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3-02 悲鳴

幼い少年と女子の二人組が森の中を歩いている。

見ているものは木ばかりで

遭遇する生物は野犬やイノシシといった、

野生の獣がほとんどだった。

「ねえ、これどこに向かってるの?」

「分からぬ」

「分からぬじゃないでしょ」

魔王を自称する少年ノラと半身を魔物に変えて生き延びた女騎士レイは

レイの体を元に戻す旅をしているのだが、

行く先々でトラブルを起こし、現在逃亡中の身であった。

「また野宿? きつくはないけど、

ちゃんと屋根と壁のあるところで寝たいんだけど」

「すまん。我にはどうしようもできぬ」

前に屋内で寝てから一カ月は経っていただろうか。

それから木の根の間に体を入れたり、枯葉を布団代わりにしたりして

形だけでも寝床に近づけていた。

しかし、耳元で枯葉のこすれる音や虫の気配が気になって、

快眠とはいかなかった。

「せめて人に会えれば良いのだが。

いや、逆にこちらから助けを求めれば誰か気づいてくれるか?」

「バカ! それで冒険者とかが来たらどうすんの!

私たち追われてんのよ!」

遭っていた生物がほとんど獣と言ったように

稀に人に会えてはいた。

しかし、彼らの話ではすでに自分たち(レイとその連れ子)の

手配書が出回っていると聞いた。

賞金稼ぎを目的とした彼ら、傭兵や冒険者とは

毎度、苦戦を強いられてきた。

「だが、人に会わないことには人が住める場所へは行けんだろう」

「そこはなんとかしてさ」

「うぅむ。難しいな。こんな森を通っていて、

かつ冒険者のような我らを捕まえたがる職業ではない人間か。

それは例えばどういう人間なのだ?」

「例えば? 例えば、何かに襲われて助けを呼んでいる弱そうな人、かな」

「なるほど。で、それはどうすれば見つかるのだ?」

「それは……」

と、考えているうちにそれは来た。

「うわあ! 誰か! 助けてくれ!」

鬼気迫る声が二人の耳に届いた。

「こういうの」

「言ってる場合ではない。すぐに行こう!」

二人は声のした方へ真っすぐ走った。


背負っていたかごを壊し散らばった道具や食べ物には目もくれず

獣たちは腹が出っ張った男を取り囲んでいる。

「来るな、来るなぁ」

拾った棒切れを振り回しても獣たちは怯まず、

じわじわと追い詰める。

あと一息で目を回す男の視界から

外れた瞬間を狙い、獣の一匹が男を襲う。

「うわぁ!」

痛みを恐れた男は武器の棒切れで応戦することも忘れて

両腕で体をかばう。

だが、牙や爪が男に触れることはなかった。

「はああっ!」

間に割って入ったレイが受けとめ、

動きの止まったところへ獣の腹に剣を突き刺した。

悲鳴をあげて足をじたばたさせた獣は

やがてしずまって動かなくなった。

(1匹倒したけど、あと7匹多いわね)

仲間を殺された獣たちは唸りをあげて標的を

男からレイへ移した。

「ちょうどいいわ。

わざわざかばわなくて済むんだから!」

レイは剣を片手に獣たちに応戦した。

読んでいただきありがとうございました。


なんとか期日には間に合いましたが、

かなりギリギリでした。

予定通りに出すため、毎日1行は書き進める所存です。


次話の投稿予定日は

2/10(木)です。


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