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異世界還りの元聖女へのご褒美は、スパダリ元彼によるフェンリル付き甘やかされスローライフです ~ただいま、すずらん荘~  作者: 江東乃かりん


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1-09 大家さん家に住もう!

「これから毎日旨いメシが食えるんだな!」


 白玉がめちゃくちゃ満足そうにはしゃいでいる反面、人間二人の空気感が何とも言えない感じになってきてしまった。

 ちょっと白玉、責任取ってどうにかしなさいって思ったけど……。

 空気をぶち壊すのが得意な白玉は、爆弾を投下するのも得意な獣でもある。


「そうだ! シノもオーヤの家で暮らせば良いじゃないか!」


 それと似たようなこと、さっき大家さんが言いかけてたから!

 邪魔された白玉に言われちゃったもんだから、大家さんから魂が抜けかけてるから!


「どうだ?」

「どうだ? じゃないよ」


 名案閃いた! みたいなそのドヤ顔、やめましょう。


「そもそも俺の契約者はシノだろう。ならば、シノも当然同じところにいるべきだ!」

「私の部屋、すぐ上だけど? ドアツードアで一分もしないはず」


 すずらん荘の一階は大家さん家で、二階がアパートだからね。


「ドアツードア? なんだそれは、食い物か?」

「ドアからドアまでって意味だよ」


 文字にするとドーナツに似てるけどね。


「部屋は近くても、家はオーヤと別なんだろう? 一緒の方がすぐ会えるじゃないか」

「まあ、そうなんだけど」


 たしかに、白玉とすぐに会えた方が都合が良い。


 あくまでも白玉のことは大家さん家に置いてもらうだけのつもりなので、大家さんに任せっきりにするわけにはいかないからね。

 放って置くと、大家さんが白玉の世話しまくりそうだから、白玉よりも大家さんが心配。

 かといって私も一緒にいると、今度は大家さんが私の面倒まで見そうなのが心配……。


「シノが別の家にいるのなら、俺が呼んだらすぐに来なきゃダメだぞ」

「私が行く方なんかい」


 契約神獣が聖女に呼ばれる方じゃないんかい!


「あと、オーヤのメシだけじゃなくて、シノのメシも食わせろ」

「あ、はい。本音はそっちね」


 通りでやたらと食い下がると思ったよ。

 溜め息をついてどうしたものかなあと考えていると、白玉が首を傾げた。


「難しく考える必要はないだろう? シノはオーヤと一緒にいたいって言ってたじゃないか。なら、一緒にいれば良いだろう」

「うぐ」


 それはそうなんなけど……なんてもにょもにょ言っていると、復活した大家さんが白玉に加勢した。


「僕も、詩乃ちゃんが一緒だと嬉しいです」

「う……」


 私だって、一緒にいられると嬉しいけど、ダメ人間まっしぐらになってしまいそうな気がするので、気軽に頷けない。

 あといま付き合ってないので、幼なじみとは言え図々しい気がする。


「詩乃ちゃんがいてくれた方が、白玉も安心しますし」


 たしかに。カレーを食べて満足したと思いきや、白玉はまだちょっと大家さんのことを警戒してるみたいなんだよね。


「それに、なかなか家に帰ってないようなので、働きすぎて倒れたりしないか……心配なんです」

「ぐ……」


 大家さんが悲しそうに俯いたとき、眼鏡越しに見える瞳がちょっと潤んでいた気がした。

 異世界に行っていたからって、もしかして心配して過保護になってる……?

 その横では白玉が、「お前らなんで付き合ってないんだ?」って顔でこっち見てくる。


「でも、私までお世話になっちゃうと、大家さん大変でしょう?」

「そんなことないですよ!」


 前のめりに返答されてしまった。

 ……対尽くし系男子向けに不適切な質問をしてしまった。


「じゃあ、お世話禁止なら……」

「えっ」


 大家さんがショックを受けた顔をしている。


「そんなに絶望的な顔するほど?」

「お世話するのが楽しみだったんですけど……。僕が作ったご飯を詩乃ちゃんにも食べて欲しかったですし……」

「うぐ……」

「……ダメですか?」


 悲しそうな顔をして見つめられると、嫌と言えない!

 本当に嫌じゃないだけに、断れない……!!

 大家さんは分かってやってるのか分からないけど、あまりにもあざとすぎるので、私はもにょもにょ言いながら頷くことしかできなくなってしまった。


「お世話に……なります……」

「! こちらこそ、よろしくお願いしますね!」

「でも大家さんに任せっきりにはしないからね! 何でもかんでもやろうとするなら、やること奪うからね!」

「はい!」

「絶対だよ!?」

「もちろんです!」


 大家さんの顔がめちゃくちゃ晴れ晴れとした。

 本当に分かってるのかな!?


「そうと決まれば今日から俺とシノはオーヤの家暮らしだな!」

「とは言っても、一旦家に帰って着替えとか取りに行かないと。服も聖女服のままだし……あっ」

「ん?」


 その時になって、私はようやく重大なことを思い出した。


「……ところで大家さん、お話があります」

「どうしたんですか? 改まって……」

「マスターキーで部屋を開けてもらっても良いですか?」

「良いですけど……え? 鍵はどうしたんですか?」

「異世界に召喚されたときに、バッグがどこかに行っちゃって、いま手元にないのおおお……」


 なんなら、今まで存在を忘れてた。

 言いながらも変な汗出てるのを実感する。

 私は嘆きながら白玉の毛玉にポフっと頭をモフらせた。

 あ〜〜もふもふするう〜〜! もふもふには精神を落ち着かせる効果がある!

 メンタルがしんどい時に大変有効!

 しかし、今の行為はただの現実逃避なのだ!

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