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ワンコはいつも寝てばかり  作者: レゲーパンチ
2/21

1. 2~3才のはなし ①

【『ふゆ童話祭どうわまつり2024』ようつくった連載文章れんさいぶんしょうです】

【この物語ものがたりはフィクションです】

登場とうじょうする人物じんぶつ団体だんたい名称めいしょう架空かくうであり、実在じつざいのものとは関係かんけいありません】

【メスのワンコ視点してんでの物語ものがたりです】

 日本にほんのどこかの、とあるまちにて。

 これはいまから、14~15ねんほどまえはなし。そしてここは、わたしいえ



 いえとはったが、わたしいぬなので。

 人間共にんげんどもらすいえの、そのそとに。わたしいえはある。またの犬小屋いぬごや

 わたし首元くびもとには、首輪くびわばれるへんなものがかれていて、それにはチャラチャラとおとがする――くさりだとかったか?それがいている。

 ・・・もうあさか。いつもとおなじだ。

 なにも、わりはしない。ずっとそうだった。

「おう、おはよう。じゃあってくる・・・ってオイ!?」

 あさになったら、コイツがいえからてくる。だから、こうする。

「お、おいやめろ!あさっぱらからそんなにえるなって!」

 らんそんなの。ガルルルル。

「ううぅ、おまえ相変あいかわらずだな・・・」

 うるせぇこのチビが。ランドセルだとかいうへんなものを背負せおったボーイをにらみつける。さっさとせろ、かおたくない。

「ハァ、アンタたちったら。またケンカしてるの?」

 おんなひとてきたので、わたしえるのをやめる。このひとこわいし。

「まあいいじゃないか。番犬ばんけんなら、これぐらいがちょうどいいよ」

 こっちのおとこひとは、このいえ人間共にんげんどもなかではきなひと仕事しごといそがしいだとかで、ほとんどあそんでくれないけど・・・。


 家族かぞくと、いうのだろうか?このいえらしている家族かぞくは、父親ちちおや母親ははおやと、その子供こどもおや子供こどもむのは、いぬ人間にんげんおなじなのだろう。

 ちなみにわたしはメスだが、子供こどもはいない。つくもない。これはあとになってったのだが、わたし子供こどもめないようにされていたのだとか。

 いぬは、一度いちどおおくの子供こどもむから。その子供こどもおやになって、また子供こどもんで、その子供こどもたちがおやになって、また子供こどもんだら・・・うん、このまちはおろか日本にほんのあちこちがいぬだらけになってしまうな。

 わたしには、人間にんげん生活せいかつというものはよくわからないが。すくなくとも、そんなことになってしまっては野良犬のらいぬだらけになってしまう、というのはわかる。はなしくには、野良犬のらいぬいえいし、まともにエサもべられないそうだから大変たいへんだよなぁ。わたしいぬでよかったよ。

 しかしながら、いぬでも子供こどもいぬはいるので。そうなると、そのいえではいきれなくなる。一度いちどに5ひきも6ぴきえるわけがない。

 わたしも、そうだった。いまとなってはおもせないけれど、わたしまれたいえはここではない。べついえまれ、だけど子犬こいぬを5ひきえないだとかで、このいえわれるようになったんだ。いわゆる、里子さとご、というものらしいが。

 ・・・ボーイにられてしまったのが、わたし不運ふうん。あぁあ、あんなのがわたしぬしだなんて。いやだなぁ。


 ごろごろごろ。

 ときには、犬小屋いぬごやなかはいったり。ときには、ウロウロしたり。ときには、ころがって、アクビして・・・ふあぁあぁ。

 いまはまだ、昼前ひるまえ父親ちちおやとボーイがって、いえなかには母親ははおやが・・・物音ものおとはする。なにをやっているのかは、わたしにはわからない。

 いつものこと。いつもの、毎日まいにち

 もうどれだけ、こんな、日々(ひび)つづいているのか。おぼえていない。

 て。て。ウロウロして、またる。

 時間じかんになれば、エサをもらえるからべる。そしてまたる。

 これが、わたし。だってほかに、やることもないし。

 ・・・だけど、ときどき。わたしは、こうする。

 いえまえ――玄関げんかんだとかったか?ここがわたしのすべて。ここがわたしのナワバリ。ここにはいってくるヤツは、こうしてやる!

「すみませーん、宅配便たくはいびんで、うおっ!?」

 うるせぇ。いきなりやってきたおまえがわるいんだ。だれだからないけど・・・いや、らない人間にんげんだからこそ、こうしてやる!

「ちょ、やめ、そんなにえなくても、うわっ!?」

 チッ、はずしたか。だけどつぎこそはみついて、

「ご、ごめんなさいね!?こらっ!いいかげんにしなさい!」

 ・・・チッ。母親ははおやおこらせるとエサきにされてしまうからな。今日きょうはここまでにしてやろう。あとは勝手かってにしやがれ。


 また時間じかんぎて。

 ・・・いえそとを、ボンヤリとながめるだけ。

 ここは、人間共にんげんどもらすいえが、いっぱいある。だから人間にんげんもいっぱいいる。そして人間にんげんだけではなく、わたしのようないぬも――。

 おっ?アイツはチワワだとかってたな。よう、元気げんき

「うわ、ここのおたくったら。相変あいかわらず、やかましいわねぇ・・・」

 チワワのぬしは、なぜかわたしをイヤそうなている。そして足早あしばやに、どこかにあるいてった。あのさぁ、まだおしゃべりしてるんだけど?べつにケンカしてるわけじゃないから、もうちょっとはなしをさせてくれよ。

 ・・・うらやましいなぁ。アイツは毎日まいにちのように散歩さんぽができて。わたしぬしなんて・・・ケッ。まあいいもん、かえってきたらまたみついてやる。くつをズタズタにするのもアリだな、それに、

「――ど、したの?」

 アァン?だれだ、ここに勝手かってはいってるのは・・・。

 ああ、なんだ。おまえか。アイツのいもうとか。

 わたしまえにいるのは、2さいか3さいか・・・それぐらいの、ちいさな人間にんげん。といっても、いぬわたしよりはだいぶおおきいけれど。

 すこまえまでは母親ははおやっていたり、ベビーカーだとかいうのにはいってたもするが。おまえも1人(ひとり)あるけるようになったのか。

「ん。・・・さみ、しいの?」

 フン。ていうか、おまえ。さみしいの意味いみ、わかってんのか?

「ん。わたし、も。おにいちゃん、まってる」

 ・・・フン。あんなヤツなんて、どうでもいい。


 ――あれ?

「ん?どしたの?」

 わたしは、グルルルルと、こえしている。

「んん?うん、そだよ?」

 コイツの言葉ことばは、たどたどしい、というのか。お子様こさまだから、うまくはおしゃべりできないようだが。なんとなくは、コイツのっていることが、わかる。

「うん。おしゃべり、しよ?」

 だけどわたしは、いぬなので。人間にんげん言葉ことばなんてはなせるわけがない。だからわたしいぬらしく、ワンワン、ギャンギャン、ガルルルル、と、

「あはは。おかあさん、こわい?」

 ・・・コイツ、まさか。いやでも、そんなこと、は、

「んー・・・ごめん。それ、なに?」

 おっと。お子様こさまにはむずかしかったか。それなら、

「・・・ふうん。ずっといっしょ、ってこと?」

 うん、そういう意味いみらしい。一心同体いっしんどうたいわたしもよくはわからないが、おまえのにいちゃんがっていたんだ。オレとおまえは一心同体いっしんどうたいだ、って。

「あー。たぶん、それ。アニメ」

 ・・・ごめん。アニメ、ってなに?



「こらっ!いいかげんにしなさい、ってってるでしょ!」

 ビクッ!?こえをしたほうにかおける・・・。

 うわぁ、母親ははおやがおっかないかおをしてやがる。しかしながら、わたしがワンワンえたせいなのか。母親ははおやあわてた様子ようすで、子供こどもきかかえた。

「ダメでしょ。このちかづいたらまれるわよ?」

 ・・・わたしは、クゥン、と。いてみる。

「おかあさん。みず、かえて、って。いってる」

「えっ?なんのはなし?そんなことより、はやくウチにはいりなさい」

 ・・・うん。わたしボケてないよな?これって、ゆめじゃなくて――。

もしかして、完結するまでは公式企画作品としては認められないの・・・?

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