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異世界還りの元聖女へのご褒美は、スパダリ元彼によるフェンリル付き甘やかされスローライフです ~ただいま、すずらん荘~  作者: 江東乃かりん


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16/23

2-03 起きたら昼だったって話、する?

 なんだか良いにおいがする。

 懐かしくって、焦がれていた……お味噌のにおい。

 ずっとずっと、帰りたいと思っていた場所の……。


「っ!? ここ、日本!?」


 目を覚ますと、遮光カーテンの隙間から日差しが室内に射し込んでいた。


 白玉に叩き起こされた対価として肉球を思う存分堪能したあと、私は再び眠りについた。

 午前一時だったから、始発で出かけるにしてもまだ寝る余裕はあるからね。

 と言うわけで、もう一度寝た私だけれども、アッシュアリアの夢は見なかった。

 魔力がどうの……って言っていたから、白玉が何かしたのかな。


 さて。そんな白玉は、いま室内に……いない!

 お味噌汁のにおいがするから、食べ物に釣られて台所にでも行ったのかな。

 大家さんって、朝食もちゃんと作ってるから偉いね。

 出遅れてるかもしれないけど、私も手伝おう!


 んー! と伸びをして室内の掛け時計を見つめると、時計が指していた針は、なんと……!


「ふぁ~~っ!? 十二時~~~~!?!?」


 真夜中の十二時ではなく、正午!

 い、いやちょっと待って!

 掛け時計が狂ってる可能性がある!

 私は慌ててスマホの時間をチェックした!

 しかし、掛け時計の時間と一致している!!


 うわあ〜〜! 完全に寝坊したっ!!

 朝ご飯のにおいだと思ったら、お昼ご飯だったなんて!

 つまりこれって、二度寝前と合わせて半日以上寝てたってことになるんだけど!!


 急いで会社に行かないと!

 遮光カーテンを開いて着替えをし顔を洗ってから、バッグを掴む!


「大家さん!」


 大家さんがいそうな気配のする台所を覗き込むと、調理中の大家さんがのほほんと挨拶をしてくれた。


「詩乃ちゃん、おはようございます」

「もう昼だぞ!」


 白玉は大家さんのそばで、監視と言う名のご飯待ちをしているようだった。


「あ、うん。おはよう!」

「良く寝れたみたいで良かったです」

「あ、ありがとう……」


 ニコニコ笑顔で挨拶してくれる大家さんは、たぶんぐっすり寝てる私を気遣ってくれたんだと思う。

 気遣いはありがたいけど、寝坊した身としては複雑な気持ちでいっぱい!


「私仕事に行くから、帰って来るの遅くなるかもしれないけど、先に寝ていてね」

「え!? 今から!? 今日は祝日ですよ!?」


 大家さんがめちゃくちゃビックリしている。

 私もそこまで大げさな反応をされるとは思わなくて、ちょっとビックリした。


「そ、そうだけど、たしか仕事忙しかったはずなんだよね」

「でも異世界から帰ってきたばかりで疲れてますよね? 今日は休んだほうが良いですよ」

「異世界帰りなんて言い訳は、現実では通用しないんだよ」

「でも異世界に行く前から、働き詰めだったじゃないですか! 今日くらいは休んでも良いはずです!」

「でも仕事にいかないとみんなに迷惑が……」

「だめです……! 詩乃ちゃんの健康が第一です!」


 大家さんに手を掴まれてしまった。

 何故か大家さんが珍しく頑固になっている。

 私も仕事に行かない選択肢はない。

 異世界で過ごした年数分だけブランクがあるから、ただでさえ遅れてる仕事がもたつく可能性がある。

 休んでクビになったら困るんだけど……。

 二人とも「でも」ばっかり言ってるし、このままだと会話が平行線になりそうな気しかしない。


「仕事に行くか行かないかは、メシ食ってから考えたらどうだ? 腹が減ってると考えもまとまらんだろう」


 そう思っていたとき、食いしん坊フェンリルのひとことが剣呑な空気を解した。

 さすが、白玉! 略して、さす玉!


 でもゆっくりお昼ごはん食べてる場合じゃないんだけどなあ。

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