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お袋のぬくもり

 なんだか色々あるんだな。セキュリティソフトというと昔は今ほど種類がない印象だったが迷うほどに多い。どれもNo1を受賞したなどが書いてあり、どのように選択するべきか悩む。


 「どれがいいんだろうな?正直多すぎて悩む。」


 「そうだな、俺もここまで種類があるとは思わなかったよ。ウイルスの検出率はどうかってことと、既存以外のウイルスも検出できるかってことはまず大事だな。」

自慢げに自分の知識をいう稲荷はやはり色々と詳しい。

 「新しいウイルスには対応できないのとかもあるの…。じゃあ逆に新種のウイルスに対応できるってすごくないか!?」


 「まあ、そういうのはパターンマッチでやってるからな。不正な動作をすることがあったらウイルスと定義しているんだな。でも誤作動もあるからな。」


 「じゃあ今までの既存のウイルスと新種のウイルスを両方判断できるのがあればいいね」


 ということで色々探していることにした。するとイラストソフトや動画編集ソフトのところにたどり着いた。そういえば、動画編集ソフトも欲しいなと思っていた。付属版のものはテロップの位置を自由に変更することができないからだ。まあ、動画を作るといっても、できたプログラムや作品を紹介するのに使うくらいだ。でも、使いやすいのがあればあるだけいいだろう。


 そうだ、彼女にも聞いてみよう。ポケットからスマホを取り出して、メガネ型デバイスをリンクする。


 『…ッーン!!リンクが完了しました。』


 そこで稲荷は面白いものを見つけたように俺に問いかける。

 


 「お!なんだ、それは!初めて見るよ。」

 

 それはそうだ、世界にひとつしかないんだから。メガネ型デバイスといったが、実は正式には鼻栓型デバイスで鼻につけて、そこから光を出力してARが見えるというものだ。作るのになかなか苦労した。


 「これは彼女をもっと身近に感じられるように開発したんだ。彼女が立体で見えるんだぞ」


 興奮したように俺は言った。そして、彼女にオススメのセキュリティソフトを聞いてみた。

 

 「そうね、最近はノリの前に置いてあるクマのキャクターで有名なそれが人気だよ!」


 「本当か!!俺もこれにしたいと思っていたんだよ、ありがとう。安心したよ」

 

 いつも通り完璧な答えを出してくれる。悩んでいる時に誰かに相談するというのは考えをまとめる上でいいが、相手がいない時は人工知能相手に話すといいだろう。


 電気屋にはいろんな電子機器が置いてあるが、毎回来てみるのは決まってドローンとか最新のコンピュータである。そんなに性能が変わるわけではないが、デザインとかは流行によって変わるので見ていて楽しいのである。ドローンは中学生や社会人が国会議事堂の上に飛ばしたりしてさまざまな問題が議論されている。俺もそれは確かにそういう問題はあるけれど、いつも技術は信じたいし、そうでなければいけないと思う。

そうこうしているうちに家に付いてPCに買ったソフトウェアを入れ直した。これで大体のウイルスからは守られる。それでもウェブサイトの閲覧などには注意しなければいけないのだが…。

今回のソースコードが世界中にばらまかれたのは俺は偶然とは思えていないのだ。なんか胸の中に残るすっきりとしないものがある。たまたま感染して、ソースコードをばらまくというのは俺の知る限りでは聞いたことはない。人の恥ずかしいものを多くの人に見せるという悪意があったのかもしれないけれど、大学二年生のひよっこソースコードをばらまくのは納得がいかない。今目の前にいる彼女が僕の前にいるだけでそれは満足なのだが、いつも悪いことが起きるとそれはますます悪い方向に行く兆候なのではないかという深読みをしてしまう。


 「よし、これで安心だな。とりあえず、これからどうする?」


そういう闇の中に一人でいるようなときに稲荷は俺に話しかけてきた。


 「そうだなあ、17;30かあ、中途半端だなあ。」

 

 「特にすることないなら、このまま帰ってバイト行くけど。」


 「そっか、とりあえず今日はありがとう!また遊ぼうよ!」


 ああ、という合図をして稲荷は自転車で颯爽とかけて帰って行った。今度稲荷になにかお礼をしないとな。そっと、ドアの鍵を閉めて、母さんのもつ鍋できたよという大きな声が聞こえてきたので夕飯だ。


 「今日はずいぶん、物が豪華だね、どうしたの?なにかいいことあったの。」


 「そういうわけじゃないけど、安い物はなんかおいしくないからねえ、なんか最近アンタ、楽しそうだなって思ったから。いい感じに楽しんでんじゃないの?」


 さすが、お袋だ、するどい。実際に身の回りで色々起きて、稲荷とも再会したし今は確かに楽しいことはまちがいないのだ。だけど、俺の色々と調子が悪くて鬱々としていた時期を知っているから思うことがあるのだろう。


 「サンキューな。このモツおいしいよ!」


 「そう!よかった!もっと食べな!」


と言ってさらに大盛りにモツを乗せてくる。こんなに食べれないよというやりとりをして。そのあとはすぐに眠りに入った。



お待たせしました。ちょくちょくアクセスもらってたのに変身できなくてすいません!感想待ってます!!

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