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第三章 触れそうで、触れられない音

初登場の陽翔の幼馴染の高山。

彼は、幼い頃からずっと一緒にいた陽翔に特別な感情を持っていると思っていたが—

いつしか、奏への特別な感情も抑えきれなくなった...

高山はいつも陽翔の隣にいた。

小さな頃から、ずっと。

言葉にしなくてもわかり合えると思っていた。


でも、いつからだろう。

陽翔が奏と話すとき、なんだか違う空気が流れていることに気づいたのは。


教室で、陽翔が笑いながら奏に話しかけるとき。

音楽室で二人だけの世界に浸る陽翔の顔。

それを見ていると、胸の中がざわつく。


「俺は、ただの幼馴染だろ?」

そんな言葉が、何度も頭の中を巡る。


でもそれだけじゃない。

知らない間に、奏のことを好きになってしまっていた自分がいる。


その気持ちは、決して大きな声では言えなかった。

陽翔にも、奏にも。


だからこそ、つい言ってしまった。

「陽翔、なんで奏とそんなに仲いいんだ?」

陽翔は驚いたように振り返り、何も言わずにそっと目を伏せた。

その無言が、高山の胸に痛く刺さった。

「嫌だ」――そう言いたかった。

でも言葉にはできなかった。

高山の気持ちは、波紋のように静かに、でも確実に二人の間に広がっていく。

自分でも気づかないうちに。

それでも、高山は願っていた。

陽翔が、奏が、幸せでいてほしいと。

けれど、その願いはいつしか自分の胸を締めつける。

届かない想いの余韻だけが、彼の心に残った。

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