エルフェという種族
「これは…」
酷くガッカリした口調でヒトラーは目の前の生き物を蔑んだ目で見る
「これはエルフェ《エルフ》か?私の知るエルフェとは随分と違う気がする。」
「気がする。」というのは見た目はエルフであるが、ヒトラーはエルフには尊厳を思わせる風貌があるものだと思っていたが、目の前の生物を尊厳があるとは思えなかった
確かにエルフの特徴とも言える尖った耳、美術品と見間違えてしまうほど美しい金色の髪の毛。
「これがエルフェでございます。」
エルヴィン・ロンメルはエルフの元気の無い様子に悲しい表情をする
ただ下を向く感情のない人形を檻に入れているのと同じような違和感があった。本来そこにあるべきではない姿を見せる彼女に対して
「我々もエルフェの生態を知らない為に元気がなくなってしまっているようで…」
エルヴィン・ロンメルは口ではそういうが実際は分かっている
エルフの生態は分からずとも、分かっている
エルフの住む環境は檻の中ではないということくらい誰でも分かる事だが、それに目を向けると罪悪感に苛まれるからだ
「仕方ない、私が調べてやろう。この檻の鍵を開けろ。」
ヒトラーは無謀にも鍵を開けさせる
「本気ですか!?」
エルヴィンは驚き止めようとするがヒトラーを止めるには至らなかった
「おい。エルフェのお前はこんな所にいたいのか? いたくないのなら私の手を取れ。」
ヒトラーはそう言って手を差し出す
これは現状からの救済でもあるが、ヒトラーの配下に加わる契約とも取れる
「…ぅ……ぁ………」
か細い声が聞こえ、エルフは手を取る
エルフはパッチリと目を開け、目の前の陽に目を向ける
(エルフェの声とはこういうものなのか?)
「これが…あなた達の言葉…は……これで…いいの…かし…ら?」
拙いながらもドイツ語を話し始めるエルフに周辺の兵士は驚く
「エルフェがドイツ語を…!?」
このエルフがどういうキャーラかっていうと重要なキャラです(?)