席替え
さて、美空の席はどうなるかな…?
時は流れて5月。私の通う学校ではクラスマッチがある月だ。
ところで、5月ということは新年度が始まり1ヶ月経ったということである。
そう。席替えがあるのだ。
私はなんとしてでも1番前を回避したかった。普段、席替えはくじ引きで決めるのだが、くじ運が終わっている私は絶対にそれだけは避けたかったため、「くじ引きじゃなくてあみだくじにしない?その方がいいよね?ね?」と半ば無理矢理あみだくじにした。
しかし、あみだくじを作り終わって全員選んだ後に涼菜の「…あまりに必死だから言いづらかったんだけどさ、あみだくじもくじじゃね?」との言葉に頭が真っ白になった。そういやそうだった……。
しかしここで止める訳にはいかない。あとは全員の選んだ結果を開示するだけである。やけくそになりながらそれぞれの選んだものを辿って行く。
あまりに悲惨な表情をしていたのか、華蓮は「も、もしかしたら今年は1番前じゃないかもしれないわよ?大丈夫よきっと……。」と苦笑いしつつも励ましてくれた。しかしその時の私の精神はもうだめで「もう、どうだっていいんだ。どうせそういう運命なんだよ……。私は神様に嫌われてるんだよ……。」などと訳の分からないことをほざいていた。そもそもこれは神様とか一切関係ない話である。ただの自分の不注意である。
さて、席替えの結果としては、案の定私は1番前、しかも真ん中で教卓の真ん前であった。もう何も言うまいという心持ちである…。いや真面目に私呪われてる…?
そして不運は続く。関わりたくないと思っていた高貫君は私の右隣、そして後ろはまさかの大原君…。気まずいことこの上ない…。いやガチめに呪われてない?さすがにここまで来ると怖いんだけど…?
ちなみに広香は1番廊下側の後ろから2番目で岸田君はその左、広香の2つ前が渡部君、1番左の窓際の前から三番目の席が涼菜、1番後ろの左から2番目の席が華蓮の席である。見事に離れた…。
とは言え、2年から文理で授業が分かれるためこの席替えにそこまでの意味は無い。ちなみこの8人では私と高貫君、大原君、涼菜が理系である。ちなみに全員物理選択である。
やっぱりなって顔しながら笑うのをこらえている女子3名と去年同じクラスだった人達に恨みを込めた睨みを向けながら、朝一であった席替えが終わったあと一日中「もういい…次の席替えに全力を尽くそう…。そう、今回は負けてやったのだよ…。」とか訳の分からない(そもそも席替えに全力を尽くすとは?)ことを考えて必死に次の席替えで1番前を回避する策を講じていたのであった…。
ちなみに「今年から文理で授業分かれるし席替えしてもそんなに意味無いからいらなくない?」という先生と生徒達の声により、現在の席で固定にする事が最終的に多数決で決まってしまい私が発狂する事態になったのはこの1ヶ月半後の話である。
尚、その多数決に女子3人と去年2組だった人達の(席替えしない方への)協力(どちらでも良い派の買収)があったことは言うまでもない事だろう…。
見事にフラグ回収おめでとう美空。
ちなみに7組の人数は36人、席は下記の通り。
〇 〇 〇 美 高 〇
〇 〇 〇 大 〇 〇 廊
涼 〇 〇 〇 〇 渡 下
〇 〇 〇 〇 〇 〇
〇 〇 〇 〇 岸 広
〇 華 〇 〇 〇 〇
女子の名前は下の名前の頭文字、男子の名前は苗字の頭文字となっています。