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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

変貌-Grego-

作者: U

ある朝、グレーゴが悪夢から目覚めたとき、彼は己の体がまるで夢を游ぐ時のような感覚にあることに気づいた。

そして彼は、同時に、己の体が二つある事に気づいた。

一つは、見慣れた手や見慣れた足を持つ常日頃彼が動かしている体。

もう一つは、彼の、慣れた体とは一切勝手が違う体であった。

彼は、彼の家の、正確には彼の父の所有する、この国においてもっとも発展している地の一等地にある家の、彼の寝室にいた。

同時に、彼は、彼の淡い記憶に在る場所にいた。

そこは、かつて彼が、まだ幼い子供であったとき、そこに生える幾つもの木の間を駆け、登り、また、奥に住む壮年の木こりの仕事をまね、その木こりの、少しばかり古くさい造りをした家のそばにある泉で泳いでいた…そんな思い出を彼がもつ森であった。

彼の家にいる彼は、いつもの彼らしく過ごした。

着替え、朝食をとり、顔を洗い、髪を整え、髭を剃り、彼の仕事を行う、何も変わらない日常であった。

森の彼は、思い出のように森を駆けた。

少しすると、あの木こりの家が見えた。

壮年であった木こりは既に老人になっているであろう。あるいは、もうここにはいないかもしれなかったが、彼は扉を開けてみた。

老人がいた。当然老けてはいたが、思い出にある顔から遠く離れていなかった。

彼が寄ろうとすると、老人は腰を抜かしたように後ろに倒れた。

その顔は、驚愕から恐怖へと変わっていた。


グレーゴは目覚めた。

そして、彼は辺りを見回した。

どうやら、使用人たちは一人残らずいなくなっているらしい。

彼は、町へ出掛けた。

人の気配は何故かなかった。

彼は少しつまらなくなり、森へ帰った。

しばらくすると、甲冑を付けた集団から発生するガチャガチャという音が聞こえた。

家の壁が吹き飛ばされた。

彼に向かって、幾つもの攻撃が行われた…

彼の周りには、今、無数の、抉れ、千切れ、傷まみれで、まるで使い古したみすぼらしい雑巾のように人の体が散らばっている。

「戦士」の怪物たちはいかにしてうまれるのか?


私はあの世界を非常に短く、端的にしか表せていない。しかし、あの世界は狭くない。いくつもいくつも絡み合い一つへと纏まっているはずだ。

なら本筋以外も写すべきなのではないだろうか?


というわけで生まれた話です。ご査収ください。

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