2-08 このトゲトゲしてるやつが強そうだ!
ペットショップの店内に入った私たちは、まず首輪とリードを選ぶことにした。
「白玉の首輪、どれが良いかなあ」
「俺が着ける首輪を選ぶのか?」
「そうですよ。白玉はどれが良いですか?」
首輪したくない! なんて言っていた白玉だけど、何やら気になるものはあったらしい。
白玉が首輪を自分で選べるように、白玉を抱っこしたままの尚君が床に下ろすと、目的のものにまっすぐに走って行った。
「俺はこれが良い!」
「どれどれ?」
白玉が前足でタシタシしてる首輪は、とんでもない代物だった!
「このトゲトゲしてるやつだ! 強そうだからな!」
「ケロべロスとかが着けてそうなやつじゃん! 飼い主の品性を疑われるので却下!」
乗り気じゃない白玉が気になってる時点でろくでもないものを選びそうだなとは思ったけど、まさかこう来るとは思わなかった!
「すごいものを置いてますね、このペットショップ……」
「むう。ではこれならどうだ!」
次に白玉がタシタシアピールしたのは、七色に光る首輪だった。
「ゲーミング首輪ぁ……」
「勇者が放つ光みたいで、カッコイイだろ!」
「勇者の一撃必殺奥義と、およそ二千円の首輪を一緒にしちゃいけません!」
「だが、これを買えばシノの財布は瀕死になるだろ? 似たようなものじゃないか」
うまいこと言ったみたいなドヤ顔しているけど、そんなこと言ってると白玉分の食費減らすぞ~!
今回も、尚君が出してくれるみたいなので甘えてしまうけれども……。
「着けてみると、首元が眩しいと思いますよ?」
ふたりプラス一匹でわいわい騒いでいると、微笑ましそうに見守っていた店員さんが試着を提案してくれた。
「その光る首輪、意外に眩しくないみたいなんですよ。試着してみますか?」
「白玉、着けてみる?」
「もちろんだ!」
ちなみに、店員さんには白玉がワンワン言ってるように聞こえるらしいく、犬に話しける私たちをひたすら生暖かい目で見ている気配がする……。
と言うわけで、もふもふな白玉にビカビカ光る首輪を着けることになったんだけど……。
白玉の毛があまりにもモフすぎて、七色の光が毛にモッフりと埋もれてしまい、毛の隙間から申し訳程度にしか光が見えない。
「光が見えない!!」
「毛に埋もれてるだけですから、短くすれば或いは見えそうですね」
「短く!? 毛をか!? 俺の自慢の白銀の毛を切るつもりか!!」
「自慢のモフ毛とピカピカ首輪、どっちが大事なの?」
結局、白玉ご自慢のモフ毛の方が重要だったらしく、何だかんだで選ばれたのは、ごく普通の真っ白な首輪でしたとさ。




