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ブーム

掲載日:2023/02/16

 ある日、議員が殺害された。国会でも居眠りばかりしており、何か仕事をしているようではとてもなかった。犯人はすぐに逮捕された。若い少女だった。動機は世直しだと少女は語った。大々的にメディアは取り上げた。


 その後、模倣犯が数人現れた。必ずしも狙いは政治家ではなかったが、世間からよく思われていない人間が標的になっていた。それらの事件は何度も新聞の一面を飾った。


 政治家などはイメージが下がることを恐れながら誠実に行動するようになった。


 少し、その国は良くなったように見えた。見えてしまったのだ。


 陰謀論が唱えられ始めた。当然だ。数度の殺人によって国家が良くなったように見えているのだから、裏に国家があると勘ぐり始める者が居てもおかしくはなかった。


 こじつけが始まり、事件はすべて陰謀と結びつけられるようになって行った。


 しばらくするとメディアもその陰謀論についての報道を始めた。


 それらしい本を出せば売れ、ニュースで取り上げれば視聴率が伸びた。陰謀に無駄にこじつけるだけで良いことが起きるようになった。


 ブームというものは過ぎ去っていくものだ。


 証拠のない状態は長く続き、すっかり陰謀論は僅かな人間に囁かれるのみとなった。イメージを大切にしたがる思いが睡魔に負ける人間が増えた。


 日常がすっかり日常へと戻ったある日、居眠りばかりをしている議員を狙った殺人未遂事件が起こった。


 犯人は、昔世直しを理由に殺人事件を起こした少女だった。


 その事件は次の日の朝刊に載った。


 それだけだった。


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