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お嬢様


ドラゴンと別れてから数分が経過し、俺は街に辿りつく。

街は・・・・なんていうか昔のヨーロッパ?

レンガや木造の建築物がいっぱいだ。

俺的には見たことのないものがいっぱいですっごく面白いんだけど、これからどうしようか・・・

俺は、街に入ろうとすると

「こんな小さな子供がどうして一人で歩いているんだ?」

俺は街の門の前にいる人に話しかけられる。

「あの・・・迷子になっちゃいまして・・・」

「そうか、さすがにこんな子供がドラゴンなわけがないよな。

入っていいぞ。はやく親のところに行くんだ」


ドラゴン?


「ありがとうございます」

俺は頭を下げて街に入っていく。

「ドラゴンがこの近くに現れたらしいから警報が出たらすぐに逃げるんだぞ」


もしかしてあのドラゴンか?

まぁ黙って置こう。


さて、どうしようか・・・

正直、ドラゴンに渡されたネックレスを売ろうにもこんな子供に売ってくれるとは思えない。

まいった・・・お金もない人脈もない力もない

ないことずくしでほんとありがたいね。


俺の体が前と違うってことは俺にも親がいると思うんだよなー

でも気づいたらあの森にいたし、

わからないことが多いな全く。

あの男も説明くらいしてほしかったぜ。

てか一万分のなんとかっていってたけどなんも変わんないんだけど・・・・

あの男騙しやがったな。


俺は行くあてもないので適当に街を歩く。

やっぱりここの文字は日本語ではないらしい。

英語っぽいけどなんか違う感じで書いてあるのが見える。

でも言葉は通じていたけど・・・


あれ?

いつのまにか路地裏に来ていたようだ。

人通りが少ない。

しかもなんか柄のわるそうな人ばっかだ。


そんなことを思いながら歩いていると

キャー!!

女の子の悲鳴が聞こえる。

俺はその声が聞こえた方に走っていく。

声がした方に行くと、女の子がガタイのいい禿げたおっさんどもに追いかけられている。

女の子は必死に逃げているが、やはり体格の差があるのか、追いつかれそうになる

「やめろーーーー!!!」

俺は大声をだし、女の子と男どもの足を止める


男どもは

「なんだこの餓鬼?

痛い目みたくなかったらさっさとどっかいきな」

男は俺の方を見てそういう

女の子はそんな俺を見ながら心配そうにしている


「女の子を大の大人が追いかけまわして、あんたら恥ずかしくないのか?」

俺がそういうと男は

「へっ、餓鬼の癖にいうじゃねえか。

見たところ三歳ってところか?

ん?・・・その年でそんなに流暢に喋れるってことはお前もどこかの貴族ってわけか・・・

どうりでいい恰好をしているわけだ」


三歳?

え?・・・俺って三歳なの?!

小さいとは思っていたけどそこまでなの?

てかここの貴族は三歳で喋れるのか?


「何わけわかんないこといってんだ?

俺は貴族でもなんでもないぞ。

むしろ俺がなんなのか知りたいわ」

「ちっ、変な餓鬼だぜ。

さっさとこの娘を攫って身代金奪いに行こうぜ。」


身代金?

ってことはこいつらあれか?

誘拐ってやつか?

・・・・・こんな昼間からそんなのがあるなんてここは治安が悪そうだな。


「それは困るぜ。

女の子を見捨てたとあっちゃ俺の紳士な部分が黙っちゃいないぜ」

と自分でもわけのわからないことをいいながら女の子に駆け寄り、その手を握る。

女の子は俺よりすこし身長が大きいが体は小刻みに震えている。

俺は安心させるようにその手を強く握る。

女の子は俺の方を見てくる。


「これをくれてやるから俺たちを見逃してくれないか?」

俺はドラゴンからもらったネックレスを男どもに見せる。

男どもはそれをみて「おぉ!」と声を上げる

どうやらこれは価値のあるものらしい


「こんな立派な魔石なんて見たことがない・・・

かるく白金貨三枚は行くぜ?

餓鬼、これをどうしたんだ?」

男はすこし凄みをきかせて聞いてくる。

「すこし前に助けてくれた人がくれたんだ。

これを売って金にすればいいって・・」


「ククッ、いいだろう。

それを受け取ろう。」

男は手を伸ばしながら俺に近づいてくる。

だがこれを今渡してはいけない。

これを渡したらすぐに俺たちも捕まってしまう。

それぐらいはわかる。


「ストップ。

止まるんだ。動いたらこれは渡さない。」

俺はそう言うと男は動きを止める

危ない、危ない・・・


よし!

俺はネックレスを握りなおして、男の顔めがけて投げつける。

シュッっと音がして男の顔に当たった瞬間、俺は女の子の手を握ったまま走り出す。

この流れをみていた女の子は驚くことなく俺について走る。

女の子は俺より走るのが早く、途中から俺の前を走るようになる。

男たちは諦めたのか、いつのまにかいなくなっている


「ありがとう。あなたのおかげで助かったわ。」

人通りの多くなった場所で女の子は俺に礼を言ってくる。

「はぁ・・・はぁっ・・・

君が・・・無事でよかった・・・よ」

俺は息も絶え絶えの状態で話をする


ふぅー

やっと落ち着いた・・・

子供の体であの運動はきついな。

出来ればもうやりたくない


「ねぇ?あなた名前は?」

女の子は俺に名前を聞いてくる。


俺の名前?

名前・・・・

あれ?

思い出せない

名前以外の記憶はあるのに名前だけが思い出せない。

どうゆうこと?


仕方なく俺は女の子に

「わからない」

と答える。

「わからない?あなたその年でそれだけ喋れるってことは伝承魔法を引き継いでるのよね?

ってことはどこかの上級貴族かしら?

記憶喪失かしら? まぁいいわ。私の名前はメアリス・ミーシャ

この国の上級貴族であるメアリス家の一人娘よ」


メアリス・ミーシャと名乗った女の子は胸を張ってそういう

胸ないけど


「よろしく、ミーシャ。

えっと・・君はどうしてあの男たちに追いかけられていたの?」

俺がそう聞くとミーシャは言いにくそうに、

「あの・・・その、久しぶりに街に来れたからパパのつけてくれた護衛を撒いて一人で街を見て回ろうと思ったらあの男どものいる路地裏に行っちゃって、誘拐されそうなところをあなたに助けてもらったの。

あなたかっこよかったわ。」

女の子にかっこいいって言われちゃった。

どうしよう

照れる


「そうなんだ。今度から気を付けようね。

そういえばミーシャって何歳なの?」

「私?私は4歳よ。あなたは3歳なのよね?」

「そうらしいね」

「らしいって、自分の年齢でしょ?」

「なんだか今日までの記憶が一切ないんだよね。

なんでだろう?」

うん、嘘は言ってないよね?

こっちに来たのはさっきだし


「そうなんだ・・・苦労してるのね。」

四歳の女の子に気を遣わせてしまった・・


あ!しまった・・・ネックレス男に渡したからお金が・・・

俺はネックレスを渡してしまったことを嘆く。

このままだと宿にも泊まれない。


「そういえばよかったの?

あのネックレス。

高いんじゃ?

白金貨3枚って言ってたし」

ミーシャは心配そうに聞いてくる

「いいよ、別に、それで君が助かったんなら安いもんさ」

俺はかっこつけていうが内心どうしようか悩んでいた

「もしよかったら家にこない?

助けてもらった俺をしたいし」


ミーシャはそんな提案をしてくる

「マジで?!」

俺はつい大声をだしてしまった。

ミーシャは俺の声に少し怯えたように俺を見てくる

「是非!お邪魔させてください。」

俺はすぐにミーシャに行きたいという意思を見せる

ミーシャは俺が来てくれるって言ったので安心したのか、笑顔をしている

年相応の柔らかい笑顔はとてもかわいらしい


すると

「ミ~シャ様~」

男の声でミーシャを呼ぶ声がする。

ミーシャの方を見てみると、すこし困ったような顔をしているのがわかる


男はあたりをキョロキョロとして、ミーシャを探しているようだ。

男の顔はすばらしくイケメンでその髪は緑色というなんとも言えない感じがしている

といってもミーシャの髪も紅い色をしているので俺からしたら見慣れないものだが、ここでは普通らしい。


「ミーシャ様!!」

男はミーシャを見つけたらしく、ミーシャの元に駆け寄ってくる。

「お探ししましたよミーシャ様!

突然いなくなったりして、誘拐でもされたらどうするおつもりでしたか!

私が旦那様になんとおっしゃればよろしいのですか!」

男はすごく怒っているようで、早口でミーシャに文句を言っている。

しかしミーシャが見つかってうれしいのか顔が嬉しそうだ。

「ところでこの子は?」

男は俺に気づいたらしく、俺をみながらミーシャに尋ねる

「この子はさっき私を助けてくださったの。

すごくかっこよかったのよ!

それでお礼をかねてお父様に紹介したいと思って家に招待していたの」

「お嬢様を・・・

それは失礼しました。

みたところどこかの貴族様でおられましょうか?」

「いや、多分違います」

男は不思議な顔をしている

それを見たミーシャは男に

「アスラ、この子は記憶をなくしているみたいなの。

でも私と同じ伝承魔法を引き継いでるみたいで会話はできるみたい」

「伝承魔法・・・

それはそれは失礼いたしました。

ご無礼をお許しください」


さっきからでている伝承魔法ってなんだ?

それを持っていると小さな子供でも喋れるのか?


「では、馬車をご用意しますのでしばらくお待ちください。」

男・・・アスラさんはそういってどこかに行ってしまった。

随分と信用されたもんだ

女の子をこんな子供と二人だけにするなんて、


「さ、行きましょう。

えっと・・・なんて呼んだらいいかしら?」

名前か・・・

「ミーシャが名前を付けてくれないか?」

俺はミーシャに名前を付けてくれるように頼む。

なんだか犬のような気分だ


「そうね・・・ロイ・・・ロイってどうかしら?」

「ロイですか・・・いいですね。

じゃぁ今から俺はロイです。

よろしくミーシャ」

「うん、よろしくロイ」


俺とミーシャが改め挨拶をしているとアスラさんが馬車を引き連れて帰ってきた。

「それではお嬢様。お屋敷に戻りましょうか。

えっと・・お名前は?」

「ロイです」

「ロイ様ですか。良いお名前ですね。

ではロイ様もお乗りください。」

「はい。えっと・・・アスラさんでいいですか?」

「はい、アスラとお呼びください。」

「わかりました。それでは俺のこともロイって呼んでください。」

「では出発しますね。揺れるのでしっかり掴まってくださいよ」


アスラさんはそういうと馬を走らせる。

ってゆうかミーシャってホントにお嬢様なんだな。

はぁ・・・これからどうしようかな

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