EP5 『権利。』
「断る権利が無いってどういう意味よ!!」
「簡単に言うとだな・・・。」
「私から説明しよう。」
光の説明に割り込むように神が口を開いた。
「簡潔にすると、奴らに遭遇または接触した者は、己の意志にかかわらず身体の一部の性質が変化する。その変化は奴らにとって脅威であり、奴らにも戦う必要がでてくる。つまり、奴らの攻撃から自分を守らなければならなくなる。それはには、我々と行動を共にし、戦う術を見につけなくてはならないからだ。それに、奴らの食事は人の生き血だ。つまり、奴らに大切な人を襲われる可能性も無くない。それらから守る為には、君は狩人、入るしかないというわけだ。」
「そんなことって・・・。」
瑞希が途方にくれていると、誰かが走って来るような足音が響いてきた。
「し、支部長っっっ!!!!」
『ドカンッ!!!』勢い良くドアが開くとそこには、男がひとり荒い息をたてていた。
「大変だっ!!支部ちょ・・・。」
『ドーン・・・ボンッ!!!』
低い重低音が鳴り響くと、男の周りが爆発した。
「あわわわああわあわわわ・・・。あっぶないな、支部長!!死んじゃうところだったじゃないかっ!!」
「当たり前だよ。狙ったんだから。」
神は、先程とは打って変わって、冷酷かつ残忍な雰囲気を漂わせていた。
「ど、どうなってんの・・・?」
「今アイツはキレはじめている。あの男がノックもせずに部屋に入ったからだ。携帯が鳴った時もああなる。」
「それだけで・・・?」
「神はそういう奴だ。」
なんか、面倒なことに巻き込まれちゃったなぁ・・・
「それより、朔魔。何があったんだ?」
光が部屋に入ってきた男に尋ねると彼はあわてた表情でこういった。この男は『朔魔』と言うらしい。
「あいつが帰ってきたんだ!!」
朔魔は血相を変えていった。
「あいつって?」
瑞希が光に尋ねると光はあきれた顔で応えた。