魔物の軍勢
感想とかくれると嬉しいかも
俺はミーシャと一緒に町の中を歩いている
思えばミーシャに会ったのもこの街の路地裏だったんだよな・・・
もうあれから七年か・・・
俺が覚えているのはなんにもないけど
「なぁ、俺ってどこに住んでるんだっけ?」
「?、私と一緒に住んでるじゃない」
「そっか、いやそうだったな・・」
「ねぇ?今日のロイはなんか変だよ?
勇者様を倒したのだって前はあんなに強くなかったのに・・・」
どうやらミーシャは俺が前と違うってことに気づいているらしい
違うって言っても結局は一緒だけどね
「ふっ、俺は生まれ変わったのさ」
俺はそうかっこつけて言うとミーシャはあきれたような顔を俺に向ける
その顔はなんか嫌だな・・・
「ふ~ん」
ミーシャが疑わしいといった感じの声を出す
すると
ウゥゥゥ~~~、ウゥゥゥ~~、カンカンカン、カンカンカン
まるで火事が起きたときに流れる警報みたいな音と鐘の音が聞こえる
俺は何が起きたのかわからず、その音の大きさに耳をふさいでいるとミーシャが俺の手を握る
俺の手を握ったままミーシャは走り出して俺をどこかに連れて行こうとする
「ちょ、ちょっと、どうしたミーシャ?」
ミーシャは俺を思いっきり引っ張る
「なにしてるの?
はやく逃げるわよ!!」
「逃げる?」
どこに?
どうして?
「どうしてって・・・魔物が攻めてきたからに決まってるじゃないの!」
魔物?
「忘れたの?二年前に何があったのか!」
二年前?
そのとき俺は俺じゃなかったし
「二年前も今日のように魔物襲来の警報がなったでしょ。
はやくいかないと」
周りを見てみると他の人もどこかに向かって必死に走っている
「わかった。どこにいけばいいの?」
「避難場所は城よ!」
俺たちは走りながら話し合う
そうか、城が避難場所なのか・・・
さっき城にいたのにな・・・
「じゃぁ速く行こう」
俺はミーシャを抱きかかえて城に向かう
ミーシャはなぜか顔を真っ赤にして黙っている
俺はミーシャと一緒に城の門まで行く
門の前には多くの人がいるのがわかる
俺はミーシャをゆっくりとおろして街の外を眺める
俺の視力はどうやらかなり上がっているらしくかなり遠くまで見える
俺の視線の先には化け物がいた
物語の中で語られるようなその姿が
先頭には小さな角の生えた子供のような姿のやつ、牛の化け物ともいえる二足歩行の巨体の牛
後方には一つ目の巨人がいる
その数は膨大でかるく数万はいる気がする
まさにファンタジー
こんな風景を俺は見たかったんだ!
「どうしたのロイ?」
外を眺めながら笑っている俺を不思議そうな声で聴いてくる
「いや、なんでもないよ。
ちょっとトイレに行ってくる。ミーシャは先に行ってて」
俺はあの光景をもっと身近で見るために街の外に行こうとする
街の外ではすでに何人かの負傷者がいるらしく、テントのようなところに包帯を巻いた人がいるのが遠くから見える
多分俺みたいな子供が行ったら止められるからばれないようにいかなきゃ
俺は人に見つからないように隠れながら外に進んでいくためにミーシャと初めてあった路地裏に行く
路地裏にはまだ数人、人が残っているようでどれもこれも死んだ魚のような生気のない目をしているのがわかる
俺はその路地を突っ切り人のあまり通らない道を通る
勇者と戦っているときに気づいたことは俺の身体能力だ
それは今までの俺とは比べものにならないほどだ
なんせあの勇者を瞬殺できるんだからな
一万分のなんとかってのも案外嘘じゃねえのかもな
俺はその場で軽くジャンプをする
それは一気に建物の屋根の上まで飛び越える
シュッっと音と共に俺の姿は消え、一気に街の外まで行こうとするが白い壁に遮られてしまった
こんなの前に来たときあったっけ?
その壁はゆうに50Mを越しており、俺の進行を遮っているが俺はその壁を蹴って砕く
ドゴォォっと鈍い音がして大人一人が通れそうなほどの穴ができる
・・・・・自分でやっていながら自分の力が怖いな・・
壁が硬いとうふみたいだ
俺はその穴を通り兵士たちがいたところを目指す。
俺が穴をあけた位置は魔物の軍勢がきているところとは反対のようだ
俺は走って魔物の軍勢の方に向かっていく
武器も何も持っていないが俺の力なら大丈夫だと思う。
俺が外に出るまでにもう戦いが始めっていたらしく、魔物のいっぱいいる中で勇者と思わしき男が血まみれで剣を振っているのが見える
さすが勇者様、俺が殴ったところはもう腫れていないようだ
俺は勇者を無視して魔物の軍勢の奥に後方に行く
魔物は俺が速すぎて見えないのか俺に構おうとしない
ゴブリンやミノタウロスなど漫画やゲームでしか見れないような化物が今俺の目の前にいる
CGなんかじゃない圧倒的臨場感というかよくそんな体で動けるなとかいろいろ考えているが
なによりそんなものを見て俺は興奮していた
最初にドラゴンを見たときは何がなんだかよくわかっていなかったが今は違う。
10歳くらいとはいえ脳が発達したのか、俺のよくわからない力のおかげなのかモンスターの細部までよく見える
これだよ・・・これこそが俺の求める世界・・
俺はなんだかよくわからない思考をしながら軍勢の後方を目指していく
俺が後方に向かっている理由はもっと多くの魔物の姿を見てみたいからだ
後ろに行けばいくほど強そうな魔物がいっぱいいる
羽の生えた者、牙の生えた者
その多くが地球では本の中でしか語られない存在。
しかし今、俺の目の前にいる!
一番後ろに行ったところにいたのはマントをした正にTHE・悪魔って感じのやつだった
真っ黒な肌にいたるところに書いてある文字の刺青
黒い髪から生えた角
・・・・・黒髪?
悪魔は俺の姿を見つけたのか俺の方を見てくる
「何故こんなところに子供が・・・
しかもその髪の色は我ら魔族の・・・」
悪魔は俺に向かってそんなことをいう
そういえば王様もこんな顔だった気がする
「魔王さまのお子様もたしかそのような白銀の色を・・・
しかし7年前に行方不明に・・・」
悪魔がいろんなフラグを積み立てていく、
「はっ!まさか魔王様の子は・・」
悪魔がそういった瞬間、俺は後頭部に強い衝撃を受けて気絶した