表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に酒税法は存在しねぇんだよぉぉぉ!!  作者: ヒオウギ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/145

酒とギルドと、美しき受付嬢2

「それでは、おふたりの登録は完了です。依頼をご覧になりますか?」


 受付嬢――ミナさんがにこやかに尋ねてくる。

 その笑顔が眩しい。女神かな?


「見る見る! できればお酒に関係あるやつがいいです!」


「お、お酒……ですか?」


 少し戸惑いながらも、ミナさんはカウンターの下から分厚い依頼書の束を取り出してぺらぺらとめくり始めた。


「ええと……あっ、ありました。“《酒場ホウシュウ》:発酵スライム討伐”。どうでしょう?」


「はい、それです! 一択! 即決!」


「待って伊吹(いぶき)。内容聞いてからにして」


 クラリスが横から止めるけど、私のテンションはもう最高潮。


「だって“発酵スライム”だよ?名前からして酔っぱらってそうじゃん!討伐したらお酒になるでしょ絶対!」


「なるの?それ」


「ならなくても気になる!飲みたい!」


「依頼内容はこちらです」


 ミナさんが小さな紙を差し出してくる。字もキレイ。声も癒やし系。癒やし特化型ギルド受付嬢だわこの人……。


【依頼名】発酵スライム討伐(Dランク)

【依頼主】宿酒場「酔いどれ熊亭」

【内容】裏山の洞窟に棲みついた発酵スライムが、備蓄していたワイン樽を吸収して暴走中。客に出す酒が減って困っている。討伐または追い出しを希望。

【報酬】酔いどれ熊亭の酒飲み放題チケット × 7日分

【備考】くさくても泣かない人推奨。


「……くさいんだ」


「腐敗と発酵は紙一重って言うし、たぶん発酵スライムってそういうヤツなんだよ」


「どんなフォローよそれ……」


 クラリスが呆れてる間に、私は勢いよく依頼書にサインした。


「討伐、行きます!飲み放題チケット、狙いにいきます!!」


「それ、完全に目的が酒だけじゃない……?」


「違うよ、クラリス。酒が“全部”なの」


 ミナさんは「がんばってくださいね〜」とほんわか微笑みながら、依頼書の控えに記入していく。

 やっぱり、ギルドって最高だ。美人がいて、酒があって、モンスターをぶっ飛ばせる。


 私たちの冒険――いや、酩酊と混乱と爆発の旅は、ここから始まる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ