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この娘、時々爆弾也

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)

☆評価、ブックマーク、いいね 等もありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


今回、少し読み難いかもです(´-ω-)人



「アリシア嬢は甘い物が好きなの?」

「好きですが、甘過ぎる物はあまり好みではありません」

「ディアに似てるのね。もっと食べなさい」

「飽きました」

「ディアに似ず口が悪いのね」

「ディアとは母の事でしょうか?」

「そうよ。わたくしだけが呼べる愛称なの」

「王妃様は母の事がお嫌いなのですか?」

「大好きよ。親友なの。毎年会えるのを楽しみにしていたのに、もう何年も会えずにいるの。貴女のお父様のせいね」

「母は母の意思で領地に残っておりますの。きっと自分を“悪魔”と呼ぶ王妃様にお会いしたくないのですわ」

「どういう意味かしら? ディアとは親友だと言っているでしょう……!」

「ディアとは《ディアボロス》、悪魔を意味する言葉なのかと思いましたの」

「違うわ!」

「然用にございましたか。とんだ失礼を申し上げましたわ」

「………良いの。思った事を聞きたくて薬を盛ったのですもの」

「けれどもこのままでは不敬を働いてしまいますわ」

「今回に限り何を言われても不敬には問わないわ。──そんな事より、甘い物が好きなら土産に持たせるわ。ハリシアでは甘い物などそうそう食べられませんでしょう?」

「まあ、王妃様はお馬鹿さんでしたのね!」

「……何ですって!?」

「母上。ハリシアは今や砂糖の産地です」

「え!? そんな! 昔は……」

「情報が全く更新されていないなんて、王妃様業って間抜けでも勤まりますの?」

「仕事はできるのだアリシア嬢……」

「そうなのですの陛下? けれど砂糖はハリシアの稼ぎ頭の一画でしてよ。王妃様って能無しなのでは?」

「いくら何でも不敬ですわ!」

「貴女様が不敬には問わないと断言なさった為こうなっているのでしょう。──それはそうと娘よ。紡ぐ言葉は別の物にしなさい」

「え? 無能?」

「変わっとらんわ!」

「アリサよ、もう少し包め。遠回しな表現を心掛けなさい」

「包んで遠回し………はっ! きっと頭の中に酢カンポの花が咲いているのですわぁ。もしかしたら綿毛も飛んでいるのかも♪ フワフワフワワ~♡」

「確かに包んでる。確かに直接的ではない。だが……」

「酷くなっとるの。それも言うほどに酷くなっておる。──王よ、そのような顔でワシを見るでない」

「翁から何か言ってくださるのが一番かと」

「ウチの孫は全員天然じゃ。その中でもアリサが一番酷い」

「陛下、そして王妃。今回娘がここまで酷いのは、王妃の責が大きい」

「確かに妃が迂闊な発言をしたのは認める。しかしな──」

「お言葉を遮る無礼をお許しください。妃殿下が不敬に問わぬと発言なされたからの娘の暴走ではございません」

「急に敬語を思い出してくれるな。怖いぞ。で、他に何があると?」

「直接の着火剤は、ハリシアへの暴言でしょうな」

「あとは母様と父様への侮辱ですわね。──ああ父様、本当にこの珈琲はおやめになって。薬だけでも肝臓の負担になりますのに、すっかり酸化が進んでおりますの。酸化した珈琲は身体に悪うございますわ。それと──」

「まだあるのか?」

「出された菓子の類いも少量のみにて抑えてください。ここまで甘いと身体に影響が出ます」

「ほほほ。アリシア嬢は何でも身体に悪いのね」

「このように甘い物を日々繰り返し食していると病気になります。病気にならずとも確実に老化を進めますわ」

「ロウカ……廊下……老化!? 年をとるという意味の老化か?」

「然用ですわ。わたくしはまだ若い事と薬物に慣れている事とで影響は小さいと予想致しますけれど、基本的に危険であると判断すべきかと進言致します」

「そう言えば貴女は良く毒物を口にしているのだったわね、アリシア嬢」

「はい。ハリシアでの試薬をまず試すのはわたくしの役目であると自負しております」

「ふふ、それ何自慢なのかしら? 不幸自慢? それとも健気で有能だと? または貧乏の誇示かしら?」

「それは違うぞ妃よ」

「あなた……」

「アリシア嬢は薬品の開発で悪戯に人体実験は繰り返していないと言っているのがまず一つ」

「他にも理由がございますの?」

「暗に毒味役が勤まると言うているのだ。現に今回も薬が盛られた事実を言い当てた。菓子を次々食していたのも毒味であったのだろうて。──そうだな、アリシア嬢?」

「陛下の仰せの通りでございます。因みに菓子に薬物の混入は無いと思われます。されど先程も申し上げました通り、大量の糖分を一時に摂取するのは危険でございます。人を害するのに、毒を用いる必要はございませんから」

「うぬ………」

「娘よ、父は塩気のある物が食べたい」

「でしたら塩気があって甘くて脂肪分たっぷりのチーズケーキは如何(いかが)?」

「脂肪分か……」

「トト様のお土産に良いチーズがございましたの」

「先程から思うておったのだが、その“トト様”とは父上のことか?」

「然用ですわ」

「いつからそのように呼ぶようになったのだ?」

「前世か前々世からですわ──あら嫌だ。本当にこのお薬、効きますわ」

「ちょっと待て(孫)娘よ……!」×新旧アリシア伯爵


「いい加減にしてちょうだい!」


 突然王妃が切れた。


「大人しくわたくしに従えば良いものを! わたくしは劣悪なハリシアから貴女を助けようとしているのよ! それを変な物言いをして場を混乱させて! このままでは貴女はディアみたいに死んでしまうわ!」

「何言ってんの、このバーサン」

「娘よ、言葉、言葉。──妃殿下、妻は今のところピンピンしてますぞい」

「じゃあどうして王都に出て来ないの!」

領地(ハリシア)の方が過ごしやすいからでしょう」アリシア家三代

「そんな訳無いでしょう! ハリシアは壊滅的に劣悪だと聞いておりましてよ! 対して王都には何でも揃っておりますのよ……!」


「わたくし達、喧嘩を売られているのかしら?」

「待ちなさい娘よ」「落ち着くのだ孫よ」




「そうですわね。だって王妃様って、洗脳されているだけですものね」




 アリサ・テッド・アリシア。

 この娘、時々爆弾なり。









王妃様、ただのお馬鹿さんではなかったみたいですΣ(゜ロ゜;)


王妃様を見放さないでいてくださる方は、

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