいう話は何?」
「戦になるかどうかはともかく、戦闘にはなりましょうね」
謎々かよ。 by.ハリシア外・一堂
「うーん……じゃあ、その“戦闘”ってのは、だいたいいつ頃になる話だ?」
「存じ上げませんわぁ」
「……………」
「ただ、冬ですわぁ。場合によっては夜かもですの。けれどそれが、今年の冬か来年か十年後かは分かりませんの」
「………マジ?」
「わたくしはそのように解釈致しましたわぁ」
「わぁ」じゃねーわ。気が抜ける。締まらん。間が持たん。
どうやって話続けるんだ、これ?
このお茶会、盛りに盛り過ぎて、色々忘れそう……c(>_<。)☆*
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