初めノ章
初ファンタジー系小説です。
グダグダ感がありますが、よければどうぞ。
進んでいくうちに、予想外の展開に、驚くかと…
「…コツキっ!…いない。
何処に隠れたのかな……」
カサコソと、草の擦れる音。
一人の少女が、何かを探している。
言葉から、それはもう一人の少女だと分かる。
「全く、コツキは隠れるの上手いんだから!
私より体が小さいから、上手く隠せるもの」
少女は、コツキと呼ぶ少女のことを呟きながら、あちらへ行っては捜し、こちらへ行っては捜しの繰り返し。
しかし、中々見つからない。
「〜っ…、いっそのこと、降参しちゃおうかな…」
少女が、捜すのを辞め、そうぼやいた時だった。
『静かな 静かな それは夜のこと
暗い 暗い夜空には それは綺麗な満月さま
とても綺麗な コハク色 きらきら輝く お月さま
降り注ぐ光の中 夜が明けるその時まで
唄えや唄え 踊れや踊れ 気の向くままに……』
近くから、詩を唄うような声。
…間違いない、コツキの声だ。
「コツキ、コツキ!
もう出ておいでよ!あなた、隠れるのが上手くて、もう一日経っても見つけらんないよ!」
すると、近くの草むらから、一人の少女がひょこっと出てきた。
「あれ、わたしって、そんなに隠れるの、上手?
普通に隠れていた筈なんだけど…」
「どう普通に隠れたら、そんなに見つけられにくくなるの?」
「えー、そんなこと言われても…」
『コツキー!フウミー!
そろそろ帰ってらっしゃい!オヤツが出来たわよ!』
二人が言いあっていると、若い女性の声が響いた。
「あれ、お母様だ!オヤツだって!コツキ、早く戻ろう!」
「うん!そうしよう!」
二人の、まだ幼い少女達は、お互いの手を繋ぎ、とたとたと駆けて行ってしまった。ー