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ゴスロリうさ耳少女が急にキャラ崩壊してくる件

 固まる俺達の前で、ゴスロリの少女はむーっと頬を膨らませた。


「もうちょっと反応して?! 勇者くん、伝説の剣を抜いたんだよぉ?!」

「え、あー……ワー。ヤッター。ウレシーナー」


 おいソラもうちょっとマシな演技しろよ。

 

「そうそう! それでいーのっ♡」


 いやいいんかい。 


「ってゆーかぁー!! ずぅっと見てたけどぉ、君たちやる気あるのー?!」

「「ない」」


 俺とソラの声がハモる。

 ゴスロリ少女は途端に瞳を潤ませた。


「なぁんでそんなこと言うのー!」

「「だってどーでもいいんだもん」」

「わーんっ! ひどぉい!!」

「ごめんねー」


 最初こそ驚いたものの。段々とコイツのハイテンションに慣れてきた俺達は、対応が邪険になっていく。面倒臭そうに手をヒラヒラ振ったソラは俺を床に転がし、そのまま自分もゴロンと横になった。


「おぉ、やっぱ横になったほうが寝やすいわ。ありがとよー」

「んー」


「ね、ねぇねぇっ!? なんで寝るの!」

「「眠いから」」

「わ、私の話聞いてほしーなっ♡」

「「ごめんヤダ」」

 

 そんなやり取りを繰り返していたら、いつの間に彼女はしゃべらなくなった。

 ふぅ、これでようやく寝れる。

 お休み〜。ぐぅ。


 ……しかし、一分もしないうちに、俺は夢の世界とサヨナラグッバイすることになった。


「おわっ?!!」


 いきなり体が宙に浮く感覚。ジェットコースターとかちょっと速度が早めのエレベーターとかでよく感じる、内蔵が浮くような錯覚に陥るアレ。(今の俺に内臓があるのかは知らんが)

 驚いてパチリと目をあけると、なんとゴスロリ少女が右手で俺を持ち上げていた。

 ちなみに左手は、ソラの首根っこを掴み上げている。


「あぁー……あんたらほんまにイライラする……」


 先程の夢見るキラキラ少女から一転、ドス黒い笑みを浮かべたサイコパス少女になっている。キャラ崩壊早っ!

 そして何故に関西弁?!?! ここは異世界では? 世界観ゴチャゴチャじゃねぇか!!

 少女は頭の中で突っ込みを炸裂させている俺と、猫のように目をまん丸に見開いたソラを、ポイポイっと放り投げる。


「今すぐ座って話聞けや」

「「……ハイ」」

「えへっ、ありがとぉ♡」

 

 ふわりとドレスの裾を揺らしながらそう言う彼女に。

 俺とソラは、揃ってブルりと体を震わせた。

 

 ……こいつ、やべぇ。


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