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ティーンエイジャー  作者: うぐいす
5/8

今更の話

会話文は難しい。


御手洗から出てくると入口の前に大原君がいた。


えっ、と思ったが私たちの席は御手洗から1番遠い席で、そもそも御手洗は客席から見えないようになっているため涼菜達の様子は見えない。


「あの、藤田さん。中学の時のこと、ずっと謝りたくて…。本当にごめん!」


そう言って勢いよく頭を下げた大原くん。そう、私と大原くんは同じ中学だったのだ…。正直高校より前の知り合いと話すのは色々と気まずいというか気が進まないというか……。


そうも言ってられないのでとりあえず顔を上げるように言う。


「え!?ちょ、一旦顔上げて!!なんで大原君が謝るの!今更の話だし、そもそも大原君は何もしてないよ?」


「いや、何もしなかったからと言うか…。俺は藤田さんが努力してたこともあいつらが言ってることも言いがかりでしかないって知ってたのに。何もしなかった…。」


「もしかしてずっと気にしてたの?しょうがないよ。巻き込まれたくないと思うのが当然だし、あのことのおかげで今があるわけだし。気にしないで。」


「…やっぱりあのことが原因でこの高校なんかに進むことになったんだね…。」


こ、この高校なんかって……。言い方……。


「ま、まぁ…直接的な原因ではないから全然気にしないで良いんだけど。私今の高校に通うの楽しいし!」


「でも!藤田さんはこんな普通の高校なんかに居ていい人じゃない!誰かが……いや、知っていた俺があの時行動すれば変わっていたかもしれない……。」


私は自分が思ってた以上に大原君が私の中学時代の件で罪悪感を持ち、思い詰めていたことに驚いた。

そもそもの話、大原君は中学時代の件に完全なる無関係の人とは言い難いが、ほとんど関与していない。なのにどうしてここまで……?


「いや、本当に気にしないで!もうその事は忘れていいんだよ?終わったことだし、私は今の高校にも生活にも満足してるし!だからもうこの話はこれで終わり!やめよう!」


そう私が言うも大原君は何か言いたげな顔をしていた。私は正直これ以上この話をする事に意味を感じられなかったため、「デザートもう来てるんじゃない!?早く戻らなきゃ!」と言い、無理矢理話を終わらせたような形ではあるが大原君の何か言いたげな顔を見なかったことにして席に戻った。


「美空やっと来た!デザート来ちゃってるよ!」


「あ、本当だ美味しそう!!」


しばらくして大原君は戻ってきた。相変わらず少しこちらを気にするような素振りをしていたが、見えない振りをしてデザートを楽しみ、男子4人とはカフェの前で別れた。


大原君からの謝罪は私にとっては終わった話でありどうして今更こんな話をというのが正直な所だった。しかし大原君のどこか思い詰めたような態度は私にちょっとした違和感を残したのだった……。












この時、もっと気にしていれば、行動していれば、あんなことは起きなかったのかもしれない。

全てが終わってしばらく時が経った今でもたまにそんなことを考えてしまう。



少しずつこれから物語の本題に入っていきます。美空の過去をかなりぼかして書いていますがそのうちちゃんと詳細は分かります。むしろなんで2人がここではっきりと言えなかったのかも……。不穏な感じを出しましたがかなり見切り発車です。頑張ります。

アドバイス、感想などお待ちしております。

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