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竜神様×(仮)迦陵頻伽×運命の三女神

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)

☆評価、ブックマーク、いいね 等もありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


神秘の存在は怖い、怖いですねぇ((( ;゜Д゜)))(-_-;)



『ほれ、行くぞ』

「ええ!? これ誘拐! 拉致誘拐だから!!」


 頭に乗っていた時よりも大きく、しかし本来の姿よりも格段に小さな大きさになった守護竜が両手両足の爪でしっかりアリサを掴み尾でアリサを抱え込み羽ばたいた。落ちても大して影響の無さそうな高度──大人の頭程度の高さでアリサ共々移動。移動先は……泉の上。泉とは、云わずもがな精霊謁見用の聖なる泉。


「しかもお立ち台! 嫌だ!」

『お立ち()ではない。聖なる泉だ』

「下手なお立ち台より目立つ! よりによって何でココ!?」

『ここなら歌声も良い感じで響くだろう』

「普通、水は音を消してくれるのに! ってか私、精霊や神様と一緒じゃないと歌えない!」


『呼んだ~♡?』


「呼んでませんわ、迦陵頻伽様」

『ふふふ♡ その愛称好き~♡』

「迦陵頻伽。前世か前々世での仏典(ぶってん)に出てくる想像上の生き物。生まれてくる前の卵の殻からの声が既に妙音。頭部は美人、下半身は極彩色の鳥。ギリシャ神話のセイレーンに通じる歌の名手。ただしセイレーンの真反対で良き存在(もの)。音楽神的存在として個人的に捉えるもの(なり)

『ふふふ♡ 歌を愛する我にピッタリの呼び名♡』


 因みに(仮)迦陵頻伽と呼ぶ新たに顕れた存在は、頭も身体も鳥。極彩色の梟か木菟(みみずく)の精霊。もしくは音楽神。


「そもそも歌って予知とか何だとか、歌いながら戦闘力発揮するアニメじゃないんですから。歌って戦うとかも意味不明だし」

『歌いながら戦わない。歌舞は神々や精霊に対する供物になる。相性が良い♡ 我等は喜ぶ♡』

『そうよ♪』『一緒に歌う♪』『御子は歌う♪』


『まあ諦めろ。シメサツシの干渉が気になっておるのだろう?』


 守護精霊たる竜神の一言に、アリサから表情がストンと落ちる。無表情とはこんなに怖いのかという見本のようだ。


「そういう竜神様とて思うところがあるが故の顕現であられましょう。……竜神様、シメサツシの守護精霊様は──」

『黒竜だ。あいつは我より人間が好きな馬鹿者でな……我よりも幻獣に近い』

「霊位を落としてしまわれたのですね………。初めの一歩を許せば際限無く踏み込んで来るのが人間。シメサツシは甚だ著しい思い違いに至っているものと推察します。故に、あちらの精霊達は………」

『今回の王妃の黄金化は、言うなれば間が悪い、の一言よ。シメサツシ関連で精霊ばかりでなく、神々も機嫌が悪い。そこに位持つ女の当て擦りだ。しかも、我に通ずる泉の前での暴言。本当に間が悪い』

「その御機嫌を取る為の歌ですのね? わたくし、王妃様には義理も忠誠心もございませんのに」


『シメサツシ関連』『予言』『御子と御子の大切、守る』


「……承知イタシマシタわ、運命の女神様方」


 アリサが(文字通り)諦め吐息すると共に目を瞑ってそっと開く。アリサの頭上を舞う三つの光が高速回転して、光の輪のように見えるようになる。アリサがそっと目を開くと、既に瞳の色が変わっていた。神秘的な虹色に、刻々と色を変えて輝く瞳に。





〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉






 ちょっと意外だった。


 厳かな演目が披露されるのかと思いきや、なかなかにテンポが速く賑かな曲目だ。しかも、(仮)迦陵頻伽がノリノリで頭を振り翼を広げ尾も振る。(仮)迦陵頻伽の前に立つアリサがひっそりフェードアウトしようとする程だ。あっさり(仮)迦陵頻伽に引き戻されるのだが。

 現代地球の記憶を持つアリサの感想だが、後にシティー音楽と呼ばれる日本の楽曲、しかもかなりアップテンポの曲調に似ている。しかも間奏のギター調がかなり激しい。どうやら(仮)迦陵頻伽はアリサを通して得た現代日本の曲目に嵌まっているようだ。だがそこは音楽神。音の乱高下が激しい超絶技巧の音の羅列。しかも紡がれる言葉はおそらく精霊語。局長があり得ない真剣な真顔でメモ片手に食い付いているくらいだ。

 ただここで不思議なのは、アリサは何を元に歌っているのかだ。竜神の反応を見る限り、元々ある曲ではない。(仮)迦陵頻伽の即興だ。しかしアリサはしっかり付いて行き、且つ歌詞も即興だと後に判明する。


 だが、確実に意味が紡がれている。


 一曲歌い切ったかと思いきや、別の曲が始まる。アリサは戸惑いを見せつつも、また歌い出す。

 それが何度も何度も繰り返された。下手な歌手よりも確実に上手の圧倒的な歌声が朗々と響く。聴く者全てを魅了して離さない歌声。


 その歌声が、唐突に途切れた。


 アリサの目が閉じられ、血の涙が流されている。物理的に、医学的に問題ありまくりの赤い涙。


『ああん!』『もうちょっとだったのに!』『あと一曲歌い上げれば』


『『『御子の命を神界に連れて行けたのに』』』


 物騒な三女神の言葉に、それまで歌声に聞き惚れていた一堂は胆を冷やした。




 その騒ぎで気付くのが遅れたが、王妃にかけられた黄金化の呪いが解けていた。

 だが手首の上まで黄金化していた王太子の右手は、五本の爪だけ黄金化したままであった。









アリサの負傷が心配(;゜Д゜)

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