表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/64

1-21 随伴

箱に嵌まって動けない兵士の両手足を縛って

さらに拘束を強くし、

助けを呼ばれないよう縄を噛ませる。

「終わった?」

外壁下の草かげからノラが

ひょっこり顔を出して聞いてきた。

兵士を詰めた箱ごとさっきまで

ノラが隠れていた草かげに動かし、

引きずった跡は砂をかけて隠した。

「色々あったが何はともあれ

屋敷から脱出出来たな。

それで、これからどうする?」

「どうするってどういう意味?」

これからのことを自分に聞いてくるノラに

嫌なものを感じる。

「もしかしてまだついてくる気?」

「うむ。お主のことが気に入った。

もう少し見ていたいのでついていくつもりだ」

「えぇ……」

自分のことで手一杯なのに問題しか起こしてこない子供の面倒まで

見させられそうでげんなりとする。

当の本人はそんな気持ちもわからず能天気に

「役に立つぞ?」と目をキラキラさせていた。

「……ここから谷を一つ越えた先の村までは連れてってあげる」

「え? もう少し見たい――」

「そこまでね!」

強い口調で話を打ち切り、

置いていくように歩き出す。

そのあとを口惜しそうな顔をしたノラがかけていく。

こうして、二人は町を捨て兵士から逃げることになったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ