additional real
…こんな怠惰な日々を過ごすようになったのは、何があってのことだろうか。
答えは明確化している。…しているはずなんだ。
僕は、最新のスマホを取り出し、検索機能のアプリを開いた。
「花言葉 マリーゴールド」
僕は、怠惰な日々を送る中で、唯一楽しみにしていたことがあった。それが「花言葉」である。
僕は、花でも、バラのように色が違うだけで、想像以上の意味の違いをなすというところに好かれていった。
その中でも、僕は今にも大切に部屋に飾っている花がある。
この花の美しさに見惚れているのもあるけど、君が、笑顔でこの花について話している時が忘れることが出来ない。
でも、君は、その時言ってたよね?好きな花は、花言葉まで当然調べるって。…君が僕にのこしていってものは、なんだったの?
そんな人の心理などわからずに、機械が検索結果を朗読する。
「花名のマリーゴールドは、「聖母マリアの黄金の花」という意味。これは年に何度もある聖母マリアの祭日にいつもマリーゴールドが咲いていたことに由来します。
マリーゴールド全般の花言葉は、 「嫉妬」「絶望」「悲しみ」」
…こんな複雑の花が、今にも僕の部屋を彩っている。
僕は、自分でもいうのもあれだが、勉強は出来ていた方だった。
志望校のランクを自分で下げていたのも理由の一つに挙げられるが、受験戦争という意味の分からない人生のランク付けの予備戦のために時間という財産を支払うほど、僕は馬鹿ではなかった。
「この後、一緒に食堂行こうぜー」
何気ない声で、僕に話してくれる。彼の名は、仁部。
僕は、学年一の読書好きで、人と極力コミュニケーションをとる人種ではないのだが、仁部は、まぁまぁの読書家で共通の趣味から会話するようになった。(まぁ、小学からの長い付き合いなのだが)
ちなみに、仁部は、運動 勉強 容姿が全て揃ったいわば、「勝ち組」のグループだった。
睡魔という神様が、僕に宿ったのではないかというくらい、眠たかった午前中の授業を終え、僕は、仁部と食堂に向かった。
「世界史Aなんかやる必要あるわけ?」
勝ち組の彼が、そのようなことを言い出すのは珍しいことだ。実際、ここ最近の世界史Aの時間は、彼はずっと数学の課題の消化をしていた。
無駄なことを極力嫌うということは、仁部と僕の共通点だと思う。
そのような会話をしているのち、彼は、僕に新しいアプリの紹介をしてくれた。
「知ってるか?今、俺たち若者に流行りのアプリ?知らないよな?」
…コミュニケーションすらままならないやつが、巷のアプリなんか知っているはずねぇだろ。と心の中で一人突っ込んでいた。
「その名も、real!」
「real?あー世界中で1000万人ダウンロードしてるやつ?でも、そのアプリやばそう。」
「いやいや。real の正式名称はreconsider equal artificial intelligent。人工知能が考えることは、現代社会当たり前だけど、このアプリのすごいところは、ユーザーの問いかけをせずとも、ユーザーの気持ちを考慮した解答を作成するところなんだ。ただ、これが本当に一番のいい…」
「そのアプリのどこがいいのさ。まず、インターネット検索できるのか。無料なのか。容量食わないのか。この三つの大黒柱に適しているの?」
僕は、アプリというものを、極力信用していない。ゲームなんて僕からしたらもってのほかだった。利用規約なんてものをつらつらとユーザーに読ませているが、あんなものを一字一句正確に読んでいる奴なんてごく一部に限られてくる。だから、僕のスマホには、電話 検索機能 lineぐらいの追加のアプリしかいれていない。
「ちょっと、話の腰折らないでよ。君って興味が出て来ると、あえて批判に走ろうとするねぇ…君に紹介するということは、それぐらい踏んでいるさ。何しろ、僕も使ってみるまでは陳腐なアプリだなぁ…。って君と同じ感想を抱いていた。」
…こいつは、占い師か何かなのか? 僕はアプリを極力信頼していない事 興味が出ると焦り口調になる事なんか誰にも話していないはずなのに… そんなことよりも、確かに、僕は、そのアプリに興味を持っていた。
「このアプリの本当にすごいところは…現実世界の人のデータが見れることだ。」
は? ちょっと待て… …第x回緊急主脳会議の始まりだった。理解ができない。そんなものプライバシーの侵害で一言でけりをつけることが…
「どうせ、お前のことだから、プライバシーの侵害とか優等生の模範解答を言うんだろ?」
「そりゃ、そうだろ。だって、知らない人がその情報知ったら…。この現代、急速的にインターネットが発達しているグローバル社会だぜ?」
「そこは、当然対策はしてある。その人の情報を知るためには、相手の小学~現時点までの職歴や、学歴 電話番号 住所をアプリに入れないといけない。これにごくわずかなずれが生じるとエラーが出る。非常に面倒な作業だが、それで、相手の情報が得られるんだ。おつりが出るよ。」
「また、その情報は、だれが見ても納得する事実しか書いていない。いじめっ子だとか、自殺願望者だったとか周りから見て冷笑される事実は一切かかれないということは約束されている。」
仁部は続ける。
「また、このアプリをインストールすると、秘密のパスワードの入力権利が得られる。」
「秘密のパスワードって?」
「ツイッターでいう鍵垢みたいなもんだよ。アプリをダウンロードすると、まず秘密のパスワードの設定を強要するんだ。
まぁ、その理由はわかると思うが、今まで言った個人情報+秘密のパスワードを入力できる人は、当然信頼できる人に限られてくるからだ。
後、このアプリに対しては当然の暗黙の了解だが、機械だから全てが正しいとは限らないからな。 また、自分のデータに対しての文句は禁句。
ただし、悪口などの名誉棄損の場合は、例外だけど。」
「このアプリの仕組みは、わかったけどさ…。このアプリは、どんなからくりで儲けてんのさ?」
「簡単に言うと、企業からの広告費だよ。もしくは、自分のプログラムの技術の提供の代わりに、お金を巻き上げるんだよ。
企業からしたら、realの再思考能力は、医療とか教育とかに使えるんじゃないか。って話しでもちきりらしい。ただ、realのその技術は、既に、特許申請が完了していて、その技術を得るためには、リアルの会社に金を貢ぐしかないんだとさ。」
…realを作った会社のシステムは確かによくできている。単純に考えて、身近な人のデータの宝庫が無料で使えるって考えたら、そりゃ、飛びつく一般人も多いだろう。
他にも、仮想通貨のような「チップ」というものの説明を受けたが、僕からしたら、そんなものはどうでもよかった。
秘密のパスワードを設定して、自己保身の安心感に浸りたいというのも脳裏にはあったが、仁部の話を聞いてて、僕は、そのアプリをダウンロードしてどうしても確かめたい事項があった。
「これ、何年前のデータまで復元できるのだろうか。」
仁部の話に「どこまでの情報をかき集めて、リアルに再思考させるのか」というのは一切述べられていなかった。僕は、そのことで頭がいっぱいになって、現代文の発表でトンチンカンな答えを出してしまい、クラス中に笑いものになってしまった。
そんなことより、僕はこの答えの分からない命題の真偽の判定に苦しんでいた。
その命題は、どこからとっついたらいいのかわからないぐらい、難しい命題とかしたまま、一日の終わりを告げるチャイムはなった。
「…まーた、考え事してたでしょ。」
「理不尽な押し付けは、やめてくれ。 僕は、お前の空言に付き合っているほど心が広い人間じゃない。」
彼女の名前は、空日。はっきり言うと、…同級生の中の一番の恩人。好きとかではなく恩人。彼女について言及できることはそれぐらいだ。
「君の顔に、私は考え事してますよーって書いてるんだもん。」
相変わらず、こういうところの勘の鋭さはなんなんだよ。マジで、最近こいつは、一週間中にできるカップルを予言で当てたり、有名人がいつなくなるのかを完璧に当てるあたり読めない。
「もしかして、その悩みの正体はrealのことについてかなぁ?当たりかなぁ?今日も空日の予言は当たりかなぁ?」
「…さては、お前、今日の食堂の話盗み聞きしてただろ。」
「んな馬鹿な。お前の話なんか興味ないよーだ バーカ。というかまた予言当たった!ほんとに教祖になれるんじゃない!?」
「そんな不安なことは頼むからやめてくれ。」
…いや、慣れるなら、ほんとに教祖になってほしいわ。お前がクラスの委員長になってどれだけ荒れたか、自分が自負してたはずだろ。…あんな過去なんかお前からしたら…空想でしかなかったのか?
「で、realの何について気になっているの?」
「いや、これって何年前のデータまで復元できるんかなぁ…と。そんな些細な事だよ。」
「あんな難しい顔して考えてそんなことなのぉ?」
数学がとことん出来ないやつに、僕の気持ちはわからないだろうな。
正直、この命題の証明は、友達と晩飯をかけて、勝負している並に大切だ。
「そんなこと、インターネットで調べたら出て来るでしょ…」
いや、まぁそうなんですけどぉ…。その通りですけどぉ…。
今の時代、調べたいワードを検索にぶち込んだらしまいですけど…。そんな顔で言われても…。
「でもね、私あのアプリ危険な香りがするの。」
…ただ、こいつはこのようなたまに意味深な発言を僕に吹っ掛ける。今回でいうと、まるで、このアプリの闇の部分を知っているかのような口調だ。
「アプリが闇を抱えていることなんか今に始まったことじゃねぇだろーよ。それに、これ世界で1000万人の人が使っているらしいな。
そんなアプリが大きな闇を抱いていたら、その会社は、必然的に潰される。だから、セキュリティは厳重なはずじゃ…」
「そこの部分が問題なのよ。」
…ん?今日二回目の脳内会議か?セキュリティは厳重だと主張したはずだが?
「まぁ、忠告はしといてあげる。それでも使うなら…自己責任よ。」
「ちょっと、おま…」
僕の呼びかけにも応じず、空日は、教室を去っていった。
こんな感じは、過去にもあった。 しかも、こんな口調で言った時には、大体が恐ろしいことになっている。
だから、こういう空日の忠告は聞くようにしているのだが…。今日の空日は何かがおかしかった。ただ何がおかしいのか僕にはわからなかった。
とりあえず、僕は、家に帰って「real」をダウンロードしてみた。
仁部の言う通り、やらないといけない秘密のパスワードを入力し、realはどのようなものなのかを自分で探ってみることにした。
そこからだった。僕は、まったく想像する羽目もなかった。
僕をはじめとする身内の歯車が徐々に歪んでいくことに。
空日の忠告とは裏腹に、realは、僕からしたら快適なツールになっていた。
最初は、空日の言う通り、闇の部分を抱えていそうな香りはしていたが、使ってみると単なる普通のアプリだった。それどころか、ベストアプリトップ3に入るかもしれない。(もとからのアプリの量が少ないということに突っ込んではならない。)
再思考してくれる点がとにかくありがたい。自分が宿題の分からない問題について公式の復習をrealを用いて調べていても、realは、自動的に類題を出してくれる。
その類題が、定期テストや模試に出たりして、気が付けば、僕とは、クラスの五本の指に入るほどの頭脳を持っているようになった。
ただ、realの本当の重要なメリットになる現実世界の人のデータが見れるということは、いまだ暗い闇に包まれているままだった。
あれからというもの、realについて調べてみたが、何年前のデータまで復元できるのかという情報がインターネットには一切載っていなかった。
その時点で、空日の忠告は、少し的を得ていたのかもしれないが、まだ、realがアプリ市場に出た時期が、早いということを考慮してそこまで気にしなかった。
それから、僕は、いろいろな身内のデータを調べたのだが、仁部の言う通り、あれから様々な身内の情報を見ても、名誉棄損に当たるようなことは書いてなかったし、自分のことも、友達関係なら見せてもいいようなものだった。
中には、すごい的を得ている意見もrealの中には書かれていて、気が付けば、realは、僕の手元に必ずある必需品へとかしていた。
…今となってわかることだが、僕は、ここで空日の忠告を脳裏に焼き付けておくべきだったと思っている。
人々が、realの恐ろしさは、real最大の長所とされていた再思考能力であり、その再思考能力により、realは、私たちを、realの運営さえも予想できない結末を迎える。
最近の新聞には、今の若者に訴えて来る記事がたくさんある。
「ネットいじめ」「スマホ依存症」このようなキーワードは、昔には、絶対なかったと断言できる。
また、売春のニュースも見るようになった。
そのようなニュースを見ながら、いつも通りrealを起動する。そんな日々を過ごしている中、僕は、唐突ながら、マリーゴールドがどのような地域で育つのか気になった。
そんなどうでもいいことが、僕が悪魔の審判へと誘う(いざなう)キーとなってしまった。
Realは、再思考能力からマリーゴールドから逆引き検索をして、あるデータを引っ張ってきた。
そう、残虐な別れを強いられた…マリーゴールドの花言葉を僕に教えてくれた彼女…睡蓮である。
Realは、僕に「このデータを記録しますか?」と僕に問いかけてきた。
その言葉が流れてきたとき、既に、僕の手は震えていた。
睡蓮のデータという文字を見た瞬間に、あの日起こったこと全てを思い出してしまう気がしてならなかった。
ただ、今までのデータなら、睡蓮の性格のことしか書いていないだろうと軽い推測をしてしまった。
僕は、震える手を抑えながらrealにデータを書きとらせることになった。
そして、心の準備ができた日曜日の昼にrealに書き取らせたデータを読ませることにした。
Realは、冷徹な声で僕を嘲笑うかのようにrealは、文章を読み上げていった。
「児玉 睡蓮 両親がフラワーアレンジメントをしていて、その影響で花言葉を知る。その中でも、華やかなイメージとは裏腹に悲しみという深い意味を持つマリーゴールドに興味を持つ。
しかし、14歳の時、ある男子の同級生と外出に出かけているさい、誘拐犯に襲撃に会う。
誘拐犯は、身代金を政府に要求したが、要求に応じないことにいら立った誘拐犯は、男子を刃物で刺そうとしたが…」
やめろ…やめてくれ…そんな悲痛な思いはrealには届かない。Realは現実だけを僕に言い続ける。
「睡蓮は、男子をかばい、そのまま出血性ショックで死亡が確認された。」
…事のすべてが明かされたわけではないが、それでも僕への深刻なダメージは、時間間隔という歯車を狂わすことは容易かった。
何故、realがそんな事情を知っているのか。そんなところに頭が回るほど、僕は余裕がなかった。
気が付くと、月曜日の朝だった。両親は、夜遅くまで仕事で、ご飯の件は、好きなように言いくるめが出来たのだが…
「母さん、今日学校休む」
「あんた、急にどうしたの?」
「いや、39度の熱出たから。3日あれば治る。」
…治るはずがない。僕は、この症状に苦しむのは初めてでない。たとえ、3日で治ったとしても…僕は、睡蓮の幻覚に苦しめられる。
僕は、まったく記憶にないのだが、授業中に突然廊下を走りだしたり、誰かに急に喧嘩を売ってしまうらしい。
その状況を唯一知っているのが…空日だった。
彼女は、消極的+破天荒という混ぜるな危険な人物に恐れず、委員長というポジションだからか、僕に話しかけてきた。
むろん、僕は、彼女にかなり反発していた。理不尽なゴミ野郎にも関わらず、彼女は、笑顔で対処してくれた。
彼女のおかげで、今の僕がいる。だから、彼女は恩人なのだ。
家で療養し始めて2日の夜、突然事が急転換した。
ある人物からラインが来た。
「俺のプレゼントは気に入ったか?こういうことだよ。Realを知らないrealに死人のことを聞くということを恐れない貴様の負けだ。
まず、貴様が仁部にrealのことを話してインストールした時点で、貴様のゲームは、勝ち目のないものになっていたのだよ。
からくりを教えといてやる。単刀直入にいうと俺と仁部は、全てのrealに逆引き検索機能と怒りの感情をインプットした。
Realは、再思考する機械だ。ただし、再思考することに専念させるため、感情はインプットしていなかった。感情のないrealが人の「リアル」を伝えるに怒りを加えるとどんな機械になると思う?貴様なら安易に想像つくよな?
とにかく、おめでとう 貴様の人生はゲームオーバーだ。
あと何人の人々が君と同じような道を歩むか楽しみだ。 燕 虎狼」
燕…やはり…か。おそらく、この口調だと、あの誘拐事件も燕と仁部が、密接に関係していたのか…。
燕は、…誘拐犯だ。睡蓮を殺した誘拐犯。Realの運営はアップロードを行う際、事細かにアップグレードする内容を教えてくれる。
何も予告しないでの急な逆引き検索の登場。先週、仁部は、realに逆引き検索あったら、もっと便利じゃね?と言っていた。
僕は、その時点から、燕と仁部に踊らされた…のか。
僕は、自分のゲームオーバーを認めるかのようにはさみで首を切ろうとした。
「諦めちゃ、ダメ…駄目だよ!」
…空日からのラインだった。僕は、何かを悟ったが、とぼけた返信をする。
「どういうことだよ?」
「私、仁部君がどんな企みを受けていたか最初から知ってたの。君に言わないといけないってあの日すぐに思ってた。でも…」
そこからラインは通話へと変わった。
「私は、…脅されていたの。自分は、金目的のために、禁忌に手を出してしまった。
今の高校生の君ならわかるでしょ?
こんなすぐにお金を稼げるのかって。達成感に浸ってた。」
「私は、仁部君と君が食堂でしゃべっているところを見て、今すぐ止めないといけないと思った。
でも教室で止めることが出来なかった。なぜなら、そのことをあなたに言ったら…禁忌の内容をrealに書く。って脅しを受けたから。
そのことが決して、許されぬことだとわかってたから…」
「…空日は悪くない。過去から目をそむけたくなることはある。人は、過ちを犯すことだって…」
「じゃあ、今、君は何してるの?」
「…」
何も言えなかった。はさみはすでに地面におちていた。
「私…もう一つ隠してたことがあってね。実は、私魔女の末裔なんだ。
殺されるべき…魔女の末裔。」
「お前の予言の正体は…それか。今のも。
参ったな。完敗だよ。そんなん思いつかんわ。でもな…クスクス」
その時、自然と笑ってしまった。
これは、睡蓮のせいではない。完全に面白くて笑ってしまった。
「な 何がおかしいのよ!まさか、その病気が…そうじゃないのね」
「殺されるべき…魔女の末裔。とかそんなん関係ねぇよ。
魔女だろうが、人は人。十人十色だろ?僕は、君に二回も助けられた。
その時点で君は正当な魔女さ。魔女なだけで殺される魔女裁判じゃあるまいし。」
「それに…空日。あんたのこと命の恩人ってことばだけじゃ足りないわ。
空日。あんたのこと好きになった。」
「…君も、男らしくなったじゃない。そういわれると恥ずかしいけど…。いいよ手伝ってあげる。あなたの人生。」
確かに、あそこでふみとどまっていれば、こんな災難には巻き込まれなかっただろう。しかし、10年もたった今だと、そんな過去があってよかったと思えてくる。
Realは、一連の事件を受けて、公に謝罪し、realを完全凍結した。
そこまで大変なものだったのか…と自分は思っている。
僕自身はというもの、あれからは、燕 仁部の後を追っている。仁部は突然自主退学し、姿を消している。
それと同時に、今の情報化社会についての恐ろしさについての研究をしている。
これ以上、僕は同じ過ちの子供たちを野放しにはできない。
あんな経験は、人の歯車を必ず狂わせる。
…あー最後に一つ訂正が必要かもしれない。先ほど僕自身といったが…
「次の講演会の資料こんな感じでいい?」
僕自身ではなく、彼女いや、妻の空日がいる。
いかがだったでしょうか。
これが実質のデビュー作になります。
今まで読んで下さりありがとうございます!
今回の作品は、もっと登場人物を増やすべきだったかなぁ…。という気がします。その点は、これからの反省点ですね。
さて、この作品で1番述べたかった想い。それは、人の「リアル」なんです。
この作品の題名は、実は少し前までアディショナル メモリーだったんですよね。
変えた理由は、たまたまrealっていう機械が頭に浮かんでアディショナル リアルにした方が伏線張れるだろうという浅はかな思考なんですけど。
この主人公は、ある意味普通の生活を送っていました。
しかし、その普通の生活というものは、自分のリアルから逃げていたために存在するもの。
ある意味、普通とはかけ離れた生活をしているわけです。
そんな彼は、「real」という機械によって目を背けたい「リアル」と鉢合わせになります。
僕は、この経験は、人を大きくするのでは無いかな。と思います。
目を背けたい事実や、過去があってもどうか逃げないで、向かって行って欲しいと思います。
この小説についてご意見がありましたら、何時でもコメントをお願い致します。
できる限りの範囲で答えさせて頂きます。