無限パレッド遊び
僕たちは楽しい遊びを沢山見つけてきたけれど、
一番のお気に入りは“無限パレッド”遊び。
空の色を見て、僕たちの色がどんな風に混ざり合ってるのかを見つけ出す遊びなんだよ。
例えば、太陽だって色々な色をもっている。
夜明けや夕暮れの赤っぽい太陽はジーノ、
黄色っぽく見える太陽はサランだし、
白っぽく見える太陽は僕。
太陽と同じように、月にも色々な色があるよね。
雲にだって、モクモクの僕みたいな真っ白い雲だけじゃない。
太陽の色を真似っこしたあかね雲はジーノだし、
灰色や黒っぽい色をした雨雲は僕とルートの色だ。
空にはピキみたいな青空だけじゃなくて、
ジーノとサランが混ざった朝焼けや夕焼け、
僕とルートが混ざった雨空、
ピキとルートが混ざった紺色の空だってある。
ルートのような夜の空には、僕、サラン、ピキ、ジーノの
それぞれの色をした沢山の星がある。
空はいつだって違う色をしてるけど、みんなが自然と繋がっていられる、
そんな素敵な場所なんだ。
そんな空を見上げて、
ピキが「お空はみんなの色を乗せたパレッドみたい。
その景色は無限に変わっていくんだね。」
って言うから、僕たちは空のことを“無限パレッド”って呼ぶことにしたんだ。
それからは、みんなでしょっちゅう無限パレッドを見上げるようになったし、
どんな風に変わっていくのか楽しみになった。
中でも僕らが一番好きだったのは、夕暮れの無限パレッドだ。
太陽が沈んでいく空は、ジーノとサランが、
真上の空にはグラデーションがかったピキがいて、
太陽と反対側の紺色っぽくなってきた空にはルートが顔を出していた。
そして僕は雲となり、星となり、月となった。
僕らは、時に誰かとけんかしたり、
サランの笑顔にきゅっと身を縮こませる事もあったけど、
無限パレッド遊びをすると、自然とみんな笑顔になった。
みんなが大好きな遊びなんだよ。