話の初めの導入部分
私の話をしよう。名前は来栖達美。身長は156.3cm髪は赤がかった茶色で肩くらい迄の長さ。目の色は日本人そのものの黒色。両親の存在をしらない。私の物心ついた頃には既に独りだった。孤児院にずっと住んでいた私が八歳の時、この名字を貰った。来栖家に引き取られたのだ。
私はベジタリアンだった。どういう訳か、肉を食べられない。食べたとしても吐き出してしまうという体質だ。珍しいタイプ(?)の拒食症だった。何かトラウマがあるのか、原因は私にはわからない。でも、健康状態には一切の問題はなかった。タンパク質なら大豆を食べれば良い。鉄分が欲しいならひじきでも食べれば良い。肉が食べれないと言っても、日常生活に問題は来さなかった。体も順調に成長したし。………その話はするな。誰が断崖絶壁だ。
次は、来栖家の話。義母の埜乃さんと、義父の彰さんの間に子供は出来なかった。不妊症らしい。そこで、私を養女にした、と。義理なのに、私に二人共が優しくしてくれた。私が野菜しか食べられないという旨を伝えると、私に合わせて食事を作ってくれた。彰さんは、肉が食べられないと愚痴をこぼしていたが、それでも、私に合わせてくれる。肉料理を出す時は、私の為に別で食事を作ってくれる。私は幸せだった。優しい義父母の囲まれて、私は幸せに過ごしていた。