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争奪戦記 降臨編  作者: ぶらほわ
4/5

4.-自己紹介-

情報とは生物である。発見と忘却は繰り返し、過去と知覚を成す。

アカツキ

「ということで...今更ではあるけど改めて自己紹介を。


俺の名前は暁 一華。この浪合隊の隊長を務めている。よろしくなっ!んでこっちが、」


無造作な黒い髪に、紅玉の様な瞳が一層際立つ。


リサト

「私が蒼明 梨里、浪合隊副隊長を務めさせてもらっている。よろしく頼む。」


濃い茶髪に紺碧の瞳、そして真面目な雰囲気を醸す。


ミルダ

「そして私がミルダ・セル・シューレインです!よろしくね、アルちゃん!」


新緑を思わせる髪と瞳、活気を与える様な気力を放つ。


アルフェリア

「は、はぁ...」


ハルヤ

「はは、ミルダは慣れが早いね。私は工月 春矢、浪合隊での盾兵を務めさせてもらっている。...一応こんな姿ではあるけど女なんだ。間違わない様に...ね?」


低音の声帯に輝く様な茶髪、黄土に鈍く光る瞳、そして端正な顔立ち、しかしどこかに美しさを感じる容姿を持つ。


アルフェリア

「!?、わ、分かりました...?」


ミルダ

「あっ!私は魔術師ね!」


突然に声が挟まる。


ガリュード

「・・・。」


ハルヤ

「がーりゅ、挨拶しな。」


ガリュード

「・・・任せる。」


ハルヤ

「あはは...彼はシャイなんだ。気にしないでおくれ。彼はガリュード・フォーサル。暗躍や裏取りが担当なんだ。」


隊長と同じく無造作な髪に暗い紫の瞳を持つ。


ガリュード

「・・・よろしく。」


アカツキ

「それじゃあ...」


5人の視線が一点に集まる。

少しばかりの緊張と微動、詰まりそうな息を整え、声を発する。


アルフェリア

「私の名前はアルフェリア・ラナシエル。見ての通り...とはいっても、輪と羽は仕舞っているのですが、種族は天使です。今回は本当にありがとうございます...!」


勢いのある礼とともに心のこもった謝意を示す。そこに反駁する者は誰一人としていなかった。


リサト

「・・・それで、今君の天回石、天界に戻る為の鍵は十字教会に握られている...と。」


アルフェリア

「はい...。」


アカツキ

「俺さ、いまいち天回石の仕組みについて分かってないんだけど、こう、認識できたりはするの?」


アルフェリア

「天回石は現世に顕界した際に自動的に生まれる結晶です。天界に還る際にはそれを介す必要があります。


破損や紛失ということはまずありません。仮に破損しても、自動的に再生されますし、亜空間に仕舞ったり、どこにあっても呼び戻すこともできます。」


アカツキ

「じゃあ帰れるんじゃないのか?」


アルフェリア

「それなんですけれど、誰かに魔術的、呪術的に掌握されている状態だと、先程の呼び戻しができないんです。」


リサト

「つまり、顕界した瞬間に十字のに掌握された、と。」


アルフェリア

「はい...。」


ミルダ

「酷いけど、抜け目ないなぁ。」


リサト

「それで、俺達の目標はアルフェリアさんの天回石の奪取、と。」


アカツキ

「そういうことになる。」


ミルダ

「でもさでもさ、ここにそのひっどい事された証人がいるんだから、これを証言すればいいんじゃないの?」


ハルヤ

「そう単純な事ではないだろう。十字が何の考えも無しにただ構えているということはないだろう。現に聖銅連盟が鎮圧しきれていないのもこの為だ。法で"裁かれる"ということになっても、実際に"裁けるか"と言われればそれは難しいだろう。」


リサト

「誰が天回石をもってるかとかが分かれば、目標も立てやすいんだがな...」


長方形の机、6人分のスペースがあるが、座っているのは5人。一人、紫眼の少年は奥のソファに座り、剣を磨く。


アルフェリア

「あ、それならなんとなく分かるかもしれません...。」


アカツキ

「ん・・・え?」


ミルダ

「わかるの!?」


目を見開き、口を揃えて驚きと疑念を抱く。


アルフェリア

「え、ええ...微かな記憶なんですけれど...。」


リサト

「何を知っているのか、聞かせてほしい。」


青眼と黄眼、そして天使の三人が残り、残りは退出する。


アルフェリア

「確か...とても暗い...広間の様な場所で...」


脳裏に浮かぶぼやけた記憶が、少しずつ色彩を取り戻す。


アルフェリア

「人が何人かいました...その後...そのあと...」


微かな震え、音が喉に詰まる。


ハルヤ

「大丈夫だ、落ち着いて、ゆっくりでいい。無理はするな。」


そっと寄り添う。温かな感情を寄せる。彼女がそれを理解しているかは分からない。

しかし、体の震えは(おさま)りつつある。


アルフェリア

「・・・たしか、名前を呼んでいました。」


リサト

「名前?」


1人、表情を変える。


アルフェリア

「ええ...たしか...」


ーーー ーーー ーーー


十字教会員

「新たな天使の召喚に成功しました。」


微かに聞こえる人の声、そして雑然な足音。

今この場で何が起こっているのか、理解に苦しんだ。


アルフェリア

「(・・・んん、人の...こえ?)」


十字教会員

「ラジェス様。こちらの天使はどうなんでしょう?」


ラジェス

「・・・、これは...。」


十字教会員

「何か問題が?」


ラジェス

「いや、非常に面白そうだ。」


アルフェリア

「(何だろうこの人達...普通、召喚はこんな感覚じゃ無いと思うんだけど...なんだか体が重い...意識も...)」


・・・


・・・


ーーー ーーー ーーー


アルフェリア

「はぁ...は...ぁ...」


ハルヤ

「大丈夫?」


アルフェリア

「だ、大丈夫...です...召喚の時のあの感覚...やっぱり普通じゃないです。何か...何かが変です。」


リサト

「ラジェスねぇ...」


ハルヤ

「聞いたことすらないな。」


リサト

「しかしトップは相当な自信家なのか?抵抗されるという疑念は無いんだろうか...。」


ハルヤ

「それに対してそいつの力を想像できないお前は、もう少し思考を巡らせるべきだな。」


得意気な顔で諭す。


リサト

「あはは、それはそうかも。」


ハルヤ

「思い出せるのはそれくらいかい?」


アルフェリア

「はい...申し訳ありません、お役に立てず...」


ハルヤ

「いいんだ、大丈夫さ。それが分かっただけでも大したものさ。」


・・・


・・・


アカツキ

「ってことで、俺達はそのラジェスってヤツをぶっ倒せばいいってことだな。」


ハルヤ

「端的に言えば...まぁ...。」


ガリュード

「そう簡単に詰めれると思うか?仮にも一組織、そして天使を扱うグループのリーダーなんだろう?その力は計り知れないぞ。」


リサト

「ガリュの意見が最もだ。戦力が未知数の相手に俺ら一小隊で挑むには無謀にも程がある。」


アカツキ

「しかし大事になればなるほど、相手にも勘付かれ安くなるのも問題だ。現に、十字のメンバーがどこに潜んでいるのかすらも不明瞭だ。


そしてもう一つ問題になるのが・・・。」


・・・


To be continued.

5人の少年少女、そして1人の天使が集った。彼らの前に立ちはだかる問題とは。

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