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135.治癒中につき

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)

今回間がありました。

見捨てずに読んでくださり、本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ




 引き続き精霊の泉前の広場にて、アリサは治療を受けていた。

 治療を施しているのは誰か?

 ハリシア大神殿の神殿長である。

 この神殿長なる者、元は大陸中央神殿の中核を担う三人の大司教の内の一人であったという大物。何故そのような大物が大神殿とはいえ地方の神殿に自ら願って下がったのか、未だに疑問という形で囁かれている。一応名目は年齢を言い訳にしているらしいが、誰も信じていない。


 それはそれとして、何故、今、ここ──王宮にハリシアの神殿長が居るのか?

 それは、たまたまアリサを心配して王都郊外のアリシア家邸宅を訪ねて来たところだったという。因みに郊外の屋敷から浚って来たのは泉の竜神様。今度こそ立派な誘拐である。


「いつもの偶々(たまたま)か」

「十年前の始まりからして偶々でしたからな」


 ハリシア勢以外には通じぬ会話。それぞれの顔を見るまでもなく雰囲気で察したのだろう。ハリシア神殿長が一言足した。


「わたくしがアリサ嬢と関わりを持つようになったのも、たまたま王都郊外アリシア邸にお邪魔していたからですからな」


 結局分からない。

 第二王子が説明を促して返ってきた現アリシア伯爵の答え曰く、アリサのお披露目会にまで遡るという。


「あ! 五歳の時の?」

「殿下は御存じでしたか」


 訳:何で知ってんだよ?   by.アリシア伯爵


「学園でアリシア嬢がお茶会? で話していたのをたまたま聞いてね。その時私はシメサツシの王子を案内していたんだ」


 ちょっと句読点が怪しくなったのは、別にハリシア伯爵に臆したからではない。たぶん。


「娘五歳の披露目は、他家との結び付きも兼ねてであるので、この王都で催したのです。ですが招待もしていないガーストン親子が他家の人間に紛れて会に混じり、挙げ句に娘に熱湯を浴びせて失明に追いやりかけたのです。ですがたまたまマナク神殿長がワイバーン便利用の為に訪ねてお出でで、無理を言って治癒を施してもらったのです」

「年齢を理由に大陸中央神殿から退いたというに、派遣されたのがこの王都の神殿では忙しいまま。そこで田舎の神殿を探さねばと候補地を絞ってワイバーン便で方々歩いていた時期ですじゃ。ワイバーンに乗る準備も整っていたのでの、一日どころか十分違ったら大事になっておりましたな。いや、本当に良かった」

「娘はこのような感じの“偶々力”がやらせかという程に強い。ただ馴染みの無い警務に髄分疑われたがの、無実です」

「おや、この馬鹿娘が警務の世話になるような犯罪を犯すとは考え難いがの」

「実際何もしとらん。強いて言うなら人助けをして冤罪を吹っ掛けられかけたのよ」

「おやおや。感謝どころか真逆を行くとは随分な話よ」


 “偶々力”とは聞き慣れない。造語にしても酷い。だがそうとしか纏められない運を呼び寄せる体質なのだろう。事実、第二王子も()()()()アリサお披露目会の情報を聞き齧っていた。この場合、第二王子は完全に外的要素で居合わせただけである。それは十年前の神殿長からして外的要因で偶然関わりを持つに至っただけ。聞いているだけで、“やらせ”を疑いたくなるほど“たまたま”が凄い。確かに“偶々力”だ。だがそれも、今なら理解できる。アリサは精霊に愛される《精霊の愛し子》だ。それだけではなく《神々の愛し子》でもある。それ故に幸運に助けられ易いのだろう。

 通常、どちらか一方の《愛し子》なら分かる。それとて稀で名誉であるのに、アリシア家及びハリシアはそれを隠していた。だが……どちらか一方の《愛し子》でも危険を呼び寄せる。《愛し子》を手に入れれば幸運が舞い込むと信じる者達が《愛し子》を利用しようとするからだ。それが“稀”では済まない双方の《愛し子》とくれば、もうどんな災いを招き寄せるか分からない。だが《愛し子》は人ならざる存在に守られる。するとどうなるか。不届き者達に天罰が下る。ただしアリサの場合は神々と精霊のダブルスである。天罰の規模も尋常ではなくなるだろう。


「………ここに居る皆に告ぐ。アリシア嬢に関する一切の情報は秘匿せよ」

「漸くですか」


 王の箝口令に、アリシア伯爵が溜め息を漏らした。


「アリシア伯爵こそ、全く報告が無いのは問題では?」

「王よ、報告の義務はございませんぞ」

「だがいざという時……いや、もう良い。──アリシア嬢も、此度の件には感謝する。王妃と息子が世話になった」


「どうせ長くは続かぬ命ですもの、お気になさらず──ああ、もう、本当に嫌」

「アリシア嬢よ、長く続かぬ命とは、誰の、如何様(いかよう)の意味かな?」

「わたくしの命ですわああ、このお薬、いつまで効力を発揮しますの!?」


「一日は効きましてよ。それで、何故ここで“命”という言葉が出てきたのかしら?」

「元々《予知》は神々との間に立って告げる者への負担が大きいですの。そこに加えて今回は神々の祟りに対する解除。わたくしはこの手の能力には恵まれておりません。つまり今回は無理が過ぎる行いですの。ですから運命の女神様方も“もう少しで連れて行けたのに”と仰ったのでございましょう」


「!?」×全員


「ただ守護竜様がイェンス様を急いで拉致って来たあたり、精霊達はその辺り、考慮の他であったのかと推察致し──」

『お前はただでさえ常に命の危機にある。身体もボロボロに弱っておるし、生まれる前からの制約もある。今回は我の責任だ。すまぬ。愛し子』

「すまぬ、と仰せになるなら、このお薬の解毒をお願い致したく存じますわ」

『我が与えた水を譲るからだ。あの水を飲んでおれば内臓の修復もできたであろうに』

「ああああアアアア……!」


「誠に我が孫娘は間抜けよのう」

「間抜けでない娘なぞ、アリサではありませんぞ父上」

「じゃがアリシア伯爵よ、内臓に関する問題はわたくしの治癒でも追い付かぬのが現状なのじゃ。それを癒せる機会を逸したのは痛い。取り敢えず今回の服毒に関する解毒は無い! まずは失明せぬよう眼球の治癒が優先じゃ」


「本当にお前(アリサ嬢)は間抜けだ(じゃ)!!」

「ああああああああアアアアアアア」









機材が不具合を起こしました(T-T)

オーバーヒートです。一晩経ったら発熱していた。充電していたわけでもないのに、何故?!(・◇・;) ?

機材の御機嫌を取りながらの執筆になります。少し間隔が空くかもです。御了承くださいますようお願い申し上げますm(_ _)m

作者を見捨てず待ってやろうというお優しい方は、

☆評価、ブックマーク、いいね 等、ポチっとお願い致したますm(_ _)m

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