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2-22 激突

満場一致でノラへの暴行を許す町で

意見を挙げた男に注目が集まる。

「お巡りがなんで邪魔すんだよ」

「いやいや。目の前で大人が子どもに

石を投げようとしてたら止めるでしょ?

お巡りじゃなくても。というかさぁ……」

抑えてた手をゆっくり放し、

首を回して周りの人に問いかける。

「え? なに?

あんな子どもが火事まで起こして何を話すか

聞いてたらお前ら全然否定しないじゃん。

そこの虚ろな目をした連中は何?

本当に奴隷なの?

お前ら揃いも揃って極悪人なわけ?」

一度睨みつけただけで気の弱い連中は

腰が引けてダイアンから離れていく。

ただし、代わりに武器をかまえた軍団が前に出た。

「あ~はいはい。そうなんだ。

は〜ん。ほ〜ん。へ〜え」

あからさまな口封じの構えにダイアンは不機嫌になり、

それが町の人間たちをさらに怒らせた。

「何なんだよ、お前は。

どこの回し者だ。誰から指図を受けた。

今月分の金は払っただろうぶっ!?」

不用意な発言にダイアンの頭が沸騰した。

一瞬で発言した男との間合いを詰め、

胸ぐらを掴んでぶら下げる

怒りのピークを越したらしく

乾いた笑い声まで出し始めていた。

「あっはは。あれ?

今スゴいこと聞いちゃった?

もしかして軍に賄賂渡してんの?

なにそれ、すっごく笑える。

後で詳しく聞きたいから

ちょっと寝てろ!」

体幹を軸に一回転して男を投げ飛ばし、

敵陣を崩す。

「お前ら全員ソイツのお友だち?

だったら覚悟しとけよ。

死んだ方がマシって思うくらい

ボコボコにしてやるからな!」

ダイアンの掛け声に仲間らしき男たちが

武器を取って鎮圧を開始する。

それに対抗して数を武器に町のならず者たちも

暴れて町中が大混乱になった。

突如、正体を現した軍とならず者たちの

戦いが勃発。

内部から建物を破壊したレイは

この混乱に乗じて瓦礫の中から這い出て

ノラのそばまで近づいた。

「お疲れさまだ。どうだ? 完璧ではないか?」

「そうかな?」

黒幕を打倒、奴隷を自分が解放し、

感謝されながら去っていく。という展開が

本当のゴールと思うのは自分だけではないと思う。

しかし、ノラは違った。

分からなければ分からないままでいい。

戦って勝てないなら他人に戦わせれば良い。

計画的なようで全く考えられていない作戦は

ひとえにダイアンたち第三勢力の良心に依存していた。

「でもよく分かったわね。あの人たちが

軍の人だったなんて」

奴隷を解放する作戦はレイも賛成だった。

人道的な理由もあるが、奴隷という物的証拠がある以上、

自分たちの悪事はまだましだという言い訳ができる。

希望通りになったが、ダイアンVSならず者となり、

自分たちは蚊帳の外へ避難している図式を狙っていた。

「そこまで特定してはいない。

あのダイアンという男の靴を見てそう思っただけだ」

「靴?」

言われてレイは見ようとしたが

乱闘に埋もれて見られるはずがなかった。

「町に合わせて服装はずさんだが

靴だけはキレイだった。

付いていただろう傷や汚れが目立たぬよう

丁寧に磨いてな。

あれは日常的に身なりを整えようとする

几帳面な人間の習性で。

だいたいそういう輩は正義感が強い。

魔王()としては関わりたくない人種ゆえ、

見かければ逃げることにしているのだが、

今回はいい結果につながったようだ」

ただ暴れるだけの不良を相手に

正式な軍事訓練を受けていたダイアンが

ほぼ一方的に善戦している。

「待てって。なぁ、見逃してくれよ。

俺たちに協力すりゃ

優先的に女を回してやるゴッ!?」

「どうせ無理矢理捕まえた女なんだろうが!」

「じゃあ金だ。軍なんて安月給だろ?

良い収入源になれるぜ、俺たち。へぶっ」

「人を売った汚え金なんかびた一文にもならんわ!

何が人身売買だ。ふざけんじゃねえ。

テメエらみたいな人間のクズが

息をしてるってだけで虫唾が走るんだ俺は!!!」

ダイアンの強さに怯え、

懐柔を試みた連中が葉っぱ同然に

問答無用で吹き飛ばされる。

「全く聞く耳持たないわね」

「抱きこまれているとお前たちは言うが、

誰もが悪に屈してくれるほど

世の中は甘くないということだ」

目算でならず者側の残存勢力が150人とすると

ダイアン側は30人程度しかいないが

連携の密度や各人の戦力差が大きくて

逆転するまで時間はかからないと見た。

「さて、いい具合に場が温まったところで、

そろそろおいとましよう」

「賛成」

「そうは行くかよ」

素知らぬ顔で去ろうとする二人を

ならず者の余りが道を塞ぐ。

「逃がすと思ってんのか!」

「あれ? なんか余ってるんだけど。

ここからはどうすんの?」

「……すまん。想定外だ」

全員目を血走らせていて

捕獲なんて生温いことは考えていない。

絶対に殺すと、目が語っている。

「ははは。どうしよう」

「全く」

危機的状況だがレイは逆に安心していた。

この程度の作戦で何もかも上手くいっていれば、

それこそ敵の罠かもと疑っていた。

「強行突破しかないでしょ」

新調した武器を手に立ち向かった。

読んでいただきありがとうございました。


捜索パートが終わりました。

現実でも小説内でも時間との勝負になり、

淡白ではありますが戦闘はかなり短いです。

早さを第一に、勢いのまま三章の序盤まで書きたい所存です。


次話の投稿予定日は

1/22(土)

です。

しかし、予定が詰まっていて

実質書けるのは21日までです。

文の質も上げたいですが、

なにより速さが足りない自分を変える所存です。


この小説に好感持っていただけましたら

ブックマーク登録及び評価を

どうぞよろしくお願いします。


以上です。

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